サイの日のお便り Vol.28|2025年度の軌跡と、リーダーとしての「手放す」挑戦
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いてくださりありがとうございます。
私が暮らす東京の多摩市は、とても緑の多いまちなのですが、この季節は本当に新緑が眩しい。花粉の時期も終わり、1年の中でわずかしかない心地の良い季節を過ごしています。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
さて、31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。この時期、PIECESのような3月決算のNPOは、所轄庁への事業報告の提出や総会の開催など、前年度の報告を取りまとめる時期でもあります。
そこで今回は、昨年度(2025年度)の事業のハイライトを簡単に振り返りつつ、最近私が感じた個人的な振り返りについてもお届けしたいと思います。
2025年度のハイライト
まずは、2025年度の事業報告からです。ちょうど今、6月の理事会や総会に向けて1年間の活動をスタッフみんなでまとめている最中なのですが、数字や出来事の裏にあるたくさんの出会いや変化に改めて触れ、いろんな人の顔を思い出しています。
私たちの原点とも言えるCforCプログラムには、今年度27人の方にご参加いただきました。子どもたちにとっての心地よいあり方を探究する中で、今年は特に「子どもの感情や願いと同時に、自分自身の感情や願いも大切にするようになった」といった変化の声が多く聞かれました。一部ですが、参加者からは修了後にこんな声が届いてきています。
・今まで、自分の願いについてはあまり考えたことは無く、あれもこれもと多くの考えがめぐりめぐって、多くの人の心について思い続けていました。リフレクションをとおして「自分の願いを大事にする」ことは他者の願いも大事にすることになるということに、体験的に気づくことができました。
・頭でっかちで生きてきた自分にこころ(感情)とからだからの応答が感じられるようになってきている。
・自分の感情を押し殺してまで子どもの思いを第一に優先することは、結果として自らを疲弊させ、長くは続かないということを学んだ。まずは自分自身の願いや思いを大切にし、自分を知ることが第一歩であると実感した。 「大人の良かれ」は時に子どもを傷つける可能性があることを常に意識し、子どもの真の声を心で感じ取れるようになりたい。
また、「PIECESの取り組み」から「共創・協力による取り組み」へと舵を切った協働プロジェクトも、少しずつ広がりを見せています。今年度は全国の行政機関やNPO、企業などとの協働が16件生まれ、650名以上の方に参加していただくことができました。10の非営利機関が参画する「ひびラボ」が主催した『Unnamed CARE Forum』には、1週間で434名もの方が集ってくださり、地域や団体の枠を超えた熱気を感じる時間となりました。
そして、設立9周年を記念して制作された公式テーマソング「ひとかけ」は、YouTubeでの視聴回数が42万回を突破。動画のコメント欄からも多くの方の心に届いていることを感じています。
組織としても、2025年12月8日付で東京都より「認定NPO法人」として再認定を受けることができました。その後に行った寄付キャンペーン等を通じて、新たに42人もの方がPIECESメイト(継続寄付者)として仲間になってくださったことも、本当に大きな励みとなっています。
こうして一つひとつの成果を振り返ることができるのも、日頃から活動に心を寄せ、支えてくださっている皆さんの存在があってこそです。本当に、ありがとうございます。
「任せる」ことの難しさと、「手放す」挑戦
さて、ここからは少しだけ最近の個人的な振り返りを。
2025年度の確かな手応えを感じる一方で、私自身は最近、大事なことに気づきました。
先日、経営メンバーのあんちゃん(矢部杏奈さん)とランチをしていた時のこと。自然とリーダーシップの話になったのですが、そこで2人とも「他のメンバーに仕事を任せるのが、あまりうまくできてないよね」という話になりました。
他のメンバーにオーナーシップを発揮してもらいたい。心からそう願いながらも、ついつい任せたはずの仕事に対して口出しをしてしまっている自分がいるのです。「もっとこうしたらいいんじゃないか」「ここが足りていない気がする」という感じで。
もちろん、どうしても言わなきゃいけない時や、代表として責任を持たなければならない場面はあります。PIECESとしていい仕事がしたいという想いが当然根っこにはある。でも、少し口を出しすぎている。
「権限を委ねる」というのは、ある種「口出ししない領域を作る」ということでもあるのかもしれないと、あんちゃんとの対話を通じてハッとさせられました。任せると決めたら、相手を信じて託す。それができていなかったなと。
いまPIECESで一緒に活動しているメンバーは、だんだんと年次も重ね、主体的に動き、頼もしく事業を引っ張っていける人たちばかりです。だからこそ、今年度はこの「権限移譲(口出ししない領域を作ること)」が、私にとっての大事なテーマになりそうです。
代表になって、今年の夏で丸2年を迎えます。自分の未熟さゆえに、自分自身の存在が組織の発展のボトルネックにならないようにしよう。ランチの最後には、そんな思いを胸に誓いました。
でも、こうして自分の課題に気づかせてくれる仲間がいること、そして言葉にして皆さんにお伝えできる今の環境を、とてもありがたく思っています。
2026年度、そしてその先の10周年に向けて、PIECESはユースセンター機能を持つ拠点の新規開設など、さらに大きなチャレンジへと向かっていきます。代表である私自身が、うまく「手放し」、メンバー一人ひとりの力が最大限に発揮される土壌をつくっていけるよう、一歩ずつ進んでいきたいと思います。
これからも、不器用ながらも変化し続けるPIECESを(そして私のことも)、応援いただけたら嬉しいです。
それでは、また次の31日にお会いしましょう。
2026年5月31日 PIECES 代表理事 斎 典道
サイの日のお便り Vol.27|10年目の決断と挑戦
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
いよいよ明日から4月。新年度になり、ご自身やご家族が新たな生活や環境の変化を迎えているという方もいらっしゃるかもしれません。
肩に力が入ったり、気が張りやすいタイミングかもしれないので、意識的に「緩める」ことを大切にできると良さそうですね。
さて、少しずつ、いろんな場面でお伝えもし始めてもいますが、10周年イヤーとなる2026年度は、PIECESにとっても大きな変化の年になりそうです。今回は、PIECESがいまどんな状況にあるのか、これからどんな変化が起きていくのかについてお伝えできればと思います。
PIECES誕生から、今年で丸10年
前回までのお便りでもお知らせした通り、今年の6月22日で、PIECESはNPO法人化してから丸10年という大きな節目を迎えます。
設立初期のころから「市民性」という、目に見えにくく、すぐに結果が出るわけではない分かりづらい価値を真ん中に置き、今日まで中長期的な取り組みを続けてこられました。それができたのは、他でもなくPIECESの運営に関わるスタッフや、プロボノやボランティアとして関わってきてくれた「まきば」のメンバー、そして「PIECESメイト」をはじめとした寄付者の皆さんが、これまでずっと活動や応援のバトンを繋ぎ続けてくれたおかげです。この場を借りて、心からの感謝を伝えさせてください。本当にありがとうございます!
直面する組織課題と、足元の現在地
しかし、10周年という喜ばしい節目を前に、私自身は代表を引き継いでからずっと、ある種の不安と隣り合わせで過ごしてきました。
以前にこのお便りの中でも少しお伝えしたこともありますが、いまPIECESは資金面で非常に苦しい状況にあります。社会課題が複雑化していく一方で、世の中の支援や寄付の流れは、根本的な課題や仕組みにアプローチする長期的な取組みよりも、目に見えて分かりやすい問題解決や、対症療法的な緊急支援や物資支援などに注目が集まりやすい傾向があります。
私たちが取り組むような中長期的なアプローチにはなかなか資金が集まりにくく、ここ数年大口寄付の件数は減少。社会経済的な変化の影響も受け、一時は最大500名近くいらっしゃったPIECESメイトも、現在は約300名まで減ってしまっているという足元の現実があります。
ちなみにこれは、PIECESに限った話ではなく、NPOセクター全体として今そのような逆風に直面しているという話が、先日の新公益連盟の集まりの中でもなされていました。
もちろんそのような中でも寄付者の輪を広げている団体もあるので、自分たちの頑張りが足りないところもあるのだと思います。それでも、自団体の努力だけでは抗いきれない外部環境の変化の中で、改めて自分たちのあり様・あり方が問われています。
このままの状況では、持続可能な形で組織を運営し、社会に価値を届け続けることはできない。この強い危機感と向き合い続けた結果、私たちは次の10年に向けて、いくつかの決断をすることにしました。
次の10年への決断①:分散から収束へ
決断の1つ目は、事業のアプローチを「分散から収束へ」とシフトすることです。
これまで私たちは、オンラインのCforCプログラムなどを通じて、全国各地の個人の方々に「点」として市民性の種火を届けてきました。しかし、私たちが大切にする「市民性」や「優しい間」の価値は、言葉やオンラインの画面越しだけではなく、同じ時間、同じ空気を共にする「身体性」を伴ってこそ、より深く伝わるものだと改めて実感しています。
そこで、全国に広げるアプローチから一旦舵を切り、東京の多摩市という地域での「面」の実践へとリソースを集中させることにしました。現在、多摩市内にユースセンター機能を持つ拠点をつくるべく、その準備に奔走しているところです。ありがたいことに、このチャレンジを応援いただける資金提供者が複数見つかり、まずは自分たちの手を動かしながら、多摩という地域でリアルな体験や感覚を大切にした「場づくり×人づくり」のモデルづくりに取り組みます。
これに伴い、毎年全国から参加者を募ってオンラインで開催してきたCforCプログラムは休止し、CforCで大切にしてきたエッセンスは、多摩市での人づくりの実践に引き継いでいくことにしました。ゆくゆくは、各地に種火が広がるための仕組みづくりを再開できればと考えていますが、そのためにも、目の前の一人ひとりに価値を届けながら、簡単に消えることのない熱源のような場をつくっていきます。
次の10年への決断②:コミュニティ運営の再編
決断の2つ目は、コミュニティ運営の見直しと再編です。
これまで、CforCのアルムナイコミュニティ、寄付者コミュニティ(PforP)、団体コミュニティ(ひびラボ)など、コミュニティが分散しており、それぞれに日常的な運営のエネルギーを費やしてきました。これを再編し、属性ではなく「市民性」を真ん中に置いた新たなコミュニティの形へと再編していきたいと考えています。
日常的な運営にかけていたエネルギーをシフトさせ、私たちが力を注ぐのは年に一度の「ハレの場」の開催に集約。今年の秋には、10周年を記念するイベントを開催し、その機会を皮切りに「市民性の祭典」(そのままじゃちょっとダサすぎるけど…笑)のようなものを毎年開催していくための構想を練っています。
これまでCforCに参加してくれた修了生の皆さんや、関わってくださったすべての方ともう一度繋がり直す、そんな機会にしたいと企んでいます。単なる内輪のお祝いではなく、社会への旗揚げとして、新たな仲間の輪を広げるための入口にしていきます。
変わるもの、変わらないもの
やり方や形は大きく変わります。それでも、PIECESのコアにある「市民性」や「優しい間」、一人ひとりの存在を大切にするという価値観は全く変わりません。市民一人ひとりが自分と他者のBeing(存在・尊厳・願い)を大切にし合える社会を実現したい、その想いも変わりません。アプローチの方法は変わりますが、そこに宿るものはこれまでと同じです。
次の10年、多摩という地域で、そして新しいコミュニティの形で、PIECESの第2章が幕を開けます。どうか新年度も、少しずつ形を変えながら進んでいくPIECESを面白がり、一緒にワクワクしながら応援・協力を続けていただけたら嬉しいです。
2025年度活動報告会を開催します! ※PIECESメイト限定
今回のお便りでは、「これから」の変化についてお伝えしてきましたが、その変化は「これまで」の積み重ねを通じて生まれてきました。今回のお便りでは十分伝えきれなかった「これまで」について、丁寧にお伝えする機会をつくれればと思い、活動報告会を開催します。
今回は、日頃PIECESの活動を寄付で応援くださっているPIECESメイトの皆さん限定で参加いただける報告会です。各事業に関わるメンバーからの報告はもちろん、メイトの皆さんとのインタラクティブなやりとりをする時間も設けていますので、是非この機会にご参加いただけると嬉しいです。
オンラインにはなりますが、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
▼詳細・申込はこちらから
https://pieces-202604.peatix.com/
2025年度もありがとうございました!新年度もどうぞよろしくお願いいたします!
また次の31日にお会いしましょう。
2026年3月31日 PIECES 代表理事 斎 典道
サイの日のお便り Vol.26
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
「年が明けて、もう1カ月?!」という感覚の方も多いと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。
私は、11月に第3子が産まれ、3人の子育てと仕事の両立で正直ちょっと疲れ気味…徐々にペースを掴みつつありますが、そんな状況なので今回はちょっと省エネで、先日開催したイベントに関する御礼と、大切なお願いを1つだけさせていただきます。
10周年イヤーの幕開け
先日、1月23日に、認定NPO法人としての新たなスタート、そして設立10周年を機に始動する新たなチャレンジについてお伝えするイベントを開催しました。50名もの方々にお申込みいただき、寄付付きチケットもたくさんご購入いただきました。ご参加・ご寄付くださった皆さん、ありがとうございました!
新たなチャレンジについて、今回のイベントでは「具体的に何をするか」よりも「このチャレンジを通じてどんな景色を広げたいか」にフォーカスしてお話ししました。当日の話を少しだけかいつまんでご紹介すると…
これまでPIECESは、CforCなどのプログラムを通じて、主に個人の単位で「優しい間」や「市民性」のエッセンスを届けてきた。次の10年では「個々の変容からコミュニティの変容へ」とつながるチャレンジをしていきたい。
子どもの周りに「優しい間」を広げたいという想いはこれまでと変わらない部分。間というのは、時間・空間・仲間、あるいは手間やすき間、ひまも含まれる。現代の孤立化する社会では、これらが自然とちょうどよく子どもの周りに広がりにくくなっている。
このチャレンジの先に広がる景色をイメージした時に、「緩むこと」「対話的であること」「ともにあること」といったあたりがキーワード。
子どもたちの多くは、とても「頑張って」生きているように見える。おとなから期待され、評価され、「ちゃんとすること」「察すること」を求められることも多い。
子どもがネジを締めて頑張るだけでなく、適度に緩みながら、自分の声が大切にされる時間・空間の中で過ごせること。それを、「子どものために」と肩ひじ張ってつくるのではなく、「子どものとともに」の感覚を大事に手間暇かけてつくっていく。
そんなイメージを共有する時間になりました。
イベントの中でもお伝えしましたが、「ではそのために何をやるのか」「どんな方法で形にしていくのか」といったより具体的な話はまだまだ検討中です。今回のような場をまた開きながら、いろんな人の声に耳を傾けながら少しずつ形にしていければと思うので、是非お時間ある方は次回以降もご参加いただけたら嬉しいです!
そして・・・
認定NPO法人としての新たなスタート、設立10周年を機に始動する新たなチャレンジ。この1つの節目のタイミングで、より多くの方々にPIECESのことを知ってもらい、仲間になってもらえるように、本日まで寄付キャンペーンを行っています!
毎月・毎年の継続的な寄付はもちろんのこと、今回のみの単発での寄付も金額問わずとても大きな力になりますので、是非応援いただけるとありがたいです。
認定NPOへの寄付は、寄付金額の最大40%程度が所得税や住民税の控除対象になるので、是非最後の一押しにお力添えをお願いします!
▼寄付キャンペーンの詳細はこちらから
https://www.pieces.tokyo/2025cp
それでは、今日はこのあたりで。
また次の31日にお会いしましょう。
2026年1月31日 PIECES 代表理事 斎 典道
サイの日のお便り Vol.25
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
2025年の大晦日、いかがお過ごしでしょうか。
前回のお便りでも触れていましたが、11月11日に無事に我が家に3人目の子が産まれてきてくれました。賑やかすぎる毎日にヘトヘトになりながらも、7歳、4歳が一生懸命あやしたり、それに偶然応答したりする微笑ましいやりとりに癒される日々でもあります。
さて、31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。
今回は、年の瀬に嬉しいご報告と、来年に向けての野望?をしたためてみたいと思います。
認定NPOに返り咲きました!
既にメルマガ等でご覧になったかもしれませんが、12月8日付で、晴れて認定NPOに返り咲くことができました…!!
まずは、この間も変わらずご寄付を継続してくださったPIECESメイトの皆さん、本当にありがとうございます。 認定失効後に一定数退会される方もいらっしゃった中で、変わらず継続いただいた方、新たに登録くださった方々には感謝しかありません。 また、寄付だけでなく、様々な形でこの間も応援や協力を続けてくださった方々にも、深く感謝申し上げます。
振り返れば、認定失効の連絡を受けたとき、さらには「約5年は再申請はできない」と言われたときのショックや絶望感は今でも忘れることができません。
失効理由が理由だっただけに、不服申立ての道なども考えましたが、下手したら2年近くの時間を要する上に結果もどうなるか分からない。そのような状況で一時期は途方に暮れかけましたが、外部専門家の力も借りて知恵を絞り、打開策を考え、たくさんの書類作成と手続きを重ねてきました。
失効から1年後に再申請書類を提出。約5年は申請は難しいという見解だった所轄庁(東京都)も「え…?」という感じでしたが、最終的にはこちらの講じた手立てや一連のプロセス、組織のガバナンス体制等が認められ、再び認定NPOとして認めていただくことができました。
お世話になった外部の弁護士さんからも、所轄庁の目が当然厳しくなるだろう中で乗り越えたことを褒めていただき、だいぶ報われた感があります。
何より、この間もPIECESのことを信じて寄付を続けてくださった皆さん、活動を共にしてくださった皆さんにはただただ感謝しかありません。本当にありがとうございます…!
