活動報告

イラクでワークショップおよび研修を実施します。

PIECESは、特定非営利活動法人 JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)※のイラクでの事業に、トラウマインフォームドケアや、子どもや子どもに関わる人たちの持つレジリエンスをエンパワメントするという観点から関わっています。

この度、10月にPIECESの代表理事小澤がイラクに赴き、JIM-NETのこれまでの知恵や経験、専門性にPIECESの知恵と専門性を重ね合わせて、小児がんの子どもに関わる大人たちが自分たちをエンパワメントし、子どもへの健やかな関わりにつなげていくピアグループのサポート、そして子どもや自分たちのケアの実践に向けたワークショップと研修を行うことになりました。

JIM-NETがイラクにおいて、民族や文化といった様々な異なる背景を持つ方々との協働を丁寧に育んできた土台の上に、PIECESが日本で行ってきたトラウマインフォームドケ、心のケア、市民の力のエンパワメント、子どもへの関わりの知恵を重ね、すでに現地にある知恵や経験、レジリエンスを大切にしながら連携していきたいと考えています。

これまで日本における市民性の経験と知恵を共に耕してきた寄付者の皆さまに向けて、帰国後、報告会を予定しています。参加をご希望の方はぜひお申込みください。

※JIM-NET…イラク小児がん医療支援、シリア難民支援、福島基金(福島の子どもたちを放射能から守る活動への助成)を行うNGO


※今回は寄付者向けへの報告会となりますが、寄付付きチケットをご購入いただいた方にもご参加いただけます。

【イベントレポート】問いのじかん  VOL.2 佐藤慧さん

PIECESがお届けする「問いを贈ろうキャンペーン」。

「問い」を通じて自分や他者、世界に想いを寄せる。その想像力の先に、誰もが大切にされる社会があると信じて、このキャンペーンを行っています。

オンラインイベント「問いのじかん」スペシャルバージョンでは、代表の小澤いぶきが「問い」をゲストとともに深め、考えます。二回目はフォトジャーナリストの佐藤慧さんをゲストにお迎えしました。

佐藤慧さんは、ウクライナをはじめ、これまでに様々な紛争地域を訪れ、平和について考え、発信されています。今回の対談では、慧さんが様々な地域で取材をされてきた経験から考えたことや大切にしていることを伺いました。

佐藤慧さんに答えていただいた「問い」とお返事

問いの答えに込められた想い

問いを受け取ったとき、思い出した二つの出来事について話してくれました。
一つは、パレスチナのガザにいる友人が「空を見るとビクビクしてしまう」と話していたこと。もう一つは、ウクライナで取材をしたとき、お孫さんとともに避難している方が「孫たちにはどんな未来を望みますか」という問いに対して、「平和な空さえあればいい」と答えたこと。

空が平和であることが、非日常になっている人がいるということ、そして平和でない空について子どもたちに問われたとき、私たちは答えを持っていなくていいのかという葛藤を感じられたそうです。
空は世界とつながっている感覚を知れるものだと思っていたが、その空を見上げること自体が、人の持つ暴力性を知るものとなったとき、私たちができることは何かを考えたいと小澤からコメントがありました。

「痛み」と「想像力」の欠如

ガザでは毎年3月に、東日本大震災の犠牲者を悼むために凧あげを行い、「この空はつながっている」というメッセージを送るイベントがあるそうです。佐藤さんはそれを知ったとき、嬉しさと同時に知らなかったことへの後ろめたさを感じたと話してくれました。空を見て「怖い」と思う人が少しでも減って、ポジティブな意味を持つことを願っているとお話してくれました。

佐藤さんは紛争地域などでの取材を通して、人がこんなに簡単に人を殺してしまうのは「痛み」と「想像力」の欠如があるからではないかと話してくれました。一人ひとりの痛みや苦しみを知りたいと思う心の姿勢やその想像力があればブレーキがかかる、それが世界に広がって欲しいという願いを話してくれました。


発信するときに気を付けていること:人の背景にある「縦の軸」と「横の軸」

誰か人と会うとき、私たちはその人に対して、受ける印象や自分なりの思い込みを持ちます。けれど、一歩俯瞰して、その人のこれまでのこと<縦の軸>、その人の横にいる友人や様々な人とのつながり<横の軸>、苦しみや喜びなどを想像することで、その人に対する壁を緩やかにすることができると話してくれました。一方で、戦場や貧困地域などで取材をする際は、勝手に想像して決めつけない、逆に想像できないこともあるという感覚も持つようにしていると話してくれました。

怒りや憎しみなどの負の感情の連鎖はどんどん続いていきます。人々の傍らにある世界を少し想像することで、自分の負の感情を止めて他の人に伝染させないということも、実は世界に対する小さな小さな貢献に繋がっているというお話がありました。

小澤はDialogue for Peopleが発信する記事について、その人が捉えている世界を大切に、分からない世界があることを前提にして書いている印象を受けると話しました。佐藤さんは記事を書くとき、「何のために伝えるのか」ということを常に意識し、声をあげようとしている人に重きを置いていると話してくれました。それを伝えてどんな世界になって欲しいのか、その声を届けてくれた人にとって少しでも生きやすい世界にするためにはどんな記事にすればよいのか、ということを考えているそうです。声をあげようとしてくれる人たちと一緒に、言葉を育んでいくという言葉が印象的でした。


