こんにちは、PIECES代表の斎(さい)です。
忙しい日々の中で、このお便りを開いていただきありがとうございます。
いよいよ明日から4月。新年度になり、ご自身やご家族が新たな生活や環境の変化を迎えているという方もいらっしゃるかもしれません。
肩に力が入ったり、気が張りやすいタイミングかもしれないので、意識的に「緩める」ことを大切にできると良さそうですね。
さて、少しずつ、いろんな場面でお伝えもし始めてもいますが、10周年イヤーとなる2026年度は、PIECESにとっても大きな変化の年になりそうです。今回は、PIECESがいまどんな状況にあるのか、これからどんな変化が起きていくのかについてお伝えできればと思います。
PIECES誕生から、今年で丸10年
前回までのお便りでもお知らせした通り、今年の6月22日で、PIECESはNPO法人化してから丸10年という大きな節目を迎えます。
設立初期のころから「市民性」という、目に見えにくく、すぐに結果が出るわけではない分かりづらい価値を真ん中に置き、今日まで中長期的な取り組みを続けてこられました。それができたのは、他でもなくPIECESの運営に関わるスタッフや、プロボノやボランティアとして関わってきてくれた「まきば」のメンバー、そして「PIECESメイト」をはじめとした寄付者の皆さんが、これまでずっと活動や応援のバトンを繋ぎ続けてくれたおかげです。この場を借りて、心からの感謝を伝えさせてください。本当にありがとうございます!
直面する組織課題と、足元の現在地
しかし、10周年という喜ばしい節目を前に、私自身は代表を引き継いでからずっと、ある種の不安と隣り合わせで過ごしてきました。
以前にこのお便りの中でも少しお伝えしたこともありますが、いまPIECESは資金面で非常に苦しい状況にあります。社会課題が複雑化していく一方で、世の中の支援や寄付の流れは、根本的な課題や仕組みにアプローチする長期的な取組みよりも、目に見えて分かりやすい問題解決や、対症療法的な緊急支援や物資支援などに注目が集まりやすい傾向があります。
私たちが取り組むような中長期的なアプローチにはなかなか資金が集まりにくく、ここ数年大口寄付の件数は減少。社会経済的な変化の影響も受け、一時は最大500名近くいらっしゃったPIECESメイトも、現在は約300名まで減ってしまっているという足元の現実があります。
ちなみにこれは、PIECESに限った話ではなく、NPOセクター全体として今そのような逆風に直面しているという話が、先日の新公益連盟の集まりの中でもなされていました。
もちろんそのような中でも寄付者の輪を広げている団体もあるので、自分たちの頑張りが足りないところもあるのだと思います。それでも、自団体の努力だけでは抗いきれない外部環境の変化の中で、改めて自分たちのあり様・あり方が問われています。
このままの状況では、持続可能な形で組織を運営し、社会に価値を届け続けることはできない。この強い危機感と向き合い続けた結果、私たちは次の10年に向けて、いくつかの決断をすることにしました。
次の10年への決断①:分散から収束へ
決断の1つ目は、事業のアプローチを「分散から収束へ」とシフトすることです。
これまで私たちは、オンラインのCforCプログラムなどを通じて、全国各地の個人の方々に「点」として市民性の種火を届けてきました。しかし、私たちが大切にする「市民性」や「優しい間」の価値は、言葉やオンラインの画面越しだけではなく、同じ時間、同じ空気を共にする「身体性」を伴ってこそ、より深く伝わるものだと改めて実感しています。
そこで、全国に広げるアプローチから一旦舵を切り、東京の多摩市という地域での「面」の実践へとリソースを集中させることにしました。現在、多摩市内にユースセンター機能を持つ拠点をつくるべく、その準備に奔走しているところです。ありがたいことに、このチャレンジを応援いただける資金提供者が複数見つかり、まずは自分たちの手を動かしながら、多摩という地域でリアルな体験や感覚を大切にした「場づくり×人づくり」のモデルづくりに取り組みます。
これに伴い、毎年全国から参加者を募ってオンラインで開催してきたCforCプログラムは休止し、CforCで大切にしてきたエッセンスは、多摩市での人づくりの実践に引き継いでいくことにしました。ゆくゆくは、各地に種火が広がるための仕組みづくりを再開できればと考えていますが、そのためにも、目の前の一人ひとりに価値を届けながら、簡単に消えることのない熱源のような場をつくっていきます。
次の10年への決断②:コミュニティ運営の再編
決断の2つ目は、コミュニティ運営の見直しと再編です。
これまで、CforCのアルムナイコミュニティ、寄付者コミュニティ(PforP)、団体コミュニティ(ひびラボ)など、コミュニティが分散しており、それぞれに日常的な運営のエネルギーを費やしてきました。これを再編し、属性ではなく「市民性」を真ん中に置いた新たなコミュニティの形へと再編していきたいと考えています。
日常的な運営にかけていたエネルギーをシフトさせ、私たちが力を注ぐのは年に一度の「ハレの場」の開催に集約。今年の秋には、10周年を記念するイベントを開催し、その機会を皮切りに「市民性の祭典」(そのままじゃちょっとダサすぎるけど…笑)のようなものを毎年開催していくための構想を練っています。
これまでCforCに参加してくれた修了生の皆さんや、関わってくださったすべての方ともう一度繋がり直す、そんな機会にしたいと企んでいます。単なる内輪のお祝いではなく、社会への旗揚げとして、新たな仲間の輪を広げるための入口にしていきます。
変わるもの、変わらないもの
やり方や形は大きく変わります。それでも、PIECESのコアにある「市民性」や「優しい間」、一人ひとりの存在を大切にするという価値観は全く変わりません。市民一人ひとりが自分と他者のBeing(存在・尊厳・願い)を大切にし合える社会を実現したい、その想いも変わりません。アプローチの方法は変わりますが、そこに宿るものはこれまでと同じです。
次の10年、多摩という地域で、そして新しいコミュニティの形で、PIECESの第2章が幕を開けます。どうか新年度も、少しずつ形を変えながら進んでいくPIECESを面白がり、一緒にワクワクしながら応援・協力を続けていただけたら嬉しいです。
2025年度活動報告会を開催します! ※PIECESメイト限定
今回のお便りでは、「これから」の変化についてお伝えしてきましたが、その変化は「これまで」の積み重ねを通じて生まれてきました。今回のお便りでは十分伝えきれなかった「これまで」について、丁寧にお伝えする機会をつくれればと思い、活動報告会を開催します。
今回は、日頃PIECESの活動を寄付で応援くださっているPIECESメイトの皆さん限定で参加いただける報告会です。各事業に関わるメンバーからの報告はもちろん、メイトの皆さんとのインタラクティブなやりとりをする時間も設けていますので、是非この機会にご参加いただけると嬉しいです。
オンラインにはなりますが、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
▼詳細・申込はこちらから
https://pieces-202604.peatix.com/
2025年度もありがとうございました!新年度もどうぞよろしくお願いいたします!
また次の31日にお会いしましょう。
2026年3月31日 PIECES 代表理事 斎 典道