NPO法人は、全NPO法人に占める割合が約2%。透明性・公益性・ガバナンスなど、厳しい基準を満たした団体にのみ与えられます。社会的な信頼の証であるとともに、寄付者の皆さんが税制上の優遇措置を受けられるので、寄付という形で活動の輪に加わっていただきやすくなることから、再取得を目指してきました。
皆さんと喜びを分かち合いつつも、これは新しいスタートラインでもあります。認定失効の影響もあって、この間にだいぶ財務状況が厳しくなってしまったのもまた事実。
これを機に、ガバナンスや法令順守の視点から組織全体の在り方を一層見直しながら、事業・組織・財源の状況を立て直していくべく、根気強く取り組んでいこうと思います。
再び認定NPOになったPIECESと一緒に、これからもどうぞよろしくお願いします!
設立10周年、そして新たなチャレンジに向けて・・・
2026年6月22日で、PIECESは法人設立から10周年を迎えます。
いぶきさんや荒井さんらと、活動の原資もほぼない状況で、勢いだけで立ち上げたと言っても過言ではない組織が、10年間活動を続けてこれたことには感慨深いものがあります。
当時は、ソーシャルワーカーとしての週4日の仕事で生計を立てながら、残りの限られた時間で活動を何とか形にしようともがいていました。それが10年経った今、プライベートを除くほぼすべての時間をPIECESに費やすことができています。活動資金がない中で、これが失敗したらもう解散だという勢いで初年度に立ち上げたクラウドファンディングが成功し(目標の200万円を大幅に超える564万円を調達)、なんとか命拾い。そんな組織が、10年の年月を経て、有給・無給のメンバー合わせて30名を超える体制で運営しています。
個人的には、去年代表のバトンを受け取ったことで、それまでとは異なる次元で責任や重圧を感じるようにもなりました。それが日々の充実感に繋がっているとも言えますし、一方ではついつい周りの10年組織と比較して劣等感を抱いてしまったり、おぼつかない資金状況を前に不甲斐なさを感じたり、そんな自分の弱さのようなものと向き合う日々でもあります。
10年という時間を振り返ると、何かをもたらすことができたという手応えよりも、まだまだやれていないことがたくさんあるという課題感の方が正直大きいです。それでも、次の10年がどんな時間になっていくのか、どんなチャレンジをみんなと一緒に重ねられるのか。そんな未来への想像や希望を抱かせてくれるPIECESという存在に、自然と感謝の気持ちが湧いてきています。
皆さんもそれぞれに、この10年間の歩みのどこかでPIECESと出会い、関わりを持ってくださっているわけですが、皆さんにとってPIECESはどんな存在であれているでしょうか。よかったら是非、声を聞かせてください。
さて、10周年イヤーとなる2026年には、新たなチャレンジを開始する予定です。
これまでさんざん市民性だ、優しい間だと訴えてきましたが、言語化しようとすることにもちょっと疲れてきたので(半分冗談、半分本当)、場でもってそれらを体現、表現していこうと思います。具体的には、東京の多摩市をフィールドに、子どもたちをパートナーとして子どもも大人もひとりの人として共にあれるユースセンター機能を有する場づくりと、子どもを支える地域の人づくりを一体的に行うような取組を行う構想を描いています。
今まで、場づくりをする人たちはたくさんいるから、PIECESがわざわざ同じようなことをする必要はないんだ、と言ってきました。が、いろいろいろいろな要素が重なり合って、このチャレンジに踏み出してみようという想い、考えに至りました。
とはいえ、やりたいことはあっても、それを形にするための場所や資金、仲間集めはまだまだこれから。なので、現時点では何をどこまで実現できるかはまだ確定的なことはなんとも言えません。ただ、口に出さないことには始まらないのと、このチャレンジをできるだけたくさんの人たちと一緒に進めていきたいと思っているので、この先も少しずつ様子をお伝えしていきたいと思います。
ということで、その最初の機会として、1月23日(金)に行う10周年イヤーの幕開けとなる下記イベント内で、いま描いている新たな場づくり・まちづくりの構想についてもお話しします!PIECESのことをまだよく分かってないという方にも楽しんでいただけるように、この10年の歩みについても少し振り返った上で、これからの取組について、そして次なる10年に向けて今考えていることをお伝えするような時間にする予定です。是非ご参加いただけたら嬉しいです。
▼イベントの詳細・お申込みはこちらから
https://pieces-202601.peatix.com
さいごに
認定NPO法人としての新たなスタート、そして設立10周年を機に始動する新たなチャレンジ。この1つの節目に、より多くの方々にPIECESのことを知ってもらい、仲間になってもらえるように、12月22日からPIECESメイト募集のためのキャンペーンがスタートしています!1月末までに、プラス100人。そして10周年の年度が始まる4月1日までに、さらに100人のPIECESメイトを募集していきます。
このキャンペーンを、一人でも多くの人に届けていきたいと思っているので、是非周りの方々にお声かけ頂いたり、SNSでのシェアを頂けると大きな力になります。認定NPOになったことで、寄付金額の最大40%程度は所得税や住民税の控除対象になるので、この機会にぜひ!
▼寄付キャンペーンの詳細はこちらから
https://www.pieces.tokyo/2025cp
それでは、今年も1年間ありがとうございました!
また次の31日にお会いしましょう。
よい年をお迎えください!
2025年12月31日 PIECES 代表理事 斎 典道
サイの日のお便り Vol.24
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
この季節は、花粉・乾燥・低気圧の三重苦によって毎年喘息症状に見舞われ、なかなかしんどい日々を過ごしています。皆さんは、いかがお過ごしでしょうか。
さて、31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。
今回は、いつもと少し趣向を変えて、短編形式でで最近のPIECES内外でのトピックをいくつかご紹介したいと思います。
TBPとの出会い
先日、10月19日に「Social Innovation morning」というイベントに参加してきました。日曜日の朝9時からソーシャルイノベーションをテーマに語り合うというだいぶニッチな会でしたが、会場には100人以上の参加者が…
この会は、『Stanford SOCIAL INNOVATION Review』(通称、SSIR)というソーシャルイノベーションにまつわる記事を掲載した雑誌の中から、日本で話題になっている6つの記事をテーマに、登壇者と参加者とでインタラクティブな議論や対話を行い、「社会イノベーションの知」を共有するというものでした。
今回参加してきたのは、「トラスト・ベースド・フィランソロピーの戦略的価値」と「イノベーションの未来は、コレクティブから始まる」という2つのセッション。
中でも、個人的に印象深かったのは「トラスト・ベースド・フィランソロピー(TBP)」という比較的新しい(日本で注目されるようになったのは、この1年くらい)概念との出会い。
元々耳にしたことはあったものの、このイベントを機にこちらの記事を読み、初めてその意味を知りました。記事を読んで意味することは分かったけども、「資金提供先に裁量を与え、使途制限のない資金提供や長期サポート、資金提供者と団体のオープンな関係性を築くこと」なんて、ホントに普及や浸透しうるんかいというのが正直な感想でした。
ただ、セッションの中で他の参加者の経験に耳を傾け、自らの経験を振り返る中で、実現に向けての要素やヒントは既にいろいろあるなというのに気づけたことが、驚きでもあり貴重な発見でした。自分の経験で言えば、資金提供を受ける立場になると、どうしてもいろいろ資金提供先のことを推し量って遠慮したりしがちだけど、意見や要望を出してみると、意外と声が届くこともあって、それによって対等でオープンな関係性が築け始めたこともあったな、とか。
いろんな助成金を受けていると、中にはとんでもなくガチガチに要件や制約で縛られているものもあって。もちろん成果やインパクトが何かを握ることはとても重要で、だけどそのプロセスやアプローチは変化していくことの方が多いわけで。そんな時にその要件や制約に苦しめられてきた痛みの記憶があるだけに、このTBPの考え方や実践が広まっていくように、自分の手の届く範囲でできることを地道にやっていければと思っています。
イベント本編の後には、交流会もあったのですが、基本交流会とか苦手なので最初は帰ろうかとも思いつつ(笑)、なんだかんだで約3時間、一番最後まで居座ってしまい、へとへとになりながら帰路につきました。
日曜日の朝9時に100名以上が集結…ものすごい熱気でした
ケアリングノーベンバーに出展します!
毎年11月に、東京の下北沢にあるBONUS TRACKで開催される「ケアリングノーベンバー」に、PIECESがギャラリー展示をさせていただくことになりました!
今年の6月に開催した「Unnamed Care Forum」で好評だった展示企画をもとに、「名前のつかないケア展」と題して体験・参加型の展示を企画しています。
▼展示概要はこちら
会期:11月26日(水)12:00-20:00、11月27日(木)11:00-19:00
会場:BONUS TRACK GALLERY 2
所在地:〒155-0031 東京都世田谷区北沢2丁目22−2号・1号
アクセス:小田急小田原線「下北沢」駅 南西口より徒歩2分
入場料:無料
イベント詳細:https://note.com/bonustrack_skz/n/n31d9bf1ab7ac
そして、この企画に合わせて、皆さんがこれまで出会った・感じた「名前のつかないケア」についてのエピソードを集めています。よければぜひ、皆さんの暮らしの中にある名前をつけるのは難しいけれど、確かに存在する「ケア」についてエピソードを聴かせていただけるとありがたいです!
▼「名前のつかないケア」エピソード募集中!
https://forms.gle/t4kKvzvSTGoCdAvE7
※11月14日締切
絶賛、助成金申請に没頭中
資金集めに関して、法人設立以来の難局を迎えているというのは、前回のお便りでもお知らせの通り(エールの声を届けてくださったメイトの皆さん、ありがとうございました!)。
そんな中で、現状講じうる重要な手立てとして、来年度に向けた助成金申請にメンバー皆で総力をあげて取組んでいます。
先週は、夏前に申請した助成金の結果が1つ出て、300万円超の申請を見事満額で採択!
ただ、来期に向けてはこの秋の助成金シーズンで残り1,500万円ほどの資金調達を目指しており、まだまだ手を止めることはできません。先週から今週にかけては特に慌ただしく、この1週間で5本の申請を出すべくSlackの通知が鳴り響いております。
資金集めに関する課題は本当に苦しく消耗も大きいのですが、このピンチの状況でスタッフのみんなが精一杯のの努力と協力をしながら乗り越えようとするエネルギーを目の当たりにして、今は不思議と楽観的でポジティブな気持ちでいます。
まずは目の前の助成金シーズンを乗り切り、助成金以外の資金源開拓にも励み、なんとかこの資金難の状況を乗り越えていければと思います。どうか引き続き、ご無理ない範囲で応援やご協力をいただけるとありがたいです…!
いよいよ、認定の再取得なるか・・・
メイトの皆さんには、長らくお待たせしておりますが、認定NPO法人格の取得に向けて大詰めを迎えています。既に、東京都への再申請(書類の提出)は済ませ、10月8日には東京都の担当者4名による現地確認(過去5年間の運営が適切に行われていたかの調査)も終え、現在認定可否の結果を待っているところです。
早ければ、11月か12月には結果が届くと思いますので、どちらになっても結果が分かり次第お知らせさせていただきます。
認定の可否とは別に、申請書類の1つである寄付者名簿をこの間ずっと作成・整理してきたのですが、この5年間の名簿をすべて足し合わせると、A4用紙599枚分になりました(名簿1枚に1人じゃないですよ。何人も何人も書いてあるんですよ)。せっかくならあと1枚…という話はさておき、これだけ多くの方々の寄付によって支えられているんだということを改めて実感し、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、たくさんの人たちが応援したいと思えるような活動を地に足付けて取組んでいきたいと思います。そのためにも、認定に復活できるように、一緒に祈りを届けていただけると嬉しいです…!
私事ですが・・・
最後は完全にプライベートなお話ですが、11月に我が家に3人目が産まれる予定です。生物学的な性は、1人目も2人目も男の子で、今回は初めての女の子の予定です。
家の中に、これまで見なかった花柄のモノたちがやたらと増え始め(めっちゃジェンダーバイアス~と自分で叫びながらも、どうしても買うものが花柄になってしまう妻の姿は面白い)、いよいよ感が増してきています。
お仕事関係でご一緒している方は、11月は少し予定が立てにくかったり、直前のリスケなどをお願いすることもあるかと思いますが、お許しくださいませ。
普段からだいぶ自由に働かせてもらっているのと、両親のサポートもあり、育休は取らずに過ごしますが、家庭へのコミット割合が増えるのは間違いないので、諸々ご理解をいただければ幸いです。
子どもの数が両親の数を越えてくることにガクガクブルブルしながらも、仕事も子育ても新たなフェーズに差し掛かるこの時期を、楽しんでいきたいと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
また次の31日にお会いしましょう!
2025年10月31日 PIECES 代表理事 斎 典道
サイの日のお便り Vol.23
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
小1になった長男くんが、先日初めての夏休みを終え、と同時に約40日に及ぶ弁当作りの日々(学童通いのため)から解放されました。
「もうこのおかず飽きたよ~」とか「保冷材入れすぎ!ごはん冷たかった~」と文句を言いながらも毎日ほぼ残さず食べ、誇らしそうに空っぽの弁当箱を見せてくれてた日々を思い返すと、あんなに大変だったのに、ちょっとした寂しさすら感じてしまっている今日この頃です。
さて、31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。
今回は、日曜日に発行するには少し重めな「お金」の話から始めたいと思います。
目の前に立ちはだかる、大きな壁
昨年、代表のバトンを受け取ってから約1年が経ちました。代表継承が形になるまでの2年間は、組織の行く末が定まらない状況で、どことなく組織全体にモヤモヤ感が漂っていました。そんな状況でもあったので、この1年は、組織全体に再び豊かなエネルギーが満ち始めているのを日々実感しています。
不確実性の高い中でも共に居続けてくれたメンバーには心からの敬意と感謝を伝えたいですし、PIECESメイトの皆さんをはじめ、日々の活動を応援してくださる方々の存在にも本当に助けられています。
一方で、すべて順調かというと決してそんなことはありません。特に資金集めに関しては、法人設立以来、今が一番苦しい状況といえるかもしれません。こんなことを言って、不安を与えてしまったらどうしようという気持ちもあるのですが、できる限りあるがままを伝えたいというのがこのお便りのコンセプトでもあるので、真正面からお伝えしてみることにします。
法人設立以来と言いましたが、立ち上げ当初は無一文からのスタートだったので、もちろん大変でした。でも当時は右も左も分からなかったので、苦しさなど感じる余裕もなく無我夢中だったように思います。地道に活動を続けていったことで、次第に寄付や助成金などが集まるようになり、少しずつ事業も軌道に乗っていきました。
コロナ禍に入ると、それまで続いていた寄付が一部途絶えてしまいましたが、NPO等への期待の高まりもあり、大口の寄付や助成金を受け取る機会はむしろ増加していきました。PIECESメイトの数がピークを迎えた(約450名)のもこの時期です。
しかし、コロナ禍から脱していった2023年あたりから、徐々にそれまでのようには資金が集まらなくなっていきました。PIECESは、いわゆる「寄付型」のNPOとして運営しています。この頃には設立当時の助成金比率が高めの状況からも脱していたので、収入の約7割が寄付(個人と法人がおよそ半分ずつ)で、残りが助成金や事業収益という状況でした。
この比率自体は、その後も大きく変わっていないのですが、2023年以降は寄付額が伸び悩むようになりました。そして、個人の方々からの寄付に関しては、残念ながらここ2、3年は減少傾向にあります。
もう少し厳密に言うと、退会者が増えているというよりは、新たにPIECESメイトとして寄付で応援してくださる方がなかなか増えなくなってしまいました。それにより、組織全体に広がるエネルギーがあるにもかかわらず、アクセルを踏み切れない。そればかりか、この状況が続くと、いまある事業活動の継続すら難しい状況にあります。
寄付が伸び悩む背景には、認定の失効なども影響しているかもしれませんが、寄付者などの声を聴く限りではその影響は限定的なようです。むしろ、退会時のアンケートに「経済的な理由」という声がやや増えているように、社会・経済的な影響を受けている側面はありそうです。
それでも、コロナ禍以降に寄付者の輪を広げている団体も多くあるので、自分たちの頑張りが足りないと言われればそれまでですが、ここにきて目の前に大きな壁が立ちはだかっているような感覚があります。
「月額500円」の寄付に込めた想い
ちょっと重たい話になってしまいましたが、だからといって悲観モードで立ち往生しているわけではありません。苦しいのは間違いない。だけど、そんな時こそ委縮して消極的な選択をするのではなく、可能性の方に光を当ててできる限り積極的にチャレンジをしていきたいと考えています。
これは資金集めに限ったことではなく、事業面でも組織面でも、このような局面が訪れたことをエネルギーに変えていきたい。100年単位で見たときに、この時があったからこその今だよね、と言えるような機会にしていきたいと考えています。
その1つのチャレンジとして、小さなことではありますが、7月にスタートしたPIECESメイトの募集キャンペーンから、月額の寄付を500円から選択できるようにしました。これは、かねてから大事にしている「少しずつ、みんなで」の世界観をより体現したいという想いから実現に至りました。
少額の寄付の話をすると時々「たった千円くらいの寄付で申し訳ない」と言われることがあります。私も、自分が寄付する側になると同じような気持ちがないわけではありません。ただ、寄付を受け取る側からすると、その「たった」の感覚はこれっぽちもありません。おそらくこれはPIECES以外の団体でも同様の感覚だと思います。
確かに、1,000円の寄付だけでできることはほとんどありません。ですが、1,000円の寄付が100人、1,000人と増えていくことでたくさんのチャレンジができるようになります。実際に、この10年間歩みを止めずに活動し、チャレンジを続けてこれたのは、間違いなく継続的に頂く寄付の積み重ねがあったからこそです。
記憶に新しいところでは、昨年劇的なフィナーレで幕を閉じたクラウドファンディングのチャレンジでも、500人もの方々からの応援によって達成することができました。また、それだけの寄付者が応援してくれている、ということが活動するメンバーにとって大きな心の支えになっていることは間違いありません。
コロナ禍以降、学生さんから「自分に何かできることはないか」というような問い合わせも増えています。より多様な立場の方にPIECESの活動を共に進める仲間になっていただきたい。
応援の輪に加わっていただきたい。「少しずつ、みんなで」この局面を乗り越えていきたいと思っています。
心からのご協力のお願い
PIECESは現在、日々の活動を継続的な寄付で支えてくださるPIECESメイトを新たに100人募集しています。
昨今の排外的な考えが広がる中で、一市民である私たち一人ひとりが、自分自身の存在や小さな願いを大切にすること、そして他者にひらかれたまなざしを向けることの重要性を痛感しています。
PIECESによる社会の土壌を耕す営みには、100年単位の時間がかかると考えています。小さな積み重ねの影響は目に見えることばかりではありません。それでも、「少しずつ、みんなで」を大切にこれからもチャレンジを続けていきます。
PIECESメイトの輪を広げ、社会に温かなまなざしを広げていくために、ご自身の寄付はもちろん、SNSでのシェアやお近くの方への呼びかけなどを通じて、皆さんの力を貸していただけたら嬉しいです!