「人権」が当たり前の社会へ

今の時代は特に、人権を社会へインストールすることが大切だというお話がありました。
足りなさを克服することを発展と呼び、便利さが進むことが幸福の尺度になっているが、佐藤さんにとっての幸福の尺度は、一日のうちにどれだけ感謝を感じられたかであるとお話くださいました。何事もあたりまえでないことに気づき、一人ひとりが自分の存在や何かにありがたいという気持ちを感じることができれば、人権が尊重される社会になると話してくれました。

小澤からは、本来当たり前ではないが、日常で当たり前になっていることに気づくメガネをかけることが大切だという話がありました。それと同様に、日常にある「権利」や「差別」に気づくメガネをかけられると、普段気づかなかった身近な権利に気が付けるのではないかという話がありました。
差別とは無自覚さから生まれるもので、自分が差別している側であることも多くあり、それに気づくことは一人では難しい。それに気が付くために、だれかと「問い」を投げかけあうことが必要だと佐藤さんから話がありました。

佐藤慧さんに答えていただいた「問い」とお返事

自分にとって大切な人を大切にする

平和をつくるのは、自分の大切な人を大切にすることの積み重ねであると佐藤さんはおっしゃっていました。
すべての人と仲良くすることはできずとも、その人を社会から排除しないことが重要である。排除しないということが人権や命の価値を考える最低限のベースだと話してくれました。そのためにも、まずは自分の周りの大切な人に笑っていてほしいという身近なところに立ち戻ることが大切だと話されました。
社会全体で排除を生まないようにしていくにはどうしていくべきか、多くの人と考えていきたいと小澤からコメントがありました。

佐藤慧さんからのメッセージ

様々な地域や文化に触れて、「世界はこんなにも多様で、こんなにも自分が知らないものがあるんだ」ということに気づき、「もっともっと色んなものに触れたい」という気持ちを育んでいってほしい。そうすれば戦争ほどくだらないものはないと思えるはず。

佐藤さんの問いのお返事をきっかけに、世界に目を向ける時間になったと同時に、自分の身近なことや人との関わりの大切さに気づく時間にもなりました。当たり前になっていることへのありがたさに気づき、大切な人と手を取り合って生きる自分でありたいなと感じました。

最後になりますが、ゲストの佐藤慧さん、配信を見てくださった皆さん、本当にありがとうございました。

執筆:広報ファンドレイズ インターン 小森佳歩

以下よりアーカイブをご覧いただけます。

PIECES寄付者限定オンラインスペースPiece for Peace 【8月の活動ダイジェスト】

寄付者限定のオンラインスペースPforPの8月の様子をお知らせします。
※PforPは、メイトの皆様が寄付をしながら、社会も自分もwell-beingになることを目指して、イベントの参加やメイト同士で交流できるオンラインコミュニティです(詳細はこちら)。

日常を豊かにし、市民性を醸成するオンラインスペースPforP8月のダイジェスト

Citizenship lab~オンライン読書会を開催しました!

今回は、PforPのメンバーとオンライン読書会を実施しました。「最近読んだ本・おすすめ本の感想シェア会」というテーマで、メイトの皆さんと一緒にそれぞれの紹介する本の内容となぜその本を紹介したいと思ったのかの背景について話していきました。

イベントの中で紹介された本はこちら。

・『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』帚木蓬生著

・『タゴール・ソングス』佐々木美佳著

・『急成長を導くマネージャーの型 ~地位・権力が通用しない時代の“イーブン"なマネジメント』長村禎庸著

・『汝、星のごとく』凪良ゆう著

▶開催概要 8月27日(土) 13:00-14:00

▶「Citizenship Lab」は、”市民性に触れ、市民性を探求する”をテーマに、社会にもっと市民性が広がっていくことを目指し、ゲストの方をお呼びしてそれぞれの分野での市民性について学んだり、メンバー間対話よりこれからのアクションについて考えたりするイベントです。


ふとんで#まどラジオVol.10 【見えないものを見ようとして】

▶今回対話するメイトは?

ミキティ:

フリーランス。NPOピッコラーレ事務局、大学生のカウンセラー、企業の研修講師などをしています。

できることはカウンセリング、ヒーリング、占い。

格闘技が好きでTwitterやyoutubeで常に情報を追っています👀

もうすぐ2児の母!

▶ハイライトpick up!

  • ご自身の「にんしん」をきっかけに、孤立や葛藤は誰にでも起きうる身近なことだと体感したミキティさん。そんなときに「ピッコラーレ」と出会ったとか。ピッコラーレに関わるスタッフさん・利用者さん・寄付者さん、それぞれのエピソードを伺いました。

  • 妊婦さんはマタニティマーク。多様な理由でヘルプマーク。では、一見健康な人が電車の優先席に座っているとき(そして例えば目の前に高齢の方が立っているようなとき)。わたしたちはその場面をどんなメガネで見るのでしょうか。

  • 「見えない何かを持っている方々の集合体が社会だと思う。」その中で、いかに見ようとするか。ミキティさんのそんな姿勢が伝わってくる対話の時間でした。

▶開催概要

・8/26(金)@YouTube

・話し手:ミキティ・まい・ゆいつん

▶ふとんで#まどラジオとは

PIECESメイト同士が、自分の暮らしのサイズ感で市民性について対話するラジオです。

毎月第3金曜夜に20分程度配信します。週末の夜、ゆるゆると聞いてみてください◎


Piece for Peaceへのご参加をお待ちしております。

PIECES メイトのみなさんと、市民性醸成の道を一緒に歩んでいけること、楽しみにしています(単発寄付者の方も、期間限定でPforPに参加いただけます)。


<PforPの今後の予定>

【10/1(土)10:30-11:30@オンライン(zoom)】チェックイン会

毎月第1土曜日の朝に、雑談兼チェックイン(今感じていることなどを話す)会を開催しています。メイト同士の交流にもなりますし、なかなか外で話せないけど話したいことを共有できる時間になりますので、みなさんのご参加をお待ちしております!

