事務局長からのお便り Vol.10

 
 

こんにちは、PIECES理事/事務局長の斎です。

前回このお便りを発行したのが8月31日。
まだまだ猛暑の日々にうんざりする日々だったことを覚えていますが、すっかり秋らしい気候になりましたね。秋の風を感じてほっとしたのも束の間、花粉と喘息持ちの身には実はしんどい季節でもあります。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、「31日(サイの日)」にのみ更新するこの事務局長からのお便り。

今回は、この季節恒例?となったPIECESの全体合宿の様子をお伝えします。
今年もたくさんの印象的な場面があったので、組織の歴史などにも触れながら気合い入れて長々とこのお便りにしたためようと思ったのですが、、そんな矢先にお子の保育園から体調不良でお呼び出しの電話が・・・。
ということで、お便りを書くための時間が飛んでいってしまったので、当日の様子については、特に印象的だったことをほんの一部だけお届けします!

わたしとあなたとPIECESさん

「わたしとあなたとPIECESさん」、急にどうした?という感じかもしれませんが、これが今回の合宿のテーマでした。

PIECESが誕生して、今年で7年。この間、紆余曲折を経ながら、事業レベルではCforCの取組や啓発の活動が柱として位置づいてきました。影響を与えている範囲はまだまだ限定的かもしれませんが、目先の問題解決に囚われるのではなく、中長期的な視点で市民性を醸成していくことの重要性について、徐々にではあるけれどもその感覚を共有する仲間が生まれてきている感覚を持っています。

そして、その原動力となっているのがまきば(PIECESの運営に関わるメンバーの総称)の存在であり、このまきばでそれぞれが互いに関わり合いながら生き生きとあり続けられるかどうかが、事業や組織の発展に直結していくと捉えています。

昨年の合宿では、それぞれのメンバーが、個のレベルで過去・現在・未来に想いを馳せ、それを共有することを通じて、相互理解を深めることに取り組みました。

今年は、個の視点は引き続き大事にしつつも、「PIECESというフィールド」の存在をより意識することで、一人ひとりがPIECESのフィールドに立っていることの意味、そしてそこから生まれるこれからの未来について創造的に対話をしていきたい。
あくまで一人ひとりの存在があって、そこにPIECESというフィールドがある。その感覚を持ちながら、PIECESというフィールドに豊かなエネルギーをもたらしていきたい。
そんなことを願って、合宿当日に向けた準備が進められていきました。(そしてこの企画や当日の運営もまた、プロボノで関わるメンバーたちが中心となって取り組んでくれました。5人の運営チームの皆さん、ありがとう!)

2日間の対話の時間を通して…

今年の合宿地は埼玉県の長瀞町。
豊かな自然の中に佇む古民家の会場をお借りして、10月28日-29日の1泊2日で開催されました。

いつもはリモートで活動することがほとんどなので、メンバー同士が直接顔を合わせるのは本当に貴重な機会。1年以上活動に関わっていながら「はじめまして…」のメンバーがいるという、もはやお決まりの光景を眺めながら、2日間の時間はスタートしていきました。

普段、どうしても目の前の「コト」に追われがちになってしまうからこそ、この2日間で大切にしたのは自分自身の感情や願いに触れること。日常の役割や立場をおろして、ひとりの人としてあれることを大事にしながら、内省と対話が重ねられていきました。

全体としてどんな時間だったのかについて伝えることはとても難しいので(それぞれにきっといろんな感じ方があったと思うし、私はそんな風には思ってない!ってメンバーに怒られてしまうかもしれないので笑)、ここからは個人的に心に残ったことを1つだけご紹介。

それは、和室で車座になって、「わたしとPIECES」についてそれぞれの想いを共有し合っていた場面でのこと。
「いま自分がこのPIECESというフィールドにいることの意味に触れられた気がする」、「これから自分がより自分らしくあれるようにするために考えていきたい問いが見つかった」といった前向きな言葉が続く中、ある一人のメンバーが「この流れで言いにくいんだけど、正直今あまりワクワクする気持ちを私は持てていなくて…」と語ってくれました。

まだ、今のようにメンバーが多くなかった時からプロボノとして関わってきた中で、組織の成長を喜ぶ気持ちと同時に立ち現れてきたそのような想い。

その言葉を聞かせてもらったその場では、そんな想いをさせてしまっていることへの申し訳なさなどが浮かんできました。が、時間が経つにつれその率直な想いを場においてくれたことへの敬意や感謝の気持ちが徐々に湧いてきました。

組織に関わるメンバーがみんなエネルギーに溢れているのが理想であることは間違いない。そして、なんとなくそんな理想を持ちながら今回の合宿の企画に関わっていた気がしています。

でも現実はなかなかそうならないことの方が多いよなと。その現実を受け止めたとき、一人ひとりが感じている違和感や複雑な気持ちなどを場に出せること。そしてそれを受け止める環境があること。それこそが目指したい状態なのかもしれない。
合宿を終えた今、そんなことを気づかせてもらえたのかなと思っています。

他にも、一人ひとりが思い思いの場所で内省している時間、小グループで散歩をしている時間、チームに分かれて料理をしている時間など、それぞれに印象的な時間を過ごすことができ、書きたいことは尽きないのですが、今回はこのあたりで。

また31日にお会いしましょう!