▼PIECESメイト募集キャンペーンサイト
https://www.pieces.tokyo/campaign-donation2022-2
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
また次の31日にお会いしましょう!
2025年8月31日 PIECES 代表理事 斎 典道
サイの日のお便り Vol.22
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。
今回は、先月末に開催した「Unnamed CARE Forum」を終えて、いま心に残っているある感覚について言葉にしてみようと思います。
後半には、PIECESから夏の終わりを彩るイベントをお知らせもあるので、是非最後まで読んでいただけたら嬉しいです!
「ともにいる」は面倒だけど、心地いい
前回のお便りでもご案内しましたが、6月23日~29日の1週間、「Unnamed CARE Forum - “名前のつかないケア”を巡る7日間-」という企画を開催しました。1週間で延べ434名が参加してくださり、“名前のつかないケア”について、イベント内外で様々な発話や対話が繰り広げられる機会となりました。
その対話の様子やフォーラムのハイライトなどについては、近日中に素敵なレポートが完成予定ですので、また出来上がり次第お知らせします!
今日は、フォーラム当日の感想というよりは、当日を迎えるまでの企画や準備プロセスを通じて立ち現われてきた感覚について言葉にしてみます。
今回のフォーラムは、PIECES単独ではなく、「ひびラボ」という共創的なフィールドに集う複数のNPOや非営利組織と協力して開催しました。現在10の団体・機関が参画しており、「ひとりの人としての関わり」や「名前のつかないケア」を大事にするという意味では、共通の願いや価値観を持っているといえます。
一方で、活動する領域や地域をはじめ、法人としての理念やバックグラウンドなどは様々。当然、普段はそれぞれの団体・機関としての活動を行っているので、今回の企画や準備なども、それぞれの事業活動の合間を縫って進めてきました。
フォーラムの企画がスタートしたのは、昨年の年末頃だったので、準備期間はおよそ6か月。率直に言って、なかなか大変でした(笑)。
それぞれが合間を縫っての活動なので、どうしても得られる情報量に差が生まれたり。関わり方も濃淡あるので、その中でちょっとした後ろめたさや申し訳なさみたいなものも生まれたり。物事の決め方などもそれぞれの団体ごとの当たり前があるので、それらを重ね合わせるまでに時間がかかったり。お互いの存在を尊重するからこそ生じる気の遣い合いのようなものもあったりして、その度に立ち止まって進め方を見直したり・・・。
同じ組織の中であれば、言葉を交わさなくてもなんとなく通じてしまうことも、一つずつ確認したり、ひと手間加えたりしながら前に進めていく。それら一つひとつを振り返れば、時間的にも精神的にもそれなりのエネルギーを要するプロセスだったように思います。
じゃあもう同じようなことをやりたくないか、あるいは、次回はそれらの手間のかかるプロセスは省いてPIECESだけでやりたいか、と問われたら、答えは明確に「No」です。
手間ひまかかるプロセスだったのは間違いありません。語弊を恐れずに言えば、丁寧に声を聴き、声を届け、対話を重ねていくプロセスは、その瞬間だけを切り取れば面倒なことだったかもしれません。
でも、6か月間の準備プロセスを経て、フォーラムの開催を実現して、いま残っているのは、自分(たち)とは異なる当たり前や特徴をもった人たちと「ともに」過ごしたことで、自分やPIECESという存在に新たな色が加わったような、存在そのものが少し拡張したような感覚です。なんだか言葉にするとこぼれ落ちる感じがありますが、そんな感覚。
具体的な場面もいくつか思い出されますが、たとえば、フォーラム最終日の対面イベントをどんな場にしようかと話していた時のこと。会場にはおとなだけじゃなく、こどもたちも安心して一緒に過ごせたらいいよねという話をしていました。なんとなくその流れで話が進みかけたとき、あるメンバーが「ただ安心できるってだけじゃなく、こどももおとなもしっかり楽しめるようにしたい」と発してくれました。
自分やPIECESの当たり前の感覚だと「安心」で留まっていたところに、「楽しい」という異なる当たり前が加わった瞬間でした。そこから「安心できるし、楽しめる」環境をどうやって作るか、という話ができたことで具体的なイメージが広がっていきました。
その結果、当日来てくれた皆さんには目撃していただいた通り、会場には真剣に話をしたり聴いたりする人に交じって、あちこちに本気で楽しみ、本気でくつろぐ人たちの姿がありました。
これ以外にも、フォーラムの名称を決める中で、その決定プロセスへの戸惑いを発してくれた方がいたことで、それぞれの願いや大事にすることを改めて考える機会が生まれるなど、一人ひとりの存在が影響し合い、応答し合うことの豊かさを何度も感じる機会になりました。
いろんなことが便利で効率的になり、無駄や手間が削がれていく中、「ともにいる」もまた面倒なことだと敬遠されていってるような気もします。短期的には非合理なように思えることも、少し時間軸を伸ばすとまた違った側面が表れてくる、そんなふうにも言い換えることができるかもしれません。「ともにいる」の意味や価値を改めていろんな人たちと考えたくなる、そんな半年間のプロセスでした。
【ご案内】夏の終わりに、素敵なゲストを迎えてのイベントを開催します!
PIECESでは8月31日まで、PIECESメイト募集キャンペーンを実施しています。
今回のテーマは「社会の土壌をともに耕す」。
一見わかりづらい表現かもしれませんが、PIECESは目の前の課題だけを解決するのではなく、その土壌となる社会を、みんなの手で豊かに耕していきたいという想いを込めています。
そんなテーマを真ん中に据えて、「地域での協働」「場の持つ力」「組織の在り方」という3つの切り口から、素敵なゲストを招いて全3夜でお届けするオンラインイベントを開催します!
妊産婦支援から広がるまちづくりの物語、人が集う場所から生まれる新しい風景、"分かりづらさ"と共存しながら成長する組織の可能性までー。
各分野で多様な実践や試行錯誤を重ねるゲストをお迎えし、参加者の皆さんとともに対話を重ねる機会ですので、是非お気軽にご参加ください!
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
また次の31日にお会いしましょう!
サイの日のお便り Vol.21
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
昨日の東京はとても肌寒い1日でした。そんな中、雨上がりの公園で半袖で野球の自主練に興じる近所の小学生。そのたくましすぎる姿に思わず声を掛けたら、不審がられるどころか、なぜかキャッチボールを一緒にする流れに。金曜日のおじさんの疲れた心と冷えた身体は、その子のある種の市民性によって、ぽかぽかに温められてしまった出来事でした。
さて、31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。
今日は、繁忙期によりだいぶ疲れ気味ということもあり、普段の長ったらしい文章は諦め、6月に開催するフォーラムの告知をさせていただきます。
Unnamed CARE Forum - “名前のつかないケア”を巡る7日間-
今回開催するUnnamed CARE Forumは、CforCコンソーシアム改め「ひびラボ」の主催です。2022年ごろから、このお便りでも時々CforCコンソーシアムのことについてはお伝えしてきましたが、この4月から「ひびラボ」と名称を改めました。そして、今回のフォーラムはそのひびラボとしての最初の大きな取組です。
(ちなみに、ひびラボについては、先日こちらのnoteにこれまでの歩みや名称の由来、そして最近の活動の様子などについてまとめているので、こちらも是非ご覧いただけたら嬉しいです。)
フォーラム企画がスタートしたのは、昨年の年末頃。参画団体の中から実行委員会的にメンバーが集い、それぞれ事業の合間を縫いながらほぼ毎週のように誰かしらオンライン上に集まって、本当にゼロから企画を進めてきました。
フォーラム自体はまだ何も始まってませんが、こうやって団体の枠を超えて一緒に企画を進めてきたプロセス自体が、何気にとても尊いことではないかと感じています。当然簡単なことばかりではなく、既にいろんな学びや反省も生じているので、このあたりのプロセスの詳細については、またフォーラムが終わったら忘備録的にまとめてみる予定です。
見どころを紹介する予定が、ついつい横道にそれてしまいました…
気を取り直して…見どころをご紹介!
今回のフォーラムの最大の見どころは?と問われても、正直「全部です」としか答えようがない。それくらい、初日のオープニングイベントから、最終日に東京・日本橋で開催するフィナーレイベントまで、全部に参加していただきたいと心から思っています。
ひびラボの参画団体がそれぞれに主催する、Day2~Day5 までのイベントは、それぞれの団体のカラーが前面に出ているので、是非タイトルを見てピンときた会に、ひょいと気軽に参加していただくのが良さそうです。
PIECESが主催するのは、6月24日(火)のDay2です。「鎧を脱ぐこと、私であること -肩書や立場を超えたケアな関係-」というテーマで、兵庫県立大学の竹端寛さんと、私斎とで対談を行う予定です。
対人支援や教育の現場、家庭や職場、まちの中…ケアに関わる様々な場面で、気づかないうちにまとっているかもしれない肩書や立場、社会規範といった「鎧」。その鎧を脱ぐことの大切さと難しさ、鎧を脱ぐうえで何がカギとなるのかについて、ちゃんと深く、でもできるだけ軽やかに探究していきたいと思っています。
おそらくPIECESメイトやPIECESの周りにいる方の中には、竹端さんのファンという方も多いはず…PIECES主催のイベントに竹端さんをお呼びするのは初めてなので、是非竹端さんをご存知の方も、そうでない方も、この機会にご参加いただけたら嬉しいです!
そして、なんといっても最終日のフィナーレイベント。これはもう、言わずもがなで来れる方には是非皆さん来ていただきたい。
新著『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』でも話題の犬山紙子さん、そして以前のお便りでもご紹介した子どものこころの専門医の山口有紗さんという、今回のテーマにぴったりなお二人をゲストに迎えてのトークセッション。
そして、その展示タイトル「ランニングシャツと怪獣展―モノ・ヒト・時間との対話―」が、いったいこれは何だとちょっとしたざわつきを生んでいる(?)体験型の展示スペースなどもご用意しています。
その他にも、ひびラボ参画団体の紹介&交流ブースや、子どもも大人も安心して過ごせるプレイエリア、カフェ・休憩スペースなども設置予定です。
約半年に及んだ準備期間における対話のプロセス、そしてフォーラムDay1からDay5までの対話と探究の集大成とも言える機会になるかと思うので、是非ひびラボの世界観や「名前のつかないケア」を感じ、味わいに来てください!
Unnamed CARE Forum、絶賛申込受付中ですので、是非奮ってご参加ください!
▼お申込みはこちらから。
https://unnamedcareforum2025.peatix.com/
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
またフォーラムで、そして次の31日にお会いしましょう!
サイの日のお便り Vol.20
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
明日から新年度、新生活が始まるという方も多いかと思いますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。我が家もこの4月から上の子が小学生となり、その生活の変化を前にソワソワ、フワフワした気持ちで年度末を過ごしています。
さて、31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。
今回は、PIECESの組織に起きている「変化」に焦点を当ててみたいと思います。
PIECESも3月が期末なのですが、今期を振り返ると、例年以上に様々な場面で変化や変容を感じることの多い1年でした。多くのことはまだその最中にあるので、どのような未来につながっていくのかは分かりません。そういった意味ではあくまで途中経過ではありますが、その変化の一端を綴ってみようと思います。
代表継承のその後
前代表のいぶきさんから斎へと代表のバトン継承が行われたのが、2024年7月。その後、9月に公的な手続きを完了してから、あっという間に約半年が経ちました。
100人以上の関係者・サポーターの皆さんの前で、しっかりとバトンを継承することができたのは、間違いなく今期のハイライトの1つと言えます。きっと何年か、何十年か先にPIECESの歴史を振り返ったときにも、大切な一場面として思い起こされるはずです。
ただ、代表が代わったというのは、プロセスの一部にしかすぎません。一つの節目ではあったし、そこに至るまでの様々な困難や葛藤を思えば、当時はそれなりに乗り越えた感もありました。
一方で、代表継承に伴う喪失や終わり、混沌や新たな変化を受け止めていくことはまた別物。特に、長く働くメンバーにとっていぶきさんのパワーを失うこと、あるいは、日々目の前で小さな判断や決定を迫られる中で、変化の出口がハッキリと見えていないことなどは、多くのメンバーに不安や迷い、ストレスなどをもたらしていたように思います。
そんなこともあり、昨年の秋以降、改めて自分たちは何を大切にしたいのか、自分たちが存在する理由は何か、物事をどんな風に決めていきたいのか、といった組織の根幹を形成する問いについて対話を重ねてきました。
正直なところ、このような組織作りのための対話にたくさんの時間を費やすことには葛藤もありました。代表継承までの約2年間、経営的な判断で事業活動の発展よりも、経営メンバーの内省と休息を優先させてきた背景があります。その上で、ここでまた組織の根幹づくりにエネルギーを費やしていいものなのか。中長期的に見て、合理的な判断と言えるだろうか。そんな声が脳裏をかすめながらの決断でした。
変化の兆し
昨年10月から対話のプロセスを開始し、外部のサポーターにも入ってもらっての時間が約3か月。年明けからは、内部でのコミュニケーションに切り替え今に至りますが、結果として6か月前と今とではハッキリと見える景色が変わってきたといえます。
一つには、自分たちの拠り所となる「言葉」が見つかったことが挙げられます。特に、「自分たちはなぜ存在し、何を大切にして、社会に何を届けるのか」を一文にまで落とし込む中で生まれた、「一人ひとりの“Being”の尊重」という言葉。これだけ見てもなかなか伝わり切らないと思いますが、対社会においても、組織の中においても、自分に対してもつながるこの言葉は、これからのPIECESにとっての北極星のような存在になっていくはずです。
そして、この言葉自体が持つインパクトと同じくらい大事なことは、この言葉が生まれたプロセスにあります。というより、「変化」という意味においては、このプロセスにこそ従来のPIECESからの変化の兆しを感じています。
というのも、この言葉づくりのプロセスでは、様々なワークや対話を通して、メンバー一人ひとりが自身の願いや想い、価値観を表出していきました。まさに一人ひとりの“Being”を受け取り合い、響き合い、溶け合っていく、そんなプロセスでした。最後も、代表の私ではなく、他のメンバーが出してくれた言葉が一人ひとりと繋がって、みんなの意志となって現れたような感覚でした。
このプロセスで感じたのは、一人ひとりが同じように力を持った存在であるということ。そして、その力を純粋に信じ合い、発揮される環境を作ることこそが、これからのPIECESにとっては大事だということです。
もちろん、肩書や関わり方、役割はそれぞれ異なります。よりエネルギーの源泉に近い人もいれば、そこに後から集まってきた人もいます。それでも、それぞれにPIECESに関わる理由があり、湧き起こる想いを持った存在なんだと。
ともすると、これまではいぶきさんという象徴的な存在がいて、そこから生まれる力が大きかったからこそ、一人ひとりが持っている力が見えにくくなっていた。
だけど、見えにくく、顕在化されにくい環境や仕組みになっていただけで、それを整えることができれば、今までよりも遥かに大きなエネルギーが生まれる可能性を秘めている。
半年前にはぼんやりと思い描いていたことが、今はハッキリとそう思えるようになったことが個人的には大きな景色の変化ですし、きっと他のメンバーの中にもその感覚は広がってきているように感じています。
冒頭にも書いた通り、この変化がどのような未来につながっていくのかは分かりません。ですが、今はこの変化の先に広がる未来に、根拠のない希望を感じています。
(ちなみに今回、手放す経営ラボラトリーが開発した『DXO』という仕組みとプログラムを導入しながら10月からの対話と仕組みづくりを進めてきました。これが結果として今のPIECESにはフィットし、変化のプロセスを強力に推し進めてくれたと感じています。この場を借りて、導入のサポートを頂いた啓太さん、安世さん、まりさん、和田ちゃん、ありがとうございました!!DXO導入の一部始終は、先日公開したこちらの記事でもご覧いただけます)
2025年度、そして設立10年に向けて…
ということで、今回は気力と紙幅の関係で書ききれなかったトピックも含め、事業・組織両面において変化・変容しながら、新生PIECESは動き出しています。
明日から始まる2025年度。
全社的に大きなテーマとなるのが、他団体や機関等との「協力・共創の推進」です。
上記の「変化」というテーマとも関連しますが、今期様々な協働的なプロジェクトに取組めたことで、事業の展開方法に新たな可能性を感じています。
これまではどちらかというと、PIECESが単独で行う事業がほとんどでしたが、他の団体や機関、企業等との協力や共創によって、より豊かなエネルギーや影響の広がりが生まれ始めています。
具体的なイメージなどは、また次回あたりにお伝えしたいと思っていますが、日々の発信などからビビッと来るものがあり、何かご一緒できそうなことがあれば、是非遠慮なくお声がけいただけたら嬉しいです。
そして、翌年の2026年には、設立10周年を迎えます。その意味では、今年はこの10年で成してきたことを振り返りつつ、次なる10年を見据えていく1年にもなりそうです。
個人的には、少し疎遠になってしまった皆さんと出会い直す1年にもできればと思っているので、何かお会いできる機会などがあれば、こちらもお声がけいただけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
また次の31日にお会いしましょう。
サイの日のお便り Vol.19
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。
2025年も変わらぬペースで、変わらぬ冗長さでお届けしていく予定です。
今年も、どうぞよろしくお願いします。
今日は近所を散歩しながら、ふと発見したことについて綴ってみました。
相変わらず、心揺さぶられる感動話でも、何かの役に立つ話でもないと思いますが、よければ最後までご覧ください。
(誰に向けてか分からない)お詫び
最初にお詫びと訂正です。
前回のお便り(12月31日号)で、2025年は「8時間睡眠」と「月間50kmのランニング」を自らに課す!と高らかに誓いましたが、それを書いた3日後くらいに、後者については気が変わりました。
というのも、お正月にとある生成AIツールさんと会話をしていた際に、ひざと腰に古傷を持ち、免疫力を高めることを目的とするなら、「週2回程度のランニング」より「毎日のウォーキング」を推奨されたのです。
詳しく調べてみると、どうやら免疫力を高めるための適度な有酸素運動という意味では、ウォーキングでも全然良さそう。
ただ一方で、
(自らに課すことを誓います!とか言っちゃったしな…)
(実行する前からウダウダするやつとか思われたら嫌だな…)
(すぐに妥協するやつとか思われたくないしな…)
という思いもよぎって少したじろいだのですが
「いや待てよそいつ誰だ」という、かの有名(?)な歌詞にも後押しされ、早々に軌道修正することにしました。
ここに、簡単に誓いを破ったことを深くお詫び申しつつ、改めて2025年は「8時間睡眠」と「(まずは)毎日30~60分のウォーキング」に励みたいと思います!