「みつめるコース」が終了しました|CforCレポート

プログラムはオンラインにて実施されていますが、一部自主ゼミのみ、対面にて開催されました。

PIECESが行う市民性醸成プログラム “Citizeniship for Chiledren”(略してCforC)。
「地域の子どもたちに自分ができることをしたい」「すでに出会っている子どもたちに寄り添いたい」といった一般市民に向けて、3ヶ月~6ヶ月のプログラムを通じて「私らしい関わり」を探求していくプログラムです。

学びのプロセスに応じた3段階のコースで構成されているこのプログラム。CforCのエッセンスが詰まった基礎編「みつめるコース」は7月から開始し、9月に終了しました。

2022年度は北は山形から南は沖縄まで、30名の方が参加しました。こども食堂や団体を運営している方など自らが中心となって活動している方、ボランティアとして居場所運営に関わる方、これから子どもに関わることをしていきたいという方など、様々な背景を持った方がいます。

講座・ゼミ・自主ゼミから深める市民性

「みつめるコース」は、講座・ゼミ・自主ゼミの3つのプログラムで市民性を探求していきます。
講座では、PIECES代表理事の小澤いぶきをはじめ、アウトリーチ活動を行うNPO法人ビーンズ福島の山下さん、プレーワーカーとして活動する一般社団法人プレーワーカーズ/一般社団法人ジェイス理事の神林さんを講師に迎え、子どもの心のケアや心に寄り添うことについて、事例を交えて学びました。

ゼミでは、安心・安全な場について考えるワーク、自分の価値観や考え方の癖について考えるワーク、子どもへの関わりを探求するワークなど、講座で学んだことをもとに学びを深めました。

自主ゼミでは、自分らしい関わりを探るために自分の強みについて探求するワーク、心で応えるために必要な要素を出すワークなどを通して、講座やゼミでの学びをさらに多角的に探求しました。


「みつめるコース」参加者の感想

安心安全な場を作り出すことの大切さ、実際にどういう場が安全もしくは安全でないと感じるのか、その点の解釈の幅を広げることができました。実際のワークでは、自分とは異なる観点が沢山でてきて、一つの事例をさまざまなレンズで見ることができたな〜と思います。

皆さんから出てくるモノ(オンラインだけど「気」みたいなもの)を浴びることができたみたいです。質疑応答やグループワークで皆さんの話を聞いて、心臓の鷲掴み感を感じました。

「うけとるコース」「はたらきかけるコース」がはじまります

10月からは、子どもと自分の願いや価値観に気づき寄り添う「うけとるコース」、地域で自分らしいアクションを目指す「はたらきかけるコース」がスタートします。
CforCのTwitterアカウントウェブサイトでは、プログラムでどんなことが行われているのかなどの情報を発信しているので、ぜひご覧ください!

イギリス・スウェーデンへ視察に行ってきました。|子どもの権利に関する活動報告

PIECES代表理事の小澤いぶきが、子どもアドボカシー学会が主体となって実施された子どもの権利や意見表明に関する海外視察として、イギリス・スウェーデンに行ってきました。

イギリスでは、子どもの声を様々な方法で聴き、それが子どもを取り巻く環境(家族、学校等、地域や自治体、国の政策)に反映されることを大切にしています。子どもの権利が守られているか、声が聴かれているかなどを独立して調査、把握、提言する機関が機能しています。

子どもの声を聴くことは、常にプロセスであり、聴けていない声もあること、だからこそ、フィードバックをもらいながら改善していく必要があることを政府やコミッショナー、現場の方々が共有しており、子どもの声を絶えず聴き続けようとする姿勢がとても印象的でした。

スェーデンでは体罰禁止法が策定されるまでは、子どもに対する視線が現在とは違ったといいます。体罰禁止法が策定され、それが市民の多くが手に取る牛乳パックなどの媒体を通して日常に認知される中で、子どもが尊厳ある権利主体の一人の人であり、体罰をしなくても育つことが理解され、実践されました。

また、民主主義の価値を育むことが1歳からの指導要領に明記されており、そのためのコアエッセンスである子どもの参画と影響(子どもが周囲や社会に影響ある存在であることを体験する)を、日常の中で体験や遊び、授業を通して学んでいきます。

自分たちの声が聴かれ、応答されること、他者の声を聴き、応答することが、例えば公園や校庭の設計、遊具の設置、保育園での活動にも反映されている光景がとても印象的でした。

PIECESも、誰もが一人の尊厳ある権利主体であるという考えのもと、活動を行っています。特にその権利が見過ごされがちな「子どもの権利」へのまなざしを日々問い直し、海外視察から学んだことを活動に活かしていきます。

※海外視察についての詳しい報告は、子どもアドボカシー学会にて、10月2日18時〜実施されます。
学会登録により参加できますので、この機会にぜひご検討ください。

※PIECESとしての報告会も検討しています。決まり次第、ウェブサイトにてお知らせします。


PIECESは、子どもの周りに信頼できる他者を増やすことで、子どもが孤立しない地域をつくることを目指しています。子どもの孤立が深まる前に、地域の中で子どもを見守り、子どもに寄り添う市民を増やすための市民性醸成に取り組んでいます。

単発でのご寄付や月額寄付者を募集していますので、ぜひご支援よろしくお願いいたします。

【イベントレポート】問いのじかん  VOL.1福田萌さん

PIECESがお届けする「問いを贈ろうキャンペーン」。

「問い」を通じて自分や他者、世界に想いを寄せる。その想像力の先に、誰もが大切にされる社会があると信じて、このキャンペーンを行っています。

オンラインイベント「問いのじかん」スペシャルバージョンでは、代表の小澤いぶきが「問い」をゲストとともに深め、考えます。初回は、タレントの福田萌さんをゲストにお迎えしました。

福田萌さんは現在、シンガポールで生活しながら、児童虐待チーム「こどものいのちはこどものもの」やママのためのオンラインサロンを実施されています。
今回はシンガポールでの生活、子育てから感じる市民性などについて対談しました。

福田萌さんに答えていただいた「問い」とお返事

「いただいた幸せを返したい」という想い

対談では萌さんが現在お住まいのシンガポールで感じる市民性について、伺いました。
シンガポールではお子さんと手をつないで扉を開けようとすると、周りにいる人々が挨拶と共に笑顔でその扉を押さえてくれる、温かい気持ちを沢山受け取っているというエピソードをご紹介いただきました。今回、その方々を思い出し、問いのお返事をくださっています。
シンガポールの人々が温かく接してくれる理由を「その方々自身がそこに居ることを楽しんでいる」「同様の温かい気遣いを受けてきた経験からなのではないか」とおっしゃっていました。温かい気持ちを受け取ることで、萌さん自身も「いただいた幸せを私も返したい」という気持ちが芽生えているとお話くださいました。


違いを認め合う文化

シンガポールで子育てをする中で「多様な人が同じ国で生活していることから『違って当たり前』という文化を感じる」とお話くださいました。会話が円滑に進まなかった際も、理解しようと耳を傾けてくれる優しさがある国だと萌さんは感じているそうです。
相手と接した際に、ラベリングから入るのではなく、純粋な関心から入る特徴があるのかもしれないと小澤は重ねています。子どもを取り巻く環境において、寛容な視点があるということは、SOSを出しやすいことに繋がるという話がされました。

様々な人の視点を入れたまちづくりデザイン

ベビーカーを押していると、ちょっとした段差があるだけで前に進めないなどの経験を通して、母親になって自分が弱者になったような感覚があったとご自身のリアルな想いを伝えてくださいました。
萌さんは、様々な立場の人の視点を持つことが、まちづくりやお店づくりへの新たな気づきに繋がると考えています。小澤も、『もし私がこの人だったら』『この人の経験を社会に繋げるとしたら』という視点を大事にしたいと言及しています。

萌さんからのメッセージ

問いを通じて、自分の状況や自分がされて嬉しかったこと、悲しかったこと、想いを改めて見つめ直すことができています。
是非、問いを通じて、自分の願い、新しい自分を見つけるきっかけにして欲しいです。

シンガポールでの子育てエピソードと共に、新たな視点から「問い」を考えることができた時間になりました。置かれている状況が違えば、感じること、思うことが違うことは当たり前です。
だからこそ、自分の立場を違う人の想いを想像することが、色んな人への安心感や心地よさ、大切にされているという感覚に繋がります。
この時間を通じて、改めて「問い」をきっかけに、自分、地域、世界に対する想像を膨らませていきたいと思いました。

最後になりますが、ゲストの福田萌さん、配信を見てくださった皆さん、本当にありがとうございました。

執筆:広報ファンドレイズ インターン 挽地真央

以下よりアーカイブでご覧いただけます。


次回は、9月16日(金)21:00より、フォトジャーナリストの佐藤慧さんをお迎えし、開催予定です。
PIECES公式SNS(Facebook、Twitter)より、ご自由ご覧いただけます!
YouTubeからご覧いただく場合はこちら https://youtu.be/iBycL-Wakps

また、毎週月・水・金曜日にTwitte、Instagram、LINEにて問いを配信しています。是非、問いを通じて、ホッと一息ついてくださいね。twitterではさまざまな方のお返事もご覧いただけます。

夏休み明け、子どもとのコミュニケーションで大切にしたいこと

夏休みなどの長い休みが終わるとき、普段生活している場所以外の選択があることにほっとしたり、新学期にワクワクしたり、ちょっぴり憂鬱な気持ちになったり、しんどいなぁと感じたり、さまざまな感情が出てくるかもしれません。しんどい、憂鬱だよ、と言えないこともあるかもしれません。

「しんどいな」が埋もれずに、大切にされるためには―

 

子どもとのコミュニケーションで大切なこと

環境が変化する時、わたしたちはいつもとは違うからだやこころのサインを受け取ることがあります。それはとても自然なことであり、わたしたちのもつ力でもあります。

どんな気持ちか、子ども自身も言葉にしづらいことがあります。何かいつもと違うサインが出ているなと感じたときは、以下のことに気を付けて子どもたちとコミュニケーションを取ってみてください。


<言葉かけ>

  • 子どもの感情を否定せずに受け取ってください。子どもは言葉だけではなく、さまざまな形で自分の気持ちのサインを出しています。さまざまな表現を丁寧に受け取り、子どもがどんな体験をしているのかを共有できる安全をつくってみてください。