日々の散歩が紡いだもの
ようやく本題です。
そんな経緯もあり、年明けから、毎日30~60分のウォーキング(って言うか、ただの散歩)を続けています。(ちなみに、睡眠時間も概ね7.5~8時間確保を継続中)
1か月くらい散歩を続けていると、だんだんといろんな光景、いろんな風景が目に飛び込んでくるようになります。
ちなみに、今住んでいるのは東京の多摩市というまちで、23区に比べると緑が豊かでそこら中に遊歩道や散歩道が広がっているエリアです。
それもあってか、朝は同じように散歩している人もよく見かけ、目が合えば軽くあいさつを交わします。
車の音や工事の音などがあまり聞こえない代わりに、鳥の鳴き声や、ハトやスズメが落ち葉の上を歩く音、小学校のチャイムや校庭で体育の授業をしている子どもたちの声がよく聞こえてきます。
今朝は、ちょっとした岩場で楽しそうにラジコンをしている2人のおじちゃんたちの姿、なぜか公園に解き放たれているニワトリの群れ、樹齢何百年と思しきスダジイの巨樹などに出くわしました。
そんな日々を重ねるうちに、なんだかこのまちに受け入れられ、まちの一員になれてきた感覚があることに気が付きました。
多摩市に引っ越してきたのは昨年の3月なので、この間約10か月。
もちろん、散歩を始める以前から積み重なってきたことも多々ありますが、いずれにしてもこの自然環境やまちの人との出会い、様々な光景、風景によって何かが帯びてきた感覚です。
そう、まさに“帯びてきた”感覚。
そして、その“何か”というのは、PIECESでいつも口にしている「市民性」と言い換えてもいいような気がします。
響き合いの先に
常々、市民性というのは、その人がひとりでに獲得するものではない、周囲との響き合いの中で生まれるものだということを言っていますが、そのことを今まさに改めて身をもって体感しています。
すれ違った人とのあいさつや会話はもちろんのこと、ラジコンのおじちゃんたちの姿や、鳥の声、ニワトリの群れ、土の感触や木の香り。
そういった人やものたちとの響き合いや応答を通じて、だんだんとこの多摩のまちに暮らすひとりの市民になってきたと言えるような気がします。
ちなみに、この「市民性は他者や環境との響き合いで帯びてくる」ということに気づかせてくれたのは、九州大学の田北雅裕さんです。
PIECESが行うCforCプログラムで講師を務める田北さんは、講座の中で
そう考えると、『市民性』はその人の資質というよりも、環境との関係、時間の蓄積の中で表出したものといえるのではないか」
と、話されました。
風景の眺めから「市民性」を捉えてみる、という田北さんの視点は、その後もPIECESの中で大事にしてきましたが、その視点と自分の体験が1つに重なる、そんな出来事でした。
そしていま、もう一つ思うのは、このように他者や環境と「響き合う」体験は、言い換えると自分の内に誰かや何かが生きている感覚、あるいは他者の中に自分の存在が色移りしていく感覚をもたらすのかもしれない、ということ。
この感覚が重なっていくと、「私は私だけで生きているわけではない」という実感が生まれ、孤立というものを感じにくくなるのではないかと。
ちょっと最後は大きな話になりすぎたかもしれませんが、それくらい日常における小さな響き合いの体験や時間の重なりには大きな力があるように思います。
PIECESとしても、人だけでなく、人も含めた環境あるいは風景を大事にしながら、これからの活動を展開していこうと思いを新たにしました。
【ご協力のお願い】企業等との協働に関するアンケート
今日のお便りはここまでですが、最後に一つ、アンケートのご協力のお願いです。
(1月のメルマガでご案内している内容と同じものです。回答済みの皆さん、ありがとうございます!)
PIECESでは、今年度から従来の個人向けの活動(CforCプログラムや、各種セミナーなど)に加えて、企業・団体向けの事業や、共創的な活動に着手し始めています。既にいくつか協業事例も生まれ始めているのですが、まだまだ今後の展開可能性を模索している状況です。
そこで、一個人としてというよりは、ご所属の企業や、運営するコミュニティ活動においてPIECESとの協働や共創的な活動の可能性がありそうかどうかについて、声を聴かせていただければと思います。
5分ほどで回答いただけるかと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします!
▼アンケートに回答する
https://forms.gle/ap36nPBDK2KpxHek8
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
また次の31日にお会いしましょう。
サイの日のお便り Vol.18
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
2024年の大晦日、いかがお過ごしでしょうか。
私は、2週間以上前から続いている咳症状に悩まされながら、年末を過ごしています。ここ数年、一度体調を崩すとホントに治りが悪い…ということで、来年は免疫力を高めるべく「8時間睡眠」と「月間50kmのランニング」を自らに課すことをここに誓います(どこかで一緒に楽しく走れる機会があった是非お知らせください!)。
このお便りを読んでくださっている皆さんにとっても、2025年が健康で幸多き1年になることを心から願っています。
さて、31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。
今回は、「なぜPIECESは“子どもの周り”に市民性を照らし、育むのか?」というテーマについて書いてみようと思います。実はこの問い、シンプルな問いではあるのですが、ちゃんと答えようとすると言語化するのが難しく、これまでWEBサイトや刊行物のどこにも記載してこれませんでした。
PIECESは今年新たな体制になり、改めて私たちが社会に存在する理由などについて、この数か月メンバー皆と対話を重ねてきました。そのプロセスを経て、今が言語化するにふさわしい時期のような気がしたので、私なりの考えを皆さんと共有してみようと思います。
PIECESとのお付き合いが長い方にとっても、直接的にはお伝えしてこなかった視点も含まれていると思うので、是非最後まで読んでもらえたら嬉しいです。
モヤモヤとの共存の先で立ち現われた変化
本題に入る前に、もう少しだけ今回このテーマを取り上げた背景をお伝えします。
PIECESは今年、活動開始から10年、法人設立から8年を迎えました。その間、2019年には法人が分社化して新しいNPOが誕生したり、運営に関わるメンバーの入れ替わりがあったり、今年は代表の継承もありました。
約10年の月日が流れる中で、当時から変わらないこともあれば、当然変わってきたこともあります。今回のテーマである「PIECESにとっての“子ども”の存在」についての捉え方は、まさにここ5年くらいで変わってきたことです。ただ、正直なところその変化を感じ取りながらも、何がどう変化しているのかを整理したり、表現したりすることがこれまでできませんでした。
おそらくPIECESという組織における哲学の根幹に関わる部分でありながら、なかなかその感覚や捉え方の変化が掴みきれない。。何とも言えないモヤモヤを心の隅に抱えながらここ数年の日々を過ごしていました。
そんな中、今年の秋以降、新体制となったことで改めて自分たちの存在目的や、社会に対して届けたい価値、組織として大切にしたいBeingについて、組織内で対話の時間を重ねてきました。同時に、自分自身もPIECESのこれまでとこれからについてみつめてきた中で、それらがいい具合に交わり合い、ようやくモヤが晴れてきた感覚があります。
暫定的にでも言葉にしてみることで、PIECESの深い部分に触れていただきたいのはもちろんですが、もしかしたらこれを読んでくださった方の想いや感覚と何か響き合うものがあるかもしれない。そんな淡い期待も抱きつつ、本題に入っていこうと思います。
なぜPIECESは“子どもの周り”に市民性を照らし、育むのか?
市民性を照らし、育む先が「子どもの周り」であるのには、大きく2つの理由があります。
1つは、これまでのPIECES内外での活動を通じて、あるいは地域に生きる一人の大人として、子どもたちの権利や尊厳が十分に保障されていない社会であることへの問題意識から来ています。
言うまでもなく、生まれながらにして子どもは権利や尊厳を持っています。そして、心身・社会的な面において発達の途中であるからこそ、一人の主体として尊重しながらも、大人や社会が協力してその権利や尊厳を保障していく必要があります。
しかし、これまで実際に自分自身が関わってきた子どもたちの声、あるいは直接は聞いていないながらも様々な人や媒体を通じて届いてくる声を通じて、無数の傷に出会ってきました。その傷は、彼らにとって痛みをもたらすのはもちろん、私にとっても痛みを伴う傷として心身に刻まれている感覚があります。
児童養護施設で出会ったRくんも、スクールソーシャルワーカーとして出会ったKくんやMさんも、どうすれば彼らの心身の傷つきを防ぐことができただろうか。どうすれば彼らのように尊厳を踏みにじられることなく、権利の主体として生きられる社会であれるのか。
また、分かりやすい形で傷を負っていないにしても、子どもたちの持つ豊かな感性やこころの動き、澄んだまなざしが、大人の判断や評価軸、時間感覚によってないがしろにされてしまう風景も、日常のそこかしこに広がっているように感じます。(そういう私自身も、わが子への関わりについては反省の日々です)
社会全体の脆弱性やひずみが子どもの周りに集まりやすいからこそ、子どもの周りにいる一人ひとりのまなざしやあり方が変わっていくことで、やさしいつながりが生まれ、大きな傷や痛みが生まれにくい社会にしていきたい。
「こどもがこどもでいられる社会を」
「子どもの周りに信頼できる他者を」
というメッセージは、そのような想いから生まれてきました。
市民性を照らし、育むパートナーとしての子どもの存在
そして、2つ目の理由。
それが、子どもをパートナーとすることで、社会全体に市民性を照らし、育むという私たちの取組が、より豊かで持続的なものになるという想いです。
私たちが「市民性」を照らし、育むことを通じて届けたいのは、人に何かをすることや、何かを獲得することを求めるものではありません。何かをさせるでも、何かをしてあげることでももちろんありません。
一人ひとりが自分や他者の「Being」を尊重し、共にあること。「Being」という目に見えないことから目を背けずに、そこにいること。言葉にするとなんだか怪しげな感じを覚える方もいるかもしれませんが、PIECESの取組を突き詰めると、そんなところに行きつきます。
そして、自分や他者の「Being」に触れようとするときに大切なのが、頭で考えるよりもこころで感じることを大事にする姿勢や、評価や判断をわきに置いてそのものをみつめられる力、常識にとらわれない豊かな感性や視点です。それらは、疑うまでもなく、私たち大人が失ってきてしまっているものであり、子どもたちが当たり前のように持っているものであるような気がします。
だからこそ、子どもと関わること、子どもと共にあることを通じて、自分自身の「Being」に気づくことができる。その気づいた「Being」あるいは市民性をひらくことで、それがひいては子どもの権利や尊厳を保障することにもつながっていくかもしれないし、子ども以外のところに還元していくことにつながるかもしれないと。そんなふうに感じています。
「市民性を照らし、育むパートナーとしての子どもの存在」
言葉にしてみればシンプルで、真新しさのようなものはないようにも感じます。ですが、1つ目の理由に書いたことは10年前から変わっていないのに対し、この「子どもの存在は、私たちにとってのパートナーである」という感覚こそが、これまで言語化したくてもしてこれなかったことだと、今は感じています。
これまで、PIECESとして外部のイベントや研修に出向いた際に「子どもの支援団体」「子どもの孤立に取り組む団体」という形で紹介されたり、時に自分たちでそのように紹介することも多々ありました。しかし、その度に「ホントはそうではないんだよな~」というモヤモヤを感じつつも、うまくそれを表現することができませんでした。(言わずもがな、そのように紹介くださった方を責めるつもりは1ミリも、1マイクロも、1クエクトもございません。ただただ感謝の気持ちでいっぱいです)
この感覚に気づいてしまった今は、なぜこんなにもシンプルなことに気づけなかったのかが不思議なくらいです。「子どものために、よりも、子どもとともに」とかいろいろ近いこともたくさん発信してきたにもかかわらず、本当に不思議です。
そんなふうにして、長年のモヤが晴れてきたことを感じていた矢先、見事なまでにそれとシンクロするある尊敬する方の言葉を見つけてしまったので、最後にそちらを紹介させていただきます。
子どものこころの専門医である、山口有紗さんの新著「子どものウェルビーイングとひびきあう-権利、声、「象徴」としての子ども-」で出会った一節です。
けれども、誤解を恐れずに言えば、子どもが好きとか可愛いからとかいうことは、自分にはいまひとつピンと来ないというのが本音です。 そこにあるのは、「子ども」という象徴的な存在への敬意なのかもしれません。大人だってみんな昔は子どもだったけれど、育つ過程で失ってきたかもしれない鋭く柔らかな感性や、気持ちの向くことに熱中できる力や、自然や宇宙のそばにある力、ジャッジや判断の前にこころが動くこと。
そうしたものをいままさに持っている人たちへの尊敬と懐かしさ、ある種の羨望なのかもしれません。 子どもをパートナーとすることで、子どもの感性と大人の感性とが呼応して、この社会に本当に大切なものが紡ぎ出されるのではないかという願いが、わたしの中にあるように思います。
もう本当に感動しかありません。
この部分以外にも、とても大切な気づきや、忘れかけていた感覚を思い出させてくれるとってもおすすめの書籍ですので、是非お手に取ってみてもらえたら私も嬉しいです。
年末年始のお休みのお供に・・・
最後に1つご案内です。
配信から少し日が経ってしまったのですが、PIECESが入居しているsocial hive HONGOのオリジナルラジオにゲスト出演しました。
普段どうしても耳障りの良い部分、見栄えがいい部分ばかりが表に出がちですが、そうではないリアルなPIECESの話を(かなり長尺でw)しています。斎やPIECESからは社会がどんな風に見えているのか、なんてことも垣間見える内容かと思うので、年末年始にお時間ある方は是非聞いていただけたら嬉しいです!