  • 自身の経験や判断、思い込みをちょっとだけ傍に置いて、子ども自身が何を感じ、どのような体験をしているか、声にしていない心の声に耳を傾けてください。そして、教えてくれた体験や感情に対して、それを共有してくれた勇気への敬意を持ちながら、ジャッジすることなく、「受け取ったこと」を肯定的に伝えてみてください。

  • 子ども自身が「どうしていいか分からない」と感じている場合、立ち止まっている様子がある場合は、そのように感じることもとても自然なこと、そう感じることを共有してくれてありがとうということを伝えてください。そして他の気持ちや感じていることも話したいタイミングで話して大丈夫だということ、どうしていいか分からないことを一緒に考える方法もあるということ、一緒に考えたいと思っていることを共有してみてください。その子が「一緒に考えたい」と感じたタイミングで話してほしいことを伝えてください。

  • 「私以外にも、こんな人に聞いてみたり、こんな場所に行ってみる、こんな選択肢もあるみたいだよ」とうことを、押し付けるのではなく、子どもがどうしたいかを大切にする姿勢で共有するなど、選択肢の情報共有もとても大切なことの一つです。


<行動>

  • 毎日行っていたルーティンや日課を大切にしてみてください。また、規則正しい生活(いつもと同じ時間に寝る、ご飯を食べるなど)は安心感に繋がることがあります。
    すでにやっていること、できていることに目を向けてみてください。歯を磨いた、ご飯を食べた、好きなことをした、漫画を読んだ、疲れたから横になった、深呼吸したなど、私たちは負荷がかかっている時でもたくさんのことをしています。書き出したりリストにしてみることで、目を向けやすくなるかもしれません。

  • 大人が伝えるだけではなく、何より子ども自身の考えや感じていることを聴くことを大切にしてください。今日と明日で意見が変わるのも自然なことです。それを子どもと共有し、安全に声を出していいと思える環境をつくってみてください。

  • 子どもにかかわることは、子どもの考えをまず聴き、話し合って一緒に決めるようにしましょう。

  • 子どもの「やりたい」を尊重する時間を、作ってみてください。

 

子どもの力を信じてかかわる

どんなに小さくても、子どもは尊厳ある一人の人間です。大人がそうであるように、それぞれの考えや視点、感情に耳を傾け、尊重することから心地よいコミュニケーションが始まります。

一人の権利主体であり、尊厳ある「人」として子どもと関わることで、保護者自身の中に葛藤が生まれることもあるかもしれません。ご自身の葛藤も大切にしながら、保護者の方もまた、自分が一人の人として大切にされたり、ケアされる時間をつくってください。

 

書き手:

小澤いぶき

PIECES代表理事・児童精神科医


参考:子どものこころのケアに役立つ資料(兵庫こころのケアセンターより)

https://www.j-hits.org/document/child/


PIECESは、子どもの周りに信頼できる他者を増やすことで、子どもが孤立しない地域をつくることを目指しています。子どもの孤立が深まる前に、地域の中で子どもを見守り、子どもに寄り添う市民を増やすための市民性醸成プログラムを展開しています。

単発でのご寄付や月額寄付者を募集していますので、ぜひご支援よろしくお願いいたします。

みつめるコースがスタートしました|CforCレポート

専門性や経験がなくても、自分にできることで子どもに関わるには?~想いを受け止め合う自己紹介を経て~

子どもに関わるのは専門性を持った専門職、ボランティア活動をしている支援者、そういった限られた人たちだけでよいのでしょうか。

自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい

私たちPIECESが行うCitizenship for Children(略してCforC)は、「自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい」という想いを持った、専門職でも支援者でもない、一般市民向けに行っているプログラムです。

専門職から関わりの視点や知識を学び、仲間とのワークを通して子どもと自分の両者にとってよい関りを探求していきます。

「自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい」、共通した1つの想いを持ち参加者は集まりましたが、その背景には、多様な経験や視点、価値観があります。

異なる経験や視点・価値観を持つ人たちが対話を重ね共に学びあう。その営みによって新たな視点が生まれ、子どもの想いや願いに対する仮説も広がっていきます。

しかし、自分とは異なる意見を受け止めることは簡単ではありません。意見の背景にある想いや願いを想像して受け止めることが必要になるため、CforCでは互いに受け止め合うことを大切にしています。

互いの想いを受け止め合う自己紹介

プログラムの始めに、約100分の時間をつかった自己紹介を行います。一般的な自己紹介では、名前や出身地、普段していることなどの情報だけが語られることが多いですが、この場ではCforCに至るまでのあなたの物語について語ってもらいます。

辛かった自分の過去がある、新たに一歩踏み出したい、現場での葛藤がある。参加者それぞれの想いを受け止め合う時間は、これからのプログラムに欠かせない基盤になっていきます。

ゼミの後半では事例を用いて、子どもにとって安全と感じられるのか、安全と感じられないのであればそれはどうして?ということについて意見を出し合いました。

当日の内容について、2名の参加者の感想を共有します。参加者目線からどんなふうに感じたのか、ぜひご覧ください。

参加者の感想①(いっちゃん)

今回、初めての方々との自己紹介。リアル、オフでも自己紹介をする場は結構ありますが、一人5~7分の長い自己紹介はするのも、聞くのもないので新鮮でした。また、みなさん、大きくはCforCという同じテーマや目的意識で集まっているのに、ポピークラスの中だけでも、動機やバックボーンや性格(考え方)がバラバラで面白いなと改めて。