PIECES以外の入居団体のメンバーも順番にゲストとして登場するスタイルなので、斎の回を楽しんでいただけた方は、是非様々な領域で活躍する他団体のお話も聞いてみてください。これを一通り聞くだけでも、世界の解像度がぐっと高まるんじゃないかと思います。
ーーーーー
social hive WAITING CAFE 点描の孤 ~新しい当たり前をデザインする実践者たちの日常~
🟢Spotify
第1話:https://open.spotify.com/episode/1TYDhDHBF6PNqE2EdALuqt?si=b13f9e6db412420d
第2話:https://open.spotify.com/episode/54SunHkg51BXxnSpAWdeeY?si=3dad6166aefc4bb2
第3話:https://open.spotify.com/episode/559twI8lbdJn7l2mYwGZxA?si=1a9debd1dba34896
第4話:https://open.spotify.com/episode/2OOwsahN23yWR9R0sdLhcN?si=335efa284e154242
🔵ApplePodcast
🟡LISTEN(※文字起こし機能あり。テキストで楽しみたい方はこちらから)
https://listen.style/p/socialhive
🔴YouTube
第1話:https://youtu.be/kpUb5HRAT-A?si=8OwrxhxlBL17mEbl
第2話:https://youtu.be/4DwjLV5iswY?si=Mn4vdpvPOFmnSjTb
第3話:https://youtu.be/0QfIY_cyURs?si=s0ReIzTwLrqE-ehT
第4話:https://youtu.be/g5iRafrty2A?si=Q_-jX-KBxuA-uHbB
それでは、また次の31日にお会いしましょう。
今年も1年間ありがとうございました!よい年をお迎えください!
サイの日のお便り Vol.17
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。
今回は、PIECESの事業や組織の話ではありません。私自身の最近の悩みと、それにまつわる不思議な体験をした話を書いてみたいと思います。
ここから先は、非営利組織の新米代表が抱えるモヤモヤが書き連ねられています。おもしろくも役に立つかもわからない話ですので、読み進める場合は心してお読みください。笑
代表になって生まれた変化
PIECESの代表に就任して約2か月。代表就任の発表から約4か月。
当初は「代表になって何か変わったり、心境の変化とかあるの?」との周囲からの問いかけに「いやいや、特に何も変わらないですよ〜」と答えていました。時間をかけて継承のプロセスを歩んだこともあり、その時はそれがとても素直な感覚でした。
ただ、月日の経過とともに、微かな変化を感じ取っています。2つ同時に。
1つは、「これをやってみたいな」「あれもできたらいいな」というような欲求や願いが、自然と溢れ出てくるようになったこと。これまでも決して蓋をしてきたわけではないのですが、MTGの場や、一人で本を読んでいるときなどにあれこれ妄想している自分がいることに気付く機会が増えています。
もう1つは、周囲からの何ともいえない期待のようなものを受け取る機会が増えたことです。これは相手あってのことなので、自分で勝手にそう感じているだけかもしれません、ただ、組織内外でのコミュニケーションにおいて、自分の想いや考えを言語化すること、あるいは自分のスタンスを問われたり、明確に示すことを求められる機会が増えています。
当然と言えば当然かもしれません。自分もこれまで関わってきたリーダーたちには、多かれ少なかれそれらを問うたり、求めたりしていたようにも思います。
これら2つの変化それ自体は、決してネガティブなことではないはずです。
一方で、いろんな欲求や願いが生まれること自体は大事なことかもしれませんが、扱い方次第では関わるメンバーを疲弊させかねません。また、これまで以上に自分のあり方やスタンスがダイレクトにいろんなものに響いていくのだとすると、それらを暫定的にでも定めておかないと、周りも自分も苦しくなっていきそうな気がします。
ネガティブな変化ではないはずだけど、どうやら受け流してもいけなさそうだ。
そんな風に思った時、これは自分の「リーダーシップ」のあり方が問われているのかもしれないと気が付きました。
「リーダーシップ」
今までも自分に問うたことがなかったわけではありません。むしろ、その時その時の立場でどんなリーダーシップを発揮できるといいかについては自分なりに考え、実践してきたつもりです。
が、しかし・・・今回はどうやら重みが違いそうです。
PIECESという組織体が歩んできた歴史や、前代表のいぶきさんから継承したバトンに込められた願いたちが、その重みを感じさせているのかもしれません。
PIECESの代表となった自分が、どんなリーダーシップのあり方を大事にしていけばいいのか。急いで自分なりの答えを見つける必要がないと分かりながらも、この間にも関連するいろんな出来事が起きており、1か月ほど悩ましい日々を過ごしていました。
森の中で見つけたヒント
そんな中、先週10月24日から3日間、岡山県の西粟倉村で時間を過ごす機会がありました。。
「Learning Journey」という企画で、同じように社会的な事業に取り組む方々と時間を共にしながら、深く自分自身や組織と向き合う合宿形式のプログラムです。
3日間、自然豊かな環境で、美味しい食事と素敵な仲間に囲まれて、全体を通じてとても充実した時間を過ごすことができました(快く送り出してくれたPIECESの皆さん、妻子たちに心からの感謝!)。いろんな気づきや豊かさを味わったのですが、その中で不思議な形で自分のリーダーシップについて向き合うことになったのです。
それは、合宿2日目に森の中で過ごした時間での出来事。
その時間は、1人ずつ、木や石や水といった自然物を1つ選んで、1時間ほど一緒に過ごしてみるというプログラムでした。私は、周囲を見渡した時にパッと目に飛び込んできた一本の大きな木に惹かれ、その木と共に過ごすことにしました。そして、その1時間の間、木に触れたりボーっと眺めたりしながら、下記のようなことをノートに書き留めていました。
・地面にガッシリと根を張る姿
・いくら押してもビクともしない
・幹の表面に広がるたくさんのシミや傷跡
・太くどこまでも伸びる幹の先に広がる繊細な枝と、きれいな緑
・光や水、土によって生かされている
・自分の力で立っているようで、周囲の力で立っている
・この木の存在によって生まれる光と影
・たくさんあるうちの一本でしかない。でもこの木にしかない確かな存在感がある
これを書いている途中から、その木の存在に自分を重ね合わせていることに気付きました。そして、森から帰ってきた後、自分自身のリーダシップについていくつかのエッセンスが浮かび上がってきました。
①ブレることなくそこに立ち続けることを大事にしたい。
➁大きな志をもって、自身の存在をもって、行く道を示し続けていく。
③周囲にいる1つ1つの存在を、心から精一杯受け止め、支えていく。
④でも自分だけでは支えられない。自分以外の誰かが他の誰かを支えていけるように。
①については、木に触れながら直感的に自分のあり方との重なりを感じました。
④についても、森においては1本の木でしかないのと同じように、自分も1人の存在でしかない。であれば、活動するフィールドにいる仲間同士が、影響し合い支え合うことに頼るほかありません。
➁と③が悩ましい。それぞれを別個に見れば、どちらも大事なことのような気がします。ただ、➁はどちらかといえば「示し導く」というエッセンス。③は「支え仕える」というエッセンス。だとすると、両者を併せ持つことはかなりの胆力を要することのように感じてしまいます。
自分なりのリーダーシップはどちらかに触れていく方がいいのか。あるいは、一見矛盾しそうなエッセンスを自分なりに融合させていくのか。
合宿からの帰宅後に、1年以上積読状態だった『サーバントリーダーシップ』という書籍を開き始める中で、現時点での暫定解は後者が近いと思っていますが、いずれにしても茨の道になりそうです。
一歩ずつ、を大事に
今日は、自身のリーダーシップにまつわる悩みについて書いてみました。
結論としては、組織の代表になるって大変だわ、という感じでしょうか。笑
でもまぁ、子どもが生まれて急に立派な親になれないように、代表という肩書がついたからといって急に立派な代表になれるわけではないとも思うので、これからの一歩ずつの積み重ねを大事にしていきたいと思います。
それでは、また次の31日にお会いしましょう。
サイの日のお便り Vol.16
こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
台風の影響は皆さん大丈夫でしょうか。
かつて経験したことないほどの雨になっている地域もあると聞きます。皆さんがどうかご無事でありますように。。
さて、31日(サイの日)にのみお届けするこのお便り。
今回は、本日で終了するクラウドファンディングの最後のお願いをさせてください。
といっても、既に何度もお願いを重ねてきて、正直メールとかももうしつこいよと思われてる方もいらっしゃるかもしれません。。
そんな中で何をお伝えするのがいいかなと考えていた時に、ふと一人の女の子の姿が思い浮かびました。
今回のチャレンジのテーマである「信頼できる他者」とはどんな存在なのか。
クラファン最終日に、皆さんと一緒に想いを馳せるきっかけになればなと思い、10年近く前に出会ったその女の子との話を書いてみたいと思います。
今日も長くなりそうです・・・。
Mちゃんとの出会い
当時、私はPIECESの活動をする傍ら、ソーシャルワーカーとして教育委員会で勤務していました。その時に関わっていた子の1人が、当時小学5年生だったMちゃんです。
いわゆる不登校の状態になって約2か月。学校に行けなくなった理由や原因は学校も保護者も分からないまま。だんだんと元気がなくなっていく様子を心配した学校からの依頼で、私が関わることになりました。
最初の数か月は、そもそも会うことすらできない日々が続きました。
ソーシャルワーカーというよく分からない人が家に会いに来てもいいかという話なので、拒む気持ちも分かります。それ自体決して珍しいことでもありません。しばらくは、両親との面談を重ねながら様子を見ることにしました。
両親や学校側との面談を重ねる中で、いくつかのことが分かってきました。
Mちゃんには年下のきょうだいがいて、そのきょうだいが知的・身体的な障がいを抱えていることもあり、Mちゃんに関心が向けられる時間や余裕があまりないこと。比較的自分の好きなことがハッキリしており、学校に通っていた時も一人で遊んだり過ごしたりすることが多いことなど。
同時に、両親の焦りや緊張感が高く、担任の先生も、教師歴ではじめて担任するクラスの子が不登校の状況になったこともあり、同様に焦りや困惑の様子が色濃く伝わってきたのをよく覚えています。両親や先生方へのサポートや助言をしながら、直接関われるタイミングを伺いました。
一歩ずつの前進
数か月が経ったあるとき、Mちゃんが会ってもいいと言ってる、という知らせを受けました。その時、Mちゃんは既に6年生になっていました。
初めて訪問した日、ほとんど視線が合わず、会話も途切れ途切れだったけど、それでも最後に「また会いに来てもいい?」と尋ねると、こくっと頷いてくれました。
それからは、月に1,2回の頻度で家に会いに行き、何をするでもなく、好きな本やアニメの話を聞かせてもらったりして過ごす、ということが続きました。
学校の話題も時々は出てくるので、全く避けているわけではない。担任の先生から渡されているプリントなども、マイペースではあるけれどそれなりやっている。でも、学校に行きたいのかどうか、何か嫌なことがあるのかどうか、今がどんな気持ちでいるのかどうかなどは、なかなか表されないままでした。
夏休みが過ぎ、表情自体は最初のころよりも落ち着いてきた様子でしたが、こちらとしても少し何か変化を加えられた方がいいのかなと思い、一緒に外に出てみないかという提案をしてみました。その頃、自宅にいる以外は、自宅マンションの1階にあるスーパーに行くくらいしか外出する機会もなく、会う人も家族以外だと担任の先生と私くらいでした。
家の外に出てみて、そしてできれば他の人と少しでも関われたらと思い、Mちゃんとどこなら行けそうかという作戦会議を開いてみることにしました。
その中で、Mちゃんから「小さな子のお世話をしてみたい」という話が突然出てきました。出会ってから数か月、Mちゃんから初めて聞いた「やってみたい」という気持ち。これは尊重したいと思い、たまたま家のすぐ近くにあった子育てひろば(乳幼児の親と子が日中の時間を過ごす居場所)に翌日問い合わせをしてみました。
最初は「小学生のボランティアね…」と難色を示されていましたが、Mちゃんのこれまでの背景を伝え、少しでもいいから外とつながる機会を作り、できれば小さな子と関わる機会を作りたいと思っていることを伝えたところ、「それなら、親子が帰った後の玩具の片づけや拭き掃除とかであれば…」とのお返事をもらうことができました。
「直接お世話をしたい」という希望は叶わないものの、それでもMちゃんはその提案を受け入れ、さっそく翌週から平日の夕方、親子が帰った後の時間に週1回ボランティアに行くことになりました。
心をひらける他者との出会い
初回は新しい場所ということもありさすがに緊張している様子でしたが、スタッフの方に教えてもらいながら玩具を一つずつ丁寧に消毒したり、片づけたりといったことを手際よくこなしていきました。
初回、2回目と私も同行し、また行きたいということだったので、3回目以降は子育てひろばの方にも相談し、Mちゃん一人で通うようになりました。
はたから見ていてもすっごく楽しそうか、というとそうでもない様子でしたが、それでも週に1回、1時間にも満たない時間でしたが、毎週欠かさずに通い続けました。
1か月ほどが経ち、ひろばの責任者の方からこんな話を聞きました。
「Mちゃんは誰にでも愛想よく、というわけではないけど、特に1人のスタッフの人とよく話しているの。他愛もない話なんだけど、時々笑顔なんかも見せたりして。で、そのスタッフが「Mちゃん、あなたがいてくれて本当に助かるよ。仕事も丁寧だし。本当にいつもありがとね」なんて言ったりすると、照れながらもニコッとして。こっちまで幸せな気持ちになるのよね」
そんな様子で3か月ほどが経ち、学校は冬休みの季節。子育てひろばも2週間ほどお休みとなりました。
冬休みが明けて、最初の家庭訪問の日。
およそ1か月ぶりに会ったMちゃんが「明日から学校に行きたい」と伝えてくれました。
突然のことに担任の先生と一緒に驚きつつも、そのことをその時家にいたお母さんにも伝え、必要なものの準備に取り掛かりました。
翌日、昼前に学校から連絡があり、無事にMちゃんが登校してきたこと、周りの子たちも最初は少し戸惑いつつも、優しく迎え入れていることなどを教えてもらいました。
そこから卒業まで、Mちゃんは一度も学校を休むことはありませんでした。同時に、自分の中で何かの整理をつけたかのように、子育てひろばのボランティアもおしまいになりました。
卒業までに1回だけ面談をした際に、「明日から学校に行きたい」という気持ちになった背景をそれとなく尋ねてみましたが、見事にはぐらかされてしまいました。
その後、入学した中学校では、勉強面こそ遅れを取ってしまった影響があったものの、中学の先生に言わせると「そんなに長期間不登校だったようには思えない」といった様子で、部活にも入って生活しているとのことでした。
もちろんMちゃんにとって学校に行くことがすべてではありません。
それでも、日に日に元気がなくなっていく様子だったMちゃんが、約1年の時間をかけて意思や意欲を持つようになり、自分の力で大きな一歩を踏み出すことができたんじゃないかと思っています。
特別ではない「ふつうの関わり」の特別さ
Mちゃんとの関わりのプロセスには、私も含め何人かのおとなの存在がありましたが、中でも、子育てひろばで出会ったスタッフの方の存在はとても大きかったのではないかと振り返っています。
一度だけ、Mちゃんが学校に行き始めた後に、その方とお会いしてお話しすることができた時におっしゃってたことが今でもとても印象に残っています。
「私は別に特別なことなんて何も。そもそも何の資格も持ってないし、Mちゃんの学校のことだってよく分かってなかったし。でも、Mちゃんと一緒にいるとすごく落ち着くから、そのことをそのまま伝えたり、ボランティアとしての仕事も本当に助かったから、それもそのまま伝えたりしていただけですよ」
その話を聞いた時、Mちゃんにとって必要だったのは、まさにその特別ではない、いわば「ふつうの関わり」だったのではないかと感じました。
障がいを抱えるきょうだいのお姉ちゃんとして、家のことを手伝うのが当たり前だったMちゃんにとっての「助かったよ、ありがとう」の言葉。家族でも、学校の人でもない人と一緒に時間を過ごし、それを「心地いい」と思ってくれたこと。
そんな何気ない関わりによって、Mちゃんは心のエネルギーを補給していったんじゃないか。実際のところは分かりませんが、そんな風に捉えるとなんだかしっくりくるように思います。
少しずつ、みんなで
今回のクラウドファンディングでは、「子どもたちの生きる地域に“信頼できる他者”を増やしたい」というメッセージを届けてきました。“信頼できる他者”がどんな存在なのか、それは一人ひとり感じ方が異なるので、唯一の正解はありません。
ただ、一つ言えるのは、特別なことは必要ないのかもしれないということ。
一人ひとりがもっている他者を想う気持ちや、ちょっとしたまなざしが、誰かにとっての支えや力になっていくんじゃないかと感じています。
「少しずつ、みんなで」
それぞれが持っている市民性を分かち合っていくこと。