例えば、「子どもに対して何かすること」に、すごく責任感、恐怖心まで持っている慎重な姿勢の人もいれば、良い意味で肩のチカラが抜けていて「自分が楽しいことを」「自分がやってもらって嬉しかったことを」「自分が自由に生きたいことの延長線上にある」という人もいる多様さで、小澤さんがおっしゃっていた「一人の子どもに複数のいろいろな大人が関わることの大切さ」というのはこういうことなんだろうなと思いました。

参加者の感想➁(Mさん)

安心安全な場を作り出すことの大切さ、実際にどういう場が安全もしくは安全でないと感じるのか、その点の解釈の幅を広げることができました。

実際のワークでは、自分とは異なる観点が沢山でてきて、一つの事例をさまざまなレンズで見ることができたな〜と思います。
同時に、実践の場で他者を巻き込みながら安心安全の場を展開していくことの難しさとも葛藤しています。

葛藤すること自体は悪いことではないと思うので、まずは3ヶ月マインドセットという形と通して、その葛藤とうまく付き合っていきたいです

1人の子どもに多様な大人が関わる

仲間の想いを聞くことで、自分にしかない視点や価値観があるということに気づきます。
専門職や支援者だけでなく、多様な市民1人ひとりが想いを形にして、子どもや地域・社会と関わる。そうすることで、子どもだけでなくみんなが暮らしやすい地域になるのではないでしょうか。

【PIECES活動報告会レポート】子どもが子どもでいられる社会のつくり方

 2022年7月22日にPIECESの活動説明会を開催しました。スピーカーはPIECES理事の斎が行いました。
子どもを取り巻く「孤立」の現状やPIECESが考える「市民性」など、活動説明会の内容をご紹介します。

斎とPIECES  

 児童養護施設にて施設で生活する子どもたちの息苦しさに直面したときたとき、子どもたちのケアと同時に、地域に信頼できる大人を増やすことが必要ではないかと考えました。そのようなことを考えていた時期に、現PIECES代表である児童精神科医の小澤いぶきと出会ったことがPIECESを始めるきっかけとなりました。

 最前線で子どもと関わっていた二人が、「子どもたちが安心できる社会をつくる」という大きな目的を持っていたことがPIECESの始まりです。私自身も子どもと関わる現場で働く中で、地域の大人の力が必要であると感じる場面がいくつもありました。そのような経験を通して私自身も、子どもと大人が優しい関係性を持つ重要性に共感しています。

  

子どもを取り巻く「孤立」の現状

 ユニセフの調査によると、日本では29.8%、10人に約3人の子どもが孤独を感じています。この数字はOECD諸国で最も高く、我が国において子どもの「孤立」は大変懸念すべき問題です。そもそも子どもの孤立とは具体的にどのような状態なのでしょうか。PIECESは、困ったことやしんどいことがあったときに、頼ったり助けてもらえる環境が子どもの周りにないことを、子どもの孤立と考えています。適切なケアを受けられなかった子どもは、人への信頼感がなくなる・自分を大切にできなくなるなどの悪循環に陥ってしまい、心の孤立が深まってしまいます。そして人に頼ることができずに、苦しみを自分一人で抱え込んでしまいます。

PIECESの取り組み

 PIECESは、自分を大事にしながら相手を尊重する「優しい”間”」を大事にしています。専門職でなくても「子どものために何かしたい人」が多くいること、そして彼らが悩みながらも子どもの心に寄り添いながら自分自身と対話することで、PIECESにて優しい間が生まれました。親でも先生でもない「市民」による関わり、そして各々の「市民性」を醸成することが、自分を大切にし相手を尊重できる優しい間を増やすとともに、少しづつ社会を良くするパワーに変わっていくと考えます。

 私も苦しい時に気兼ねなく相談できる人がいたおかげで、安心できるとともに前向きな気持ちになった経験があります。そして、相談できるという安心感は、子どもたちにとっても同じものであると思いました。私も地域に生きる市民として、優しい間作りに参加していきたいと思っています。

市民性を醸成するプログラム「Citizenship for Children」

  PIECESでは、子どもに何かできることをしたいと考えている人、地域・社会との関わりを探している人に向けたプログラム「Citizenship for Children」(以下「CforC」)を提供しています。CforCは、子どもの心に寄り添うだけでなく、自分たちの心地よい関わりを探求し、自分にできるアクションを考えることを経て、市民性の醸成を達成することを目指しています。言い換えれば自分も社会もwell-beingになるためのプログラムです。

 CforCでは、専門家の講座で知識を得る、仲間と思考を深める、そしてアイデアを形にするなど多様な学びのプロセスを体験する中で、自分にできることを探求していきます。子どもとのかかわりには正解がないからこそ、様々な人の声に耳を傾けながら、学び続け、問い続けることが重要であると考えます。また修了生は各地で独自のプロジェクトに取り組むことで、地域での暮らしを豊かにし、子どもたちと共に優しい間を作り上げています。

 CforC参加者の中には、同じ志をもった仲間と出会えたことで自分にも子どものために何かできると思えるようになったという声がありました。優しい間から生まれる市民性は、子どもの孤立を防ぐだけでなく、大人にとっても人との繋がりを感じることができる機会となるのではないでしょうか。

 そして参加者は累計で166名、2021年は64名と過去最大規模となりました。
これからはCforCのノウハウを広げていくことで、市民性の醸成をさらに進めていき、全国各地に子どもが孤立しにくいコミュニティが生まれるように働きかけていきます。