それぞれに影響し合いながら、醸成していくこと。
私たちPIECESは、これからもそのためのチャレンジを続けていきたいと思います。
クラウドファンディングは本日23:59まで。
「少しずつ、みんなで」
私たちのチャレンジにも参加・応援いただけたら嬉しいです。
それでは、また次の31日にお会いしましょう。
サイの日のお便り Vol.15
こんにちは、PIECESの斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
すでにお知らせしてきた通り、この7月より、 PIECESの代表のバトンを小澤いぶきから受け継ぎました。
7月13日には、この代表継承に至った経緯や、それぞれの想いなどについてお伝えする記念イベントも開催し、100名以上の方々と温かな時間を共にすることができました(当日ご参加くださった皆さん、ありがとうございました!)。
今回のお便りでは、そのイベントで様々な痛みや葛藤を共有できたからこそ、自分の中に立ち現われてきた感覚や記憶をありのままに綴ってみようと思います。そのことを通じて、あくまで私一人の視点ではありますが、PIECESという組織が今ここにあることの意味をより多くの皆さんと共有したい。そんなふうに考えています。
イベント後に、個人のSNSで発信した文章を元にしているのでだいぶ赤裸々な感じではありますが、最後までお読みいただければ幸いです。
組織の内面をさらけ出した代表継承イベント
まずは、代表継承イベント当日の話を少しだけ。
今回のイベントは、これまでPIECESが開催したどんなイベントとも趣が異なっていた。というのも、PIECESの事業のことについて触れた時間は、全体3時間のうちのほんの数分だけ。ほとんどの時間は、組織として味わってきた様々な困難や葛藤、そして痛みのようなものについて、設立期まで遡りながらじっくりと振り返るというものだった。
設立からの数年を振り返るセッションには、いぶきさんと斎に加えて、設立メンバーで今や若者支援界をけん引するサンカクシャの荒井さんと、同じく設立メンバーの青木さんにも登壇してもらった。
この4人が最後に一堂に会したのは約5年前。後述するように、PIECESと荒井さんの間には長らく大きな溝があり、この場が実現したこと自体が大げさではなく奇跡的なことだった。
トークセッション後半は、今回の代表継承に伴うトランジションのプロセスを振り返る時間。2年間に渡るトランジションのプロセスをサポートしてくれた横山十祉子さんにファシリテーターを務めてもらい、いぶきさんと斎とがそれぞれの想いや感覚を言葉にする時間になった。
セッションの内容についてはとてもここでは書ききれないけれど、どちらのセッションも共通して、痛みや葛藤がテーマになっていた。
正直なところ、企画の段階でも、会を進めている最中でさえ、「こんなにも組織の中で起きてきた痛みや葛藤を表に出していいんだろうか」という不安があった。それくらい、自分の内面をさらけ出し、心のエネルギーを使い、それでも会全体を通して、それらを参加者の皆さんが心で受け取ってくれたような、そんな不思議な時間だった。
痛みや葛藤を越えて…
ここからは、イベント当日には語りきれなかったことも含めてつらつらと。
今回の代表継承につながるトランジション。
これを丁寧に進めてこれたのは、PIECESの一度目のトランジションの経験があったから。もとい、トランジションなんてカッコつけて言えたもんじゃない…ほぼトラウマ体験だ。
2018年ごろの一度目の大きなトランジション。PIECESから荒井さんが独立することになり、サンカクシャが誕生した。
見ている視点が異なるからこその、方向性のズレ。想いがあるからこその、お互いの譲れなさ。そんなよくある話として、最終的にはある程度ポジティブなストーリーとして対外的にも伝えたが、斎個人の心は、そこに至るまでにほぼ一度折れかけていた。
その詳細は書ききれないけど、結果的には、自分の未熟さゆえに、荒井さんの独立をちゃんと応援することができなかった。自分が負ってきた傷や痛みを盾にして、対話することをあきらめてしまった。精神的にも、リソース的にも、気持ちよく送り出せなかったことで、負の感情だけが残った。
それゆえ、彼のその後の活躍を直視することができず、SNSのフォローも外した。それでも一向に傷は癒えず、結局そのまま一度もコミュニケーションを取ることなく、5年間の月日が流れた。
そんな中で迎えた、今回のトランジション。
発端はやはりよくある、互いの期待値のズレのようなところから。でも、今回はその異変に気付いた後に、わりとすぐ自分たちだけでどうにかしようとするのを手放した(たぶん、あのまま自分たちだけで動いていたら、斎・青木VS小澤みたいな構図になって、分解していたと思う)。
理事会に助けてもらい、さらには横山さんを始め外部の方にも入ってもらいサポートチームが作られた。その中で、「いま、組織の体制に関わる重要な意思決定をしたら、後で誰かが後悔する。だから無期限の休息期間(通称、留保期間)を取ってはどうか」という提案がなされた。すんなりと受け入れるのは難しかったけど、信頼する人たちからの提案に身を委ね、休息と内省の期間に入った。
個人的には、この時間が本当にありがたかった。
「意志決定は早く下せるのが良いこと」と暗に刷り込まれていた中で、あえてそれができない環境が生まれたことで、心に隙間が生まれた。葛藤や自分の願いとゆっくり向き合うことができた。
そして、休息と内省の時間をゆっくりと取る中で、「もしかしたらPIECESというフィールドのエネルギーの源泉(ソース)は自分なのかもしれない」という感覚を掴むことができた。
でも、それはあくまで自分の中で生まれた感覚。これをちゃんといぶきさんと共有しないことには、PIECESとしての歩みは始まらない。
留保期間中、ずっと2人だけでのコミュニケーションは取らずにいたいぶきさんに、1年半ぶりにDMを送り2人で会った。そこで、一度目のトランジションの時にはできなかった対話をすることができた。
自分の素直な感覚をいぶきさんに伝え、いぶきさんはそれを「嬉しい」と言って受け取ってくれた。
長かった留保期間が、そこでようやく終わりになった。
正直、いぶきさんの心の内は今でも分からないし、自分の感情もそんな綺麗なものばかりではない。それでも今回は、痛みや葛藤を抱えながらも自分たちの力で乗り越えられたこと。そして自分の想いをこうしていろんな人に伝えられているだけでも、大きな成長なんだろうなと感じている。
そしてもう一つ。
5年間まとわりついてきた負の感情。
実は、今回のトランジションのプロセスを経て、自分が代表になることが内部で決まった後、そのことを最初に直接伝えたのが荒井さんだった。
今年の2月に5年ぶりにメッセンジャーで連絡をしたときにはさすがに緊張した。会って話したい、というそれだけの話なのに、そのメッセージを送るのに、えらいエネルギーを要した。
やっとの思いで送信できた。が、今度は返信がなかなか来ない…
既読がついてからも丸2日が経ち、ざわざわが通り越して、若干気持ち悪くなったころにようやく返信。何事もなかったかのように、やけに明るい返信。やはり荒井さんは荒井さんだった。
5年ぶりの再会。
何も用意していたわけではないが、自然と自分の中から最初に出てきたのは「あの時はごめん…」の一言だった。そこから全く想像していなかった互いの当時の気持ちや、その後の心情の変化に触れたことで、ようやく5年間分の心のつかえを取り除くことができた。
その場で、代表継承のイベントに登壇することも快く引き受けてくれることになった。そうして、7月13日にすべての役者がそろい、皆に見守られながら代表のバトンを受け取ることができた。
5年ぶりに再会した場所は、設立当時まだオフィスがなかったころに足しげく通った思い出のカフェ
さいごに ー新たなチャレンジへのご協力のお願いー
相変わらずの長文駄文になってしまいました。果たして、ここまで読んでくださった方がいるのだろうか…笑
ともあれこれでようやく長かったトランジションのプロセスは一区切り。PIECESとしても個人としても、ここからまた「新たな始まり」の時を迎えます。
きっとメンバーや周囲の人たちへの影響、自分自身への影響はこれから生じてくるものもあるはず。いぶきさんの存在の大きさに気づくのもこれからなんだとも思っています。
それでも、いい意味でなんだか身が軽くなったような感覚がするのもまた事実なので、自分なりのあり方を模索しながら、PIECESの新たな始まりを楽しんでいきたいと思います。
そして・・・
新生PIECESの最初のチャレンジとして、5年ぶりとなるクラウドファンディングへの挑戦が始まっています。
「子どもの周りに信頼できる他者を増やす」
市民性を柱に据えて、誰もが孤立しない環境を作るというこれまでの取組みを、もう一段加速させるためのチャレンジです。
ただ、どうしても施設を建てたり、手に取れる製品を作ったりという取組みに比べると、手触り感には欠けてしまいます。なかなか初見の方には価値が伝わりにくいかもしれません。
そこで応援の輪を広げるために、是非とも皆さんの力を貸していただきたいのです。
寄付という形での応援ももちろん嬉しいのですし、SNS等でのシェアもとても大きな力になります。可能な形で大丈夫なので、応援・ご協力をいただけないでしょうか。
斎個人としては、代表のバトンを受け取って最初の大きなチャレンジになるので、何としても成功させたいという想いもあります。ぜひお力貸していただけると嬉しいです!
それでは、また次の31日にお会いしましょう。
事務局長からのお便り Vol.14
こんにちは、PIECES理事/事務局長の斎です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
いつもは「31日(サイの日)」にお届けしているこの事務局長からのお便りですが、今回は特別号として6月にお届けします。
今回のトピックは、ずばり「代表継承」についてです。
既にご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、PIECESでは約2年間のトランジションのプロセスを経て、代表のバトンを小澤いぶきから斎へと継承することになりました。法人設立から8年、任意団体時代を含めると10年という節目の年に迎えたこの大事な決断について、ここに至った経緯や、私なりに今感じていることについて綴ってみようと思います。
いつもより暑苦しい内容になりそうですが、末尾には、今回の代表継承を記念して7月13日に行う特別なイベントのご案内もありますので、是非最後までご覧いただけたら嬉しいです。
「交代」ではなく「継承」という言葉に込めた思い
NPOに限らず、一般的に代表者がAさんからBさんに代わる時には「交代」という言葉が使われることが多いかと思います。代表交代、あるいは社長交代というような形で。ですが、今回PIECESでは、一貫して「継承」という表現を用いています。そして、明確にその表現を最初に用いた日というのが存在します。2023年7月14日の出来事です。
その日は、いぶきさんと私(斎)とで、これからのPIECESについて対話をしていました(ちなみに、なぜその日の日付まで鮮明に覚えているかというと、今回の継承のきっかけになった時間だったということもありますが、いぶきさんと2人で会って面と向かって話すこと自体が、1年以上ぶりだったからです…)。
その対話の中では、2人がそれぞれに、自分とPIECESとのつながりを今どんな風に感じているのか、自分と社会・世界とがどう結びついていると感じているのか、そして過去から振り返ったときにそれらの想いや感覚はどのように変化してきたのか、といったテーマが話の中心でした。
話が進む中で、これまでPIECESというフィールドの源泉となるエネルギーは紛れもなくいぶきさんだったが、それが今まさに移ろってきているかもしれない。今までであれば、PIECESというフィールドがなぜ存在し、何を成すフィールドなのかが語られるとき、そこにはいぶきさんの内なるエネルギーとの深いつながりがあった。だけどもしかしたら斎がエネルギーの源泉になりつつあるんじゃないか。そのような感覚を2時間ほどの対話を通じて共有する時間になりました。
その対話の後半に、互いに自然と用いていたのが「継承」という言葉です。
正確には、『ソース原理』で言われるところの「ソースの継承」が今まさに自分たちに起きていることではないかという気づきが2人の間で生まれました。いま、ここで何が起きているのか、これからの未来をどのように歩んでいくのがいいのかを話す上で、「ソースの継承」を補助線に置けたことで、今回の決断に至るプロセスを最後までブレることなく進めてこれたような気がしています(ちなみに、ソース原理には本当に出会えてよかったと思っています。何か社会的な活動に取り組まれる方には特に、こちらの書籍をお勧めします)。
ちょっとまわり道をしましたが、要するに、PIECESの代表理事としての役割や職務といったDoingの部分を、何らかの事情でいぶきさんから斎に引き継ぐということであれば「交代」がふさわしいのかもしれない。けれど、今回は、より根幹となるBeingの部分について、エネルギーの源泉となる存在の移ろいを意味することになる。当然そうなったときには、いぶきさんから生まれてきた、あるいはいぶきさんがいたことで育まれてきた尊い願いや豊かな価値観などを受け取ることになる。そういった、有形・無形の様々なものの存在に敬意を持ちながら、そこに今度は自分なりのあり方を結びつけていくことが求められる。
そのようなことを考えると、いま自分の目の前にあるのは、単に代表としての役割を引き継ぐということではない。目に見えないこと(願いや価値観、魂のようなこと)も含めて、これからは自分自身の在り方が影響を与えていくことになる、という意味で「交代」ではなく「継承」なのだという風に受け止めています。
これから改めて大切にしたいこと
では、PIECESというフィールドのエネルギーの源泉となっていく斎は、これからどのような在り方を大切にしていきたいと考えているのか。詳しくは7月13日のイベントでお話ししたいと思っていますが、今日は少しだけさわりの部分についてお伝えします。
PIECESが、約10年の年月を重ねる中で大事にしてきたのが、「市民性」という概念です。人の暮らしを誰か特定の人が役割として支えるのではなく、誰もがその人なりの在り方を大事にしながら関わり合おうとする姿勢、という意味で「市民性」を子どもの周りに育むことをミッションに活動を進めてきました。
そして、そのミッション自体は、これからも変わらずにPIECESの真ん中にあり続けます。
一方で、今一度そのミッションの大きさと、自分自身の存在とを見比べたときに、途方もなく大きな隔たりを感じています。自分一人の存在のちっぽけさに無力感に近いものを感じているとも言えるかもしれません。また、いぶきさんのような大きなビジョンや人を不思議と惹きつける魅力のようなものもどうやら自分にはなさそうです。
ソースの継承だなどと偉そうに言いながら、そのような現実を前に、ひるんでしまいそうになる自分がいるのもまた事実です。
だからこそ、これから何より大切にしていきたいと考えているのが「協力」の力であり、他者に対する「信頼」の姿勢です。何も真新しさのない、言葉にしてしまえばシンプルなことですが、「協力」と「信頼」、この2つが自分にとっての当面の探究テーマであり成長課題になるのだろうと考えています。
「協力」について言えば、自分一人の存在のちっぽけさを自覚するからこそ、社内・社外問わず様々な人の力にいい意味で依存しながら、互いに活かされ合う環境を作っていきたいと考えています。「人の力に依存する」というのは、実はこれまであまり得意ではありませんでした(おそらく小さい頃から、(狭い世界の中でですが)人よりできることが多かったため、常に誰かに助けてもらうより助ける側であったことが影響しているのでは、というのが自分なりの見立てです)。
ただ、幸いなことに、この5年間ほどで「協力」が生み出すエネルギーの力強さを感じる機会が増え、自分自身や自組織を開いていくことの可能性や開き方が徐々に分かるようになってきました。
短期的に見れば、協力あるいは共創というのは面倒なことも多いし手間もかかる。それでも協力の輪が広がることで、エネルギーの総和は指数関数的に大きくなっていくのだろうと捉えています。
当然、自分自身や自組織以外の他者の存在が加わることで、不確実性は大きくなります。団体運営を例にとっても、メンバーが増えるほどに想定外のことが起きやすくなるし、ましてや他団体との協働ともなると、それぞれの目的や思惑から異なることもざらにある。
その不確実性の高い状況にあっても、なお他者を信じ、委ねられるかどうか。つまり、他者を「信頼」することは、「協力」を実現する上での前提とも位置付けられるのだと考えています。
一人でできること、一つの団体でできることに限りがあるからこそ、「協力」と「信頼」を大事に、これからの歩みを進めていきたいと思います。
特別記念イベントのご案内
冒頭から何度か触れていますが、今回の代表継承を自ら記念して、7月13日に都内でイベントを開催します。
いぶきさんと一緒にこの2年間について振り返ったりこれからの展望などを語る予定です。このお便りではちょっと書けないような話ももちろんあり、1回きりのイベントだからこその思い切った内容でお届けする予定です。また、創業メンバーが勢ぞろいして(4人が集まるのは5年ぶり!)のトークセッションも予定しています!
お久しぶりの方も含めて、是非たくさんの方に足を運んでいただき、PIECESのこれまでとこれからをたっぷり感じていただけたらと思っています。是非たくさんの方にご参加いただけたら嬉しいです!
▼特別記念イベントの詳細・お申込みはこちら
https://pieces-special-2024.peatix.com/
※第一部のトークセッションは、オンラインでも参加いただけます!