PIECESの組織について

 PIECESへの関わり方はCforCだけではありません。運営活動にコミットしていただいている方や寄付という形で応援していただいている方、多様な関わりがこの団体を支えています。

 またPIECESでは以下の4つのことを大切にしています。

①自己と他者を尊重するコミュニケーションを心がける
②多様な価値観に耳を傾ける
③心から動く
④ひらかれたweのマインドを持つ

私たち自身が日々価値観をアップデートしていき、自分たちの市民性を育んでいく。そうして作られる優しい間を社会に還元していくことを目指す団体です。

最後に

ここ数年の社会情勢の変化で、私がなんとなく思っていた当たり前は、当たり前じゃないのかもしれないと思うようになりました。「子どもはどう考えているのか」「自分には何ができるのか」たくさん考えて問い続けながらPIECESの活動に参加しています。
こんな時だからこそ、色々な背景を持つ人々と触れ合い、多様な価値観に目を向けることが、子どもたちのためにも、社会のためにも、そして自分のためにも必要なのではないかと思っています。

最後となりますが、活動説明会に参加していただいた方々、誠にありがとうございました。

執筆:広報ファンドレイジング インターン 大久保勇吾

【PIECES ROOMレポート】小澤いぶきが今聞きたい、あの人の市民性 | VOL.2 犬山紙子さん

PIECESを応援してくださっている各界の著名な皆さまと一緒にライブ配信を行う「PIECES ROOM - 小澤いぶきが今聞きたい、あの人の市民性 -」の第2回を開催しました。

PIECES ROOMは、市民性の意味や、市民性の先にある優しい間が広がる世界について、PIECES代表の小澤いぶきとゲストの方が語り合う配信です。

第2回ではゲストに、イラストエッセイストの犬山紙子さんをお迎えしました。

子育て真っ最中という共通点から、実際のエピソードやそこで感じたことを中心に対談が進みました。こちらのレポートでは、配信の内容を簡単に紹介します。

専門家でない大人にもできることがあるはず

 コメンテーターとしてもご活躍されている犬山さんは、児童虐待の解決に取り組む「こどものいのちはこどものもの」としても活動をされています。日々子どものニュースに触れる中で、選挙権を持っているのは大人、子どもの意見や気持ちを汲み取ることも大人が積極的に取り組んでいく必要があるのではと感じられたそうです。「子どもに向けて、専門家でない大人にもできることがあるはず」「橋渡し、手を繋ぐ存在になっていきたい」とお話くださいました。

子どもたちから学ぶ市民性

小澤からの「市民性を感じた瞬間はあるか」という問いに対し、お子さんが1歳のとき、電車の中でぐずり始めた際に、小学生の男の子があやしてくれたエピソードをお話くださいました。お子さんだけでなく、犬山さんご夫婦もその小学生の行動に嬉しさを感じたとお話くださいました。小澤は、子どもたちといるとハッとする気づきがある。子どもたちの率直さが、人と境界線なく関わることを可能にしていると言及しました。

「わたしはここに居ていいんだ」という感覚

 市民性を発揮するには頑張る必要がある、と感じられる方もいらっしゃっるかもしれません。でも小さなことでも相手に安心感を与えることができると小澤は考えています。産後、犬山さんはあるお仕事の現場にて、子育て経験のあるスタッフの方が仕事をしやすい環境を整えてくれたエピソードをお話くださいました。「この気遣いが、『子育て中でも、わたしはここに居ていいんだ』という気持ちに繋がった。自分自身が救われた。」とお話くださいました。小澤は、「わたしはここに居ていいんだ」という感覚を連鎖・手渡しされる環境が生まれることへの願いを重ねました。

市民性の循環

続けて犬山さんから、小さなお節介を行っていくことが大事だと感じているとお話がありました。「子育てを経験することで、子育てに対する解像度が上がり、子どもに対する”市民性”が変わってくるのかもしれない。しかし、体験したくとも体験できないこともあるということを踏まえると、「考える教育」が必要だと感じている。そして、これは子育てだけではなく、マイノリティな分野に対しても当てはまる」とお話くださいました。また大人が姿勢を見せていくことも大切だとおっしゃていました。

犬山さんからのメッセージ

「センセーショナルなニュースを見た際に、怒りの感情が湧くことは起きてもいいこと。その上で、一度立ち止まり、予防するために自分なりにできることを考えることも大切なのではないか」とメッセージをくださいました。

リアルな子育てエピソードと共に、市民性について改めて考えることができた時間になったのではないでしょうか。「私はここに居ていいんだ」という感覚は、誰かの小さな気遣いから生まれていくものです。受けた気遣いが、次に誰かへの気遣いに繋がっていく、連鎖していく、その先に優しい未来が待っています。日々の生活において、自分を大切にしながらも、周りに対しての気遣いを持ち続けていきたいと改めて思えた時間でした。

PIECES ROOMの配信はアーカイブとして残っています。配信に興味を持ってくださった方はぜひ見てみてください。また、PIECES ROOMは様々なゲストをお迎えして、定期的に配信予定です。ぜひ今後もチェックしてもらえると嬉しいです。

最後になりますが、ゲストの犬山さん、配信を見てくださった皆さん、本当にありがとうございました。

執筆:広報ファンドレイズ インターン 挽地真央


6周年募金キャンペーン終了のご報告

2022年6月1日から7月31日までの1ヶ間で実施した、6周年募金キャンペーンが終了しました。

目標であった150万円を超える1,806,250円ものご寄付をいただくことができました。ご寄付やシェアといったさまざまな形で応援いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