さいごに
突然ですが、これまで14回にわたってお届けしてきたこの「事務局長からのお便り」は、今回で最終号となります。そうです、もう事務局長ではなくなってしまうからです。
が、このお便りを始めたときにお伝えした「PIECESの事業や組織のことについて、綺麗な部分だけでなく、なるべくリアルな状況をお伝えしたい」という想いは今も全く変わっていません。
ということで、これからも変わらず31日にお便りは続けていきたいと思います。「代表からのお便り(仮)」に名前を変えて。笑
それでは、また次の31日にお会いしましょう。
事務局長からのお便り Vol.13
こんにちは、PIECES理事/事務局長の斎です。
明日から新年度という方も多くいらっしゃるかと思いますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。私は1週間ほど前に、約8年住んでいた東京都文京区から、多摩市というところに引越してきました。同じ都内とはいえ、道や公園ですれ違う人たちや、お店の店員さんたちとのやりとりで感じる“間”がなんとも穏やかでゆったりしていて、私にとってはとても心地よさを感じています。
さて、「31日(サイの日)」にのみ更新するこの事務局長からのお便り。
PIECESも3月が年度末ということもあり、それぞれの事業活動について今期の成果や課題を振り返っているところです。全体の様子については、また6月頃に発行するアニュアルレポートを楽しみにしていただければと思いますが、今日は今期の活動を通じて浮かび上がってきた「緩(ゆる)める」というキーワードを軸に、市民性を育むとはどういうことかについて見つめ直してみたいと思います。
重要なお知らせとお詫び
本題に入る前に、大事なお知らせとお詫びです。
既にPIECESメイト(継続寄付者)の皆さんには3月19日付のメールで、その後HP上でも3月25日にお知らせを掲載していますが、PIECESは2024年3月25日をもって認定NPO法人の認定を失効し、3月26日から通常のNPO法人となりました。それにより、3月26日以降にクレジットカード決済や銀行振込が行われる寄付については、寄付金控除などの税制上の優遇処置の対象外となっています(3月25日以前の決済や振込は対象の範囲内)。
経緯や現時点での今後の見通し等の詳細については、当該メールやHPに記載の通りですが、今回皆さまに大変なご迷惑をおかけしてしまうことになったことについて、重ねて心よりお詫び申し上げます。
設立当初から理事を務めてきて、また事務局長という立場で組織運営の中核を担ってきたこともあり、今回の件については自身の責任についても重く受け止めています。今後はより一層、ガバナンスや法令遵守の視点から組織全体のあり方を随時見直し続け、皆さまが応援し続けたいと思える組織づくりに努めていきます。
なお、3月19日付のメールについて、一部メールの迷惑フォルダに入っていたとの報告もいただいています。もし、メールが確認できない場合や、当法人への寄付を中断されたい方、その他本件についてご不明な点等ございましたら、下記の問い合わせ先までご連絡ください。
▼本件に関するお問い合わせ先
〒113-0033 東京都文京区本郷3-30-10 本郷K&Kビル5F
特定非営利活動法人PIECES
事務局長 斎 典道
電話:03-6801-5232
e-mail:info@pieces.tokyo
「緩める」ことからはじまる、市民性の醸成
今日のテーマは、冒頭でも触れた通り「緩める」。
いま仮に「まちのなかに市民性を育む実践をする上で、最も意識することは何か?」と問われたら、「緩める」というキーワードを挙げるかなと思います。それほどまでに今のPIECESや私にとって重要なキーワードですが、1年程前まではほとんど使っていなかったように記憶しています。
それどころか、時間軸をさらに遡り、たとえばCforCの取組を始めた7,8年前のことを思い返すと、その正反対の「締める」や「張る」という感覚すら持っていたかもしれません。
冒頭からだいぶ抽象的な感じになってしまったので、ここから主に今期のCforCについて他のメンバーと一緒に振り返っていた際の対話を思い返しながら、できるだけ具体的に、この「緩める」とはどういうことか、何がどう重要なのかという話をしていければと思います。
その振り返りの対話の時間では、今期CforCに参加していた人たちの修了後のアンケートや、修了時の面談記録を眺めながら、スタッフ同士でそれぞれに気づいたことや感じたことを共有し合っていました。スタッフと言っても、CforCの運営はプロボノメンバーもいれば前年までの修了生メンバーもいるので、常に多様な視点で対話が広がっていきます。
その日も、いろんな視点が置かれていく中であるメンバーが、今期は特に「プログラムに参加したことで肩の力が抜けた」というような声が多いよねという気づきを共有してくれました。確かにアンケート全体を見渡してみると、「何か今ないものを獲得するというより、自然体の自分でいることが大事だと思えた」「何かをしようとしすぎてた自分にとって“支援者になろうとしなくていい”という言葉は刺さった」というような声が多くあることに気づきました。
これらが何を意味するのかという話になったときに行き着いたのが、CforCのプログラムがもたらしているひとつ大きな要素として「緩める」があるのではないかという話でした。
ともすると、CforCに参加してくださるような方々、つまり地域のために、社会のためにという想いを持った人たちの中には、その想いがあるがゆえに自分に足りない何かや確固たる何かを手に入れようとしすぎてしまっている。あるいは、課題の当事者の方にどうにか近づこうとしすぎてしまっているのかもしれない。それ故に、何か余裕や余白のようなものを持ちにくくなってしまっていたり、緊張感のようなものを漂わせてしまっていたりするのかもしれません。
だからこそ、CforCの場での対話や内省を通じて、正しさや正解を手放すこと、評価することジャッジすることを手放すことをしていくプロセスで、少しずつ緩んでいく。一人ひとりが安全にその場にいられ、安心して応答し合える時間が重なることで、つながりや想像力をもつための余裕や余白が生まれているとも言えるのかもしれません。
あくまで感覚的でしかありませんが、知らず知らずのうちに、社会全体が緊張している、あるいはこわばった状態に陥っているというのは、生活実感としてももっているところです。あちこちで「社会課題」が声高に叫ばれる現状では、その課題に胸を痛めれば痛めるほど、課題を解決したい、解決せねばという想いになってしまうのも無理はありません。そして、強くあること、正しくあることが求められていく。
そんなことを振り返りの対話の中から受け取り、自分なりにも考えていた矢先に、まさにCforC修了生の一人が、ご自身の体験を交えながら、その「緩める」ことの大切さをnoteに綴ってくれていたので、最後にこちらを紹介させていただきます。
▼「独り言」から「対話」を重ねて、手放したもの
https://note.com/pieces_magazine/n/n3036158a68ce
個人的には、特に下記の部分が心に響いたので、本文から一部抜粋して締めの言葉に代えさせていただきます。
しかし、そこに醸し出される安心感からか、心の底にある思いを吐露できるようになっていった。
「困っている子どもたちを何とか助けたい」という、信念にも似た強い思いを持つようになったのは、長い間、固く蓋をしていた「人が悲しむ姿をみたくない」という思春期の体験がきっかけとなっていたことに気づく。 また、自身の社会的立場や役割からくる思考のクセがあることもわかってきた。
仲間との幾度とない対話のやり取りのなかで、自分の『メガネ(思考のクセ)』を認識したり外したり、自身には無かった仲間の視点と重ねてみたりしているうちに、いつも頭の片隅から離れなかった『何とかせねば』という気負いは消えていき、子ども達の悩みに対して適切な距離感を掴めるようになった。そして、自分自身の気持ちも大切にできるように変化していった。
PIECESとして「市民性の醸成」に取り組む旅路はまだまだ続いていくので、また新たな気づきや発見などがあれば、こうして皆さんとも共有させていただきたいと思います。
それでは、また次の31日にお会いしましょう。
事務局長からのお便り Vol.12
こんにちは、PIECES理事/事務局長の斎です。
2024年は、年初から災害・惨事が続き、被災された方や関係者の方々はもちろん、多くの人にとって心を痛める日々が続いているかと思います。こんなとき、無意識の内に、身体も心も緊張してしまっていることがあるようです。少し意識してゆっくり呼吸をしたり、リラックスできる時間を作れたりできるといいのかなと思っています。
さて、「31日(サイの日)」にのみ更新するこの事務局長からのお便り。
今回は、お知らせとお願いメインでお届けしたいと思います。今月は、CforCの今期のプログラムが終了したり、5年に1度の認定NPOの更新に伴う現地調査(という事務局長にとってはビッグイベント)があったりと、お伝えしたいことはもりだくさん。ただ、まさにその後者の対応によってエネルギーがほぼ尽き果ててしまったので、ディープな話はまたの機会にさせてもらいます。笑
とはいえ大事なお知らせなので、是非これを読んで協力の輪に加わってもらえたら嬉しいです!
PIECESのチャリティアイテムが誕生しました!(期間限定)
既にSNSや公式LINE等で目にした方もいらっしゃるかと思いますが、「JAMMIN」さんという京都発のファッションブランドとのコラボ企画でチャリティアイテムの販売が始まりました。
今回の企画は、各アイテムを購入することによって、その購入費用の一部がPIECESへの寄付になるという仕組みです。各アイテムには、私たちが活動に込める想いをモチーフにしたデザインが描かれているのですが、きっとPIECESらしさを一目で感じていただけるんじゃないかと思います!
まずは、是非専用ページを覗いてみていただきたいのですが、アイテムの一覧を目にしたらきっと驚かれると思います、、そのアイテムとカラーのバリエーションの多さに。笑
Tシャツだけでも子ども用も含めていろんな型があり、さらにパーカー、トートバッグ、ポーチなど本当に種類がたくさん。その上でカラー展開も相当あるので、正直選ぶのは大変ですが、きっと何かお気に入りのアイテムが見つかると思います。
(ちなみに、個人的には「デニムトートバッグ」というのがオススメです!質感はやわらかめで、ダークのカラーを購入したのですが色味もとてもきれいです。下の写真の私の足元に置いてあるやつです!)
ただ、このコラボ企画には1つだけ問題がありまして…それは販売期間が1週間しかないということ。1月29日からスタートしたので、販売期間は2月4日で終了してしまうのです!
実は今期(2023年度)、ここ数年で1番資金調達に苦戦しています。物価高の影響などもあり新規の寄付が伸び悩んでいたり、当初見込んでいた法人さんからの寄付が減額になってしまったりが重なり、1,000万円ほど予算に到達していない現状があります。
そんな切実な状況もあり、是非多くの人に、今回のチャリティアイテムを手に取っていただき、PIECESの活動を応援いただければと思っています。
販売期間が短いので、SNS等でのシェアだけでもとっても大きな力になります。
このチャリティ企画を通じて、子どもたちの周りに優しいまなざしや関わりを広げる取組に協力いただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!
▼アイテム一覧ページ
https://jammin.co.jp/c/charityfor/thisweek
▼今回の企画に込めた想い(よりPIECESのディープな部分に触れたい方はこちらも是非)
https://jammin.co.jp/charity_list/240129-pieces/
「妊娠期の居場所づくり」をテーマにしたシンポジウムを開催します!
昨年8月のお便りでもお伝えしたように、PIECESは、認定NPO法人ピッコラーレが取り組む「project HOME」という妊娠期の居場所づくりを行う事業の協働パートナーとしても活動しています。
2020年に本格的に開始した取組ですが、これまでの着実な積み重ねが実を結び、この取組がモデルとなって、2024年度から児童福祉法に基づく法定事業として位置付けられることになりました。それを前に、この事業をより各地で効果的に実施できるように、全国の仲間と協力してシンポジウムを開催しようとしています。
今回は、妊産婦等の生活支援や居場所づくりのこれまでの取組やこれからの課題や展望について、セクターや団体・機関等の壁を越えて共に学び、考え、対話する機会にできればと思っています。子ども家庭庁の担当者の方にも来てもらい、制度概要を詳しく教えてもらいつつ、いま実践現場で何が起きているのか、この制度によってどのような未来に向かっていけるといいのか、などを参加者の皆さんと一緒に考えていきます。
実践者の立場の方々や自治体関係者の方々はもちろん、ご関心のある方はどなたでも歓迎ですので、是非お気軽にご参加ください。
そして、このシンポジウムについても、運営のための寄付を募っています。
PIECESは、ピッコラーレと共同で運営事務局の機能を担っているのですが、必要性が先立って企画したので、運営資金のアテがないままスタートしたというのが現状です。
各地から東京へ来てくださる登壇者への謝金や交通費、運営のための備品費などにおよそ100万円~120万円の支出を見込んでおり、資金面でのサポートを頂ける方を募集しています。
個人での少額の寄付でももちろんありがたいですし、1口10万円~での法人等からの寄付も募集していますので、もし身近にご検討いただけそうな方がいれば、是非ご紹介いただけると嬉しいです。
▼シンポジウムに関する詳細&申込はこちら
https://peatix.com/event/3821778
▼シンポジウムへのご寄付はこちら
https://piccolare.my.salesforce-sites.com/
※認定NPO法人ピッコラーレが寄付の受付窓口です。
※備考欄に「2/24シンポジウムへの寄付」とご記入ください。
ということで、今回はお願いが2つ重なってしまいましたが、皆さんの応援が私たちの活動のエネルギーとなっていきますので、ご協力をどうぞお願いいたします。
暖冬とはいえ、寒い日が続きますので、暖かくしてお過ごしくださいね。
また、31日にお会いしましょう。
事務局長からのお便り Vol.11
こんにちは、PIECES理事/事務局長の斎です。
2023年の大晦日、いかがお過ごしでしょうか。
私は、年明けすぐに5年に1回の認定NPO更新のための現地調査(東京都の担当課の方が3~4人で事務所にいらして、5年分のありとあらゆる書類や運営状況のチェックを受ける機会)という超重要イベントが控えていることもあり、今年はなんだかソワソワした気持ちで年の瀬を迎えています。緊張感をもって休みを過ごしなさいよという所轄庁からのメッセージと受け止め、シャキッと年末年始を過ごしたいと思います(笑)
さて、「31日(サイの日)」にのみ更新するこの事務局長からのお便り。
大晦日にまでこのお便りを読んでくださる奇特な方(もちろんいい意味です笑)がどれだけいるか分かりませんが、せっかくなのでPIECESの2023年がどんな年だったのかを、私なりの視点でお伝えしていきます。
2023年を漢字1字で表すと・・・
いきなり安直な見出し感は否めませんが、1年を振り返るという意味で、なんとなく2023年のPIECESを漢字1字で表すところから始めてみようかと。
例年だと、本家の「今年の漢字」(日本漢字能力検定協会)が出る度に、自分にも当てはめてみては、そんな都合のいい漢字は思い浮かばないことがほとんどです。ただ今年に関しては、スッと1つの漢字が思い浮かびました。
それが、「新」という一字。
ありふれた何の捻りもない字ですが、いろんなことを振り返ってみると、今年のPIECESを表すにはしっくりくる1字のような気がしています。
2023年は、このお便りでも何度かご紹介している「CforCコンソーシアム」という“新”規事業を本格的に立ち上げるところからスタートしました。事業の詳細や進捗は折に触れてまたご紹介していきますが、これまでPIECESが主導してきたCforCプログラムや市民性醸成の取組を、各地の団体や機関、自治体等との協力・共創による取組へと変容させるべく、新たなチャレンジが次々と始まっています。
今年の夏ごろからは、実際に他団体さんとの協力モデルでCforCのエッセンスを届ける活動がスタートしたり、各地で市民性を育む活動をする団体・機関が共に学び合う機会を立ち上げたりし始めています。
実際にスタートしてみて、「協力・共創」を前提とすることで、自分たちだけではもたらしえないエネルギーが創出されていることの価値を強く感じています。一方で、協力やパートナーシップには当然協力する相手やパートナーが存在します。それ故に自力では動かせない範囲が大きくなり、事を進めるにも時間や手間がかかったり、想定外のことが起きやすくなることの難しさも感じています。
それでも、「真に大切なことは、面倒くさいプロセスに宿る」と思っているので、この新たな取組やプロセスをじっくりと地に足つけて前に進めていきたいと思います。
また、今年は有給スタッフやプロボノメンバーなどの“新”たな仲間がたくさん加わった年でもありました。
有給スタッフは今年新たに4名が加わり11名に。プロボノメンバーも6人が仲間入りし25名となりました。加えて、CforCプログラムの運営には、過去のプログラムを修了した修了生メンバーがスタッフとして参画していますが、今年は10名超のメンバーが毎週の活動に参加してくれています。
まだまだ事業としてはできていないことも多く、課題ばかりが山積しているように感じる日々ですが、こうして50名近いスタッフやメンバーが運営に参画するまでに組織が育まれてきたことについては、感慨深いものを感じています。
当然、ライフステージの変化や新たな挑戦などもあるので、みんながこのままでとはいかないはずです。それでも、今年新たに加わったメンバーをはじめ、PIECESに携わるスタッフやメンバーがこれからもこのフィールドで活躍したいと思えるような組織であれるように、これからもチャレンジを続けていきたいと思います。
その他にも、冒頭でご紹介した5年に1度の認定NPOの更“新”のための膨大な資料作成に取り組んだり、ここ1,2年で生じてきた組織の成長変化に対して、経営・運営体制の“新”たなカタチが見出されてきたり。やや強引なところはありますが、随所に“新”を感じるそんな2023年でした。
市民性を照らし、育む
2023年を振り返る上で、最後に皆さんに1つ見ていただきたいものがあります。
もう既にご覧になった方もいるかもしれませんが、12月初旬にPIECESのWEB上で1つの“新”しいページが公開されました。「やさしさのむしめがねー暮らしの中にある市民性ー」というタイトルで始まるページです。
PIECESが取り組む、「市民性の醸成」という営み。
PIECESのことを家族や友人、同僚の方々などに話したことがある方の中には、経験がある方がいるかもしれませんが、「市民性の醸成」と言ってもなかなか理解や共感は得られません。私もそのことに苦しみ続けている一人です。
「市民性ってどういうことなの?」
「どうして今の世の中に市民性が必要なの?」
これらを少しでも分かりやすく、親しみをもって知ってもらいたい。
そんな想いで作ったのが、今回のこのページです。
個人的には、ページ内にある下記の部分を特に皆さんと共有したいと思い、少し長いですが引用させてください。
その問いに向き合う中でたどり着いた一つの解。それが、一人ひとりが持つ「市民性」を信じることです。
これは、何かが「ない/足りない」ことを前提にしたあり方とは大きく異なります。
制度や仕組みがないから新しく作る、サービスが足りないから増やす。
それも大事なことだけど、「ある」のに見過ごされている、「ある」ことに気づけていない、そんな見方があってもいいんじゃないか。
人が人として、自分のことや誰かのことを大切に想う気持ちや願い、温かなまなざしや関わり、そしてそこから生まれるつながり。 そんなだれもが持つ「市民性」。
今この社会では、そこにあるはずのものが周りからも、自分でさえも見えにくく、気づかれにくくなっているのかもしれません。
だからこそ、私たちPIECESは、そんな「市民性」を照らし、育むことをしていきたいと思っています。
それこそが、孤立や分断へのやさしい処方箋になると信じて。
もちろんこのページだけで、すべてを伝えきることはできません。
それでも、改めて皆さんと一緒に「市民性」について感じ、考えるきっかけになれば良いなと思っています。
PIECESがどんな風に社会を見ているのか。そもそもなぜPIECESが存在するのか。そんなことも感じてもらえるかもしれませんので、もしよければページをご覧になっていただき、何か感じたことがあれば、身近にいる大切な人と共有いただくのはもちろん、SNSなどでもシェアしていただけたら嬉しいです。
▼やさしさのむしめがねー暮らしの中にある市民性ー
お知らせ
最後に1つお知らせです。
この12月に、PIECESも入居しているシェアオフィス「social hive HONGO」が、同じ文京区本郷三丁目のエリア内で移転しました。
今までのオフィスから徒歩3分ほどの場所への移転ですが、今後イベント等でお越しになる機会もあると思いますので、その際は下記住所を目指してお越しください!
■新住所:
〒113-0033 東京都文京区本郷三丁目30-10 本郷K&Kビル5F・6F
小野田総合法律事務所内 social hive HONGO
それでは、今年も1年間ありがとうございました!
2024年もどうぞよろしくお願いします。よいお年をお迎えください!
事務局長からのお便り Vol.10
こんにちは、PIECES理事/事務局長の斎です。
前回このお便りを発行したのが8月31日。
まだまだ猛暑の日々にうんざりする日々だったことを覚えていますが、すっかり秋らしい気候になりましたね。秋の風を感じてほっとしたのも束の間、花粉と喘息持ちの身には実はしんどい季節でもあります。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
さて、「31日(サイの日)」にのみ更新するこの事務局長からのお便り。
今回は、この季節恒例?となったPIECESの全体合宿の様子をお伝えします。
今年もたくさんの印象的な場面があったので、組織の歴史などにも触れながら気合い入れて長々とこのお便りにしたためようと思ったのですが、、そんな矢先にお子の保育園から体調不良でお呼び出しの電話が・・・。
ということで、お便りを書くための時間が飛んでいってしまったので、当日の様子については、特に印象的だったことをほんの一部だけお届けします!
わたしとあなたとPIECESさん
「わたしとあなたとPIECESさん」、急にどうした?という感じかもしれませんが、これが今回の合宿のテーマでした。
PIECESが誕生して、今年で7年。この間、紆余曲折を経ながら、事業レベルではCforCの取組や啓発の活動が柱として位置づいてきました。影響を与えている範囲はまだまだ限定的かもしれませんが、目先の問題解決に囚われるのではなく、中長期的な視点で市民性を醸成していくことの重要性について、徐々にではあるけれどもその感覚を共有する仲間が生まれてきている感覚を持っています。
そして、その原動力となっているのがまきば(PIECESの運営に関わるメンバーの総称)の存在であり、このまきばでそれぞれが互いに関わり合いながら生き生きとあり続けられるかどうかが、事業や組織の発展に直結していくと捉えています。
昨年の合宿では、それぞれのメンバーが、個のレベルで過去・現在・未来に想いを馳せ、それを共有することを通じて、相互理解を深めることに取り組みました。
今年は、個の視点は引き続き大事にしつつも、「PIECESというフィールド」の存在をより意識することで、一人ひとりがPIECESのフィールドに立っていることの意味、そしてそこから生まれるこれからの未来について創造的に対話をしていきたい。
あくまで一人ひとりの存在があって、そこにPIECESというフィールドがある。その感覚を持ちながら、PIECESというフィールドに豊かなエネルギーをもたらしていきたい。
そんなことを願って、合宿当日に向けた準備が進められていきました。(そしてこの企画や当日の運営もまた、プロボノで関わるメンバーたちが中心となって取り組んでくれました。5人の運営チームの皆さん、ありがとう!)
2日間の対話の時間を通して…
今年の合宿地は埼玉県の長瀞町。
豊かな自然の中に佇む古民家の会場をお借りして、10月28日-29日の1泊2日で開催されました。
いつもはリモートで活動することがほとんどなので、メンバー同士が直接顔を合わせるのは本当に貴重な機会。1年以上活動に関わっていながら「はじめまして…」のメンバーがいるという、もはやお決まりの光景を眺めながら、2日間の時間はスタートしていきました。
普段、どうしても目の前の「コト」に追われがちになってしまうからこそ、この2日間で大切にしたのは自分自身の感情や願いに触れること。日常の役割や立場をおろして、ひとりの人としてあれることを大事にしながら、内省と対話が重ねられていきました。
全体としてどんな時間だったのかについて伝えることはとても難しいので(それぞれにきっといろんな感じ方があったと思うし、私はそんな風には思ってない!ってメンバーに怒られてしまうかもしれないので笑)、ここからは個人的に心に残ったことを1つだけご紹介。
それは、和室で車座になって、「わたしとPIECES」についてそれぞれの想いを共有し合っていた場面でのこと。
「いま自分がこのPIECESというフィールドにいることの意味に触れられた気がする」、「これから自分がより自分らしくあれるようにするために考えていきたい問いが見つかった」といった前向きな言葉が続く中、ある一人のメンバーが「この流れで言いにくいんだけど、正直今あまりワクワクする気持ちを私は持てていなくて…」と語ってくれました。
まだ、今のようにメンバーが多くなかった時からプロボノとして関わってきた中で、組織の成長を喜ぶ気持ちと同時に立ち現れてきたそのような想い。
その言葉を聞かせてもらったその場では、そんな想いをさせてしまっていることへの申し訳なさなどが浮かんできました。が、時間が経つにつれその率直な想いを場においてくれたことへの敬意や感謝の気持ちが徐々に湧いてきました。
組織に関わるメンバーがみんなエネルギーに溢れているのが理想であることは間違いない。そして、なんとなくそんな理想を持ちながら今回の合宿の企画に関わっていた気がしています。
でも現実はなかなかそうならないことの方が多いよなと。その現実を受け止めたとき、一人ひとりが感じている違和感や複雑な気持ちなどを場に出せること。そしてそれを受け止める環境があること。それこそが目指したい状態なのかもしれない。
合宿を終えた今、そんなことを気づかせてもらえたのかなと思っています。
他にも、一人ひとりが思い思いの場所で内省している時間、小グループで散歩をしている時間、チームに分かれて料理をしている時間など、それぞれに印象的な時間を過ごすことができ、書きたいことは尽きないのですが、今回はこのあたりで。
また31日にお会いしましょう!
事務局長からのお便りVol.9
こんにちは、PIECES理事/事務局長の斎です。
前回のお便りからあっという間に1か月ですが、皆さんいかがお過ごしですか。
この間、夏休みを取ってリフレッシュされた方、お子さんの夏休みが終わりホッと一息な方などもいらっしゃるかもしれませんね。
私は・・・頑張って走ってます。今年の5月頃から「そろそろホントにヤバい」の一心で、週1~2ペースでのランニングを始めたのですが、なんとか続いています。
何がヤバいのかというと、30代も半ばになり、ここ数年立て続けに腰痛や尿路結石(あれはホントに辛かった…)を発症してしまったという悲しき現実があります。ただ、いざ走り始めてみると、今まで知らなかったまちの風景にも出会うことができ、身体はもちろん心にも豊かさがもたらされていて、当初の危機感だけではない何か走ることへのポジティブな気持ちの芽生えを感じ始めている今日この頃です。
さて、「31日(サイの日)」にのみ更新するこの事務局長からのお便り。
今回は、PIECESが協働パートナーとして関わっている「project HOME」という取組について触れてみたいと思います。
もしかしたら既に知っているよ、寄付しているよという方もいらっしゃるかもですが、PIECES的な視点でこの取組について語る機会はこれまであまりなかったと思うので、是非この機会により関心を持っていただけたら嬉しいです。
ご報告
本題に入る前に、先日8月26日から今期のCforC(Citizenship for Children)のプログラムがスタートしたのでご報告です!
今年もたくさんの方に関心を持っていただき、事前に行った募集説明会には、過去最多の262名が参加。そこから最終的には、基礎コース47名、探求コース32名の方に応募をいただくことができました。
8月26日の初回のプログラムでは、冒頭のチェックインで多くの方から「ドキドキしている」という吐露こそあったものの、プログラムの進行と共に徐々に表情が和らぎ、後半は初めて顔を合わせる人たち同士とは思えない対話や質疑がなされ、初回からとてもとても濃い時間となりました。
会の終了後には、
「子どものことを真剣に考えている大人がこんなにたくさんいると知って、しかも近い地域にいらっしゃることもわかり、すごく嬉しかった」
「すべてのプログラムが受容的で優しい時間でした。出会ったばかりであっても、みんなが意識し、共有できるものがあれば安全な場は作れるのだなぁと思いました」
といった感想の声も聞こえてきて、ここから始まる6か月の学びと変容のプロセスがとても楽しみになりました。
プログラムの募集広報にご協力くださった皆さんには、この場を借りて感謝をお伝えします。本当にありがとうございました!
また、「実はちょっとCforC興味あるんだよな…」という方は、来年度のプログラムはもちろん、年内にも単発で参加できる機会を作れればと思うので、その機会に是非ご参加いただければと思います!
「居場所のない妊産婦」の支援に、なぜ「市民性」が必要か
まず最初に、project HOMEの取組についてご存知でない方もいらっしゃると思うので、簡単に紹介させてください。
project HOMEは、認定NPO法人ピッコラーレが2020年から開始した、困難を抱えた妊産婦(主に10代~20代の若年層)のための長期滞在可能な居場所づくりの取組です。助産師や保健師、社会福祉士などのメンバーが中心となり、衣食住の生活支援はもちろん、心身のケアや利用者を取り巻く環境面の調整なども幅広く担っています。
ピッコラーレは2020年以前から「にんしんSOS東京」という妊娠葛藤相談窓口を運営してきましたが、その窓口を通じて困難を抱えた「若年妊婦」と出会う中で、必要な支援に繋げようとしても既存の制度に当てはまらず狭間に取り残されてしまうという経験を数多くしてきました。「ないならつくろう」という想いで、全国でも先駆的な取組として活動がスタートしたという経緯があります。
実はPIECESとしては、活動開始から遡ること約3年、2017年末ごろからピッコラーレ代表の中島かおりさんらと一緒に構想づくりに関わってきた経緯があります。私自身、大学院の修論テーマとして「妊娠期からの虐待予防」を扱っているなど、このテーマには思い入れがあったこともあり、毎月のように池袋のカフェなどに集まり、組織の枠を越えてたくさんの議論を交わしたことを今でもよく覚えています。
そんなproject HOMEですが、今年で活動開始から丸3年を迎えました。この間、滞在での利用者(期間は、数日~数か月まで様々)だけでも20人を超え、日中の一時的な利用なども含めると、その数は更に多くなります。24時間365日体制で支援活動を行っているだけでも尊い活動ですが、出産して自分で育てる人、出産後子どもを託す人、産まない(中絶)選択をする人など、それぞれの利用者の選択を尊重し、一人ひとりの必要に合わせて、産前だけでなく産後も含めたサポートを行なっているところに、大きな特徴があります。
と、ここまで読んでくださった方の中には、もしかしたら少しの違和感や疑問が生じている方もいらっしゃるかもしれません。いかにも専門性が求められそうな支援のフィールドで、「市民性の醸成」に取り組むPIECESがなぜ、どのように関わっているのかと。
その問いについて、私なりに見えている景色を踏まえて2点触れてみたいと思います。
1つは、妊婦である主に10代の女性に対する視点です。
これまでproject HOMEを通じて出会ってきた方々の成育歴や利用背景に目を向けると、専門的な見立てやケアが必要になるのは言うまでもありません。臨月近くなるまで一度も医療機関で受診できなかった方や、虐待や暴力がある環境で妊娠に至った方などの生活を丸ごと支える上では、妊娠・出産に関わる専門的な知識や対人援助技術などが求められます。
一方で、妊婦である前に一人の人であり、なかなか他者との関係の中で安心や信頼が感じられない環境にいたことを考えると、その隣にいるのは、必ずしも専門職だけである必要はないのではないかとも感じています。
ここにPIECESとしてのこれまでの経験や思想がリンクしてきます。PIECESとしての初期の活動やそれ以前の個々の活動を通じて、複雑な環境の中で生まれ育ち、心に傷を抱えながらも安心して頼れる人がいない、頼っていいことを知らない子ども・若者とこれまで多く出会ってきました。
彼らには関わる他者がいなかったわけではありません。ですが、大切にされる経験が乏しかったり、誰かがふりかざした正義で傷ついたりする中で、社会からの孤立を深めていたのです。
そんな彼らと過ごす日々の中で、自分のことを気にかけてくれる、信じてくれる人の存在があることの大切さを痛感してきました。そして、その存在は、必ずしも専門職や支援者と言われる人たちばかりではありません。むしろ、肩書のない一人の市民としての関わりだからこそ、育める安心感や築ける関係性があることに気づかされてきました。
だからこそ、このproject HOMEにおいても、人がもつ他者への想像力や何かをしたいという想い、そんな「市民性」をエネルギーに変えていけるように、地域の人たちにいかに関わってもらえるか、地域や社会とのオープンなつながりや対話の機会はいかにして創り得るのかという課題に、ピッコラーレのメンバーとともに立ち向かっています。
具体的には、今年度で言えば、地域住民や地元企業の方々がボランティアとして関わるための間口づくりや、学びの機会づくりなどに取り組もうとしています。
もう1つ、産まれてくる子どもに対する視点というのもあります(前提として、project HOMEの取組では、子どもを産む・産まない、どちらの選択肢も本人の自己決定の結果として尊重しています)。
こちらはより感覚的なことかもしれませんが、産まれてくる子どもの視点に立った時、そこにたくさんの人が関わっているというのは本当に豊かなことだと感じています。
これは、つい最近私自身が体験したことですが、先日私が幼児期を過ごした教育機関(幼稚園のようなところ)が一般向けの展覧会を開催していたので、足を運んでみました。すると、驚いたことに、私の名前を聞きつけたスタッフの方が「もしかして、あの斎さん?」と声をかけてくれたのです。それも一人や二人ではありません。在籍していた当時の職員さんや、母親と今でも交流がある方などが次々と声をかけてくださり、当時の私との思い出話やきょうだいの話などをしてくれました(当の本人は何ひとつそのエピソードを覚えていませんでしたが笑)。
その時に話した方の多くは、名前を聞いても思い出せないような人がほとんどでしたが、それでも小さい頃の自分を知ってくれている人が、家族親戚以外にこれだけいたんだと理解したときに、妙な温かさのようなものを感じた時間になりました。
project HOMEを通じて出会う妊婦の方々、そして産まれてくる子どもたち、どちらにも言えることかもしれませんが、project HOMEでの出会いや経験によって、自分や他者のことを大事にしたいなと思えること、困ったときには誰かが助けてくれるかもしれないと思えること。
あるいは、ふとしたときに「〇〇さん」の存在が思い浮かぶ、そんな感覚が広がっていくことを目指していけるといいのかなと考えています。
さらには、できる限り多くの人たちがこの取組に関わっていく中で、関わった人のまなざしが変わっていく。そこから少しずつ、地域の、そして社会のまなざしが様々な背景を持つ妊婦や子どもたちにとって優しく温かなものになっていく。そんな未来のために、これからもピッコラーレの皆さんと手を携え、project HOMEを展開していければと願っています。
ということで、今回は、project HOMEの取組、そしてそれがPIECESの掲げる「市民性の醸成」となぜ、どのように重なるのかというお話をさせていただきました。
これを機に、若年妊婦を取り巻く状況や、project HOMEの取組について関心を持っていただけたら嬉しいです。そして、もし良ければ関心を行動に移す最初の一歩として、ピッコラーレの寄付サポーター(通称:ピコサポ)になって、活動を応援してもらえたらより一層嬉しいです!
▼ピッコラーレの寄付サポーターについて
https://picosapo.piccolare.org/
さいごに・・・
現在PIECESでは、「#問いを贈ろう」という啓発キャンペーンを実施しています。
2021年から始めたこの取組も、今年で3年目。今年は、8月15日~9月21日までの約6週間、全部で17の問いをSNS上でお贈りしています。
「問い」によって、自分のこと、周囲のこと、社会のことを立ち止まってみつめたり、想いを馳せたりする。そのひとときが豊かな明日や未来をつくっていくための力になるという想いで取り組んでいます。
PIECESがSNS上で発信する問いにお返事いただくのはもちろん、キャンペーン特設サイト上では著名人をはじめ、いろんな方の問いへのお返事を覗いてみることもできますので、それぞれに合った形でご参加いただけたらと思います。
また、9月の1週目と2週目の週末には、リアルな空間で問いに触れていただける展覧会を都内で開催します。お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りくださいね。
▼#問いを贈ろう 展覧会 ”問いのほこら展”
https://toinohokora.peatix.com
それでは、今回はこのあたりで終わりにしたいと思います。
今年の残暑もなかなか厳しそうですので、どうか皆さんご自愛ください。
また31日にお会いしましょう!