185名もの方々が寄付という形で、PIECESと共に「子どもが孤立しない社会」を目指した活動を、そして優しい間を広げてくださることを大変心強く思っております。

みなさまからのご寄付は、様々な背景によって子どもたちが社会的に孤立することを防ぐ活動や、PIECESが行っている市民性醸成プログラムの運営などに、大切に活用させていただきます。
いただいたご寄付や想いが、私たちの活動を通して子どもたちに届いていくように、これからも活動に取り組んでまいります。

子どもの暮らす世界に生きている私たちは、子どもの暮らしに、子どもの今に、子どもの未来に影響しています。私たちが子どもと共にあるとはどういうことなのか、子どもも自分も大切にされるとはどういうことか、これからも皆さんと共に問い続けたいと思います。

皆さまからいただいた温かいメッセージ

ご寄付と共に、たくさんの応援メッセージをいただきました。その一部をご紹介させていただきます。

2022年6月にPIECESは6周年を迎えました。これまでも、そして今もこれからも、PIECESは市民の皆さまと共に歩みを進めていきたいと思っております。
いつも私たちの活動を共に耕してくださる皆さまに、改めて感謝申し上げます。

7年目を迎えたPIECESもどうぞよろしくお願いいたします。

2022年8月3日

認定NPO法人PIECES スタッフ一同

【PIECES ROOMレポート】小澤いぶきが今聞きたい、あの人の市民性 | VOL.1 鬼丸昌也さん

PIECESを応援してくださっている各界の著名な皆さまと一緒にライブ配信を行う「PIECES ROOM - 小澤いぶきが今聞きたい、あの人の市民性 -」が初回を迎えました!

PIECES ROOMは、市民性の意味や、市民性の先にある優しい間が広がる世界について、PIECES代表の小澤いぶきとゲストの方が語り合う配信です。

初回のゲストには認定NPO法人テラ・ルネッサンスの創設者である鬼丸昌也さんをお迎えしました。配信の内容を簡単にご紹介します。


自分たちの行動で社会を変えられる 

テラ・ルネッサンスは「すべての生命が安心して生活できる社会(世界平和)の実現」を目指して、活動されています。海外の『地雷』『小型武器』『子ども兵』の課題に対する現地での直接的な支援活動に加え、国内では『平和教育』を中心とした啓発活動に取り組まれています。
鬼丸さんから「海外でおきていることが自分たちも関わっていることを知ると心が痛むかもしれない。でも逆から捉えれば、自分たちの行動で社会を変えていけるということだ。」というお話がありました。「自分たちにも責任があるということは行動次第では希望があるとも言える」、「微力ではあるけれど、無力ではない」と伝えてくださいました。


市民性の獲得は旅である 

小澤からは市民性を広げようとしているものの、自分自身も不完全であるという話がありました。鬼丸さんは市民性は旅であると言えるのではないかと指摘してくださいました。そして「PIECESの市民性は優しい。優しさはおとなしいとは違い、躍動的だということ」と表現してくれました。PIECESはメイトをはじめ、関わっている皆さんが仲間であり、その輪が市民性を体現していると共鳴しました。


相互尊重・相互学習・相互支援

市民性を支援者・被支援者として関わることではなく、1人の人として関わることであると考えています。テラ・ルネッサンスで大切にしている「相互尊重・相互学習・相互支援」という価値観の紹介があり、活動の中、日常の中で体験した相互での関わり・学び合いについていくつか言及していただきました。
私たちの尊厳は「目に見えないインフラ(優しさや関心、信じてもらうことなど)」に支えられていることを改めて実感しました。


寄付の意味 

鬼丸さんはPIECESのメイトとしても関わってくださっています。そんな鬼丸さんにとって寄付とは「社会への投資でもある。ただもう1つ大事な意味として、自らを見つめ、自らを変える手がかりになることがある」、「寄付をすることによって私と社会の関係に気づくことができ、自分の中に社会性が生まれ、それは自尊心につながる」とお話しくださいました。また、PIECESのメイトでいてくださる理由としては、PIECESが面白そうだからということ、PIECESがやっていることはわかりにくいからこそ支えるべきだと思っていることを挙げてくださいました。


鬼丸さんからのメッセージ 

「思いがけないことがおきても、絶望があふれた社会に絶望する必要はない。自分の内側の希望にフォーカスすることや、自分ができたこと・やろうとしていることにフォーカスすることが大切である。」と温かいメッセージをくれました。



初回のPIECES ROOM、市民性に向き合うとても素敵な時間になりました。様々な出来事やニュースに出会うと、自分の無力さについ絶望してしまうことも多いと思います。ですが、私たちは相互に関わり合う存在です。自分次第で社会を少し変えることができる、それは希望があると言えることに気づいた時間でした。絶望した自分の気持ちを抱きしめながらも、そこには希望があるかもしれないという視点を持ち続けようと思えました。
PIECES ROOMの配信はアーカイブとして残っています。配信に興味を持ってくださった方はぜひ見てみてください。

また、PIECES ROOMは様々なゲストをお迎えして、定期的に配信予定です。ぜひ今後もチェックしてもらえると嬉しいです。
最後になりますが、ゲストの鬼丸さん、配信を見てくださった皆さん、本当にありがとうございました。

執筆:広報ファンドレイズ インターン 小森 佳歩


次回開催決定!

イラストエッセイストの犬山紙子さんをゲストに「子育てを通して感じていること」「子どもの権利」などについてお話します。ラジオ感覚で、お気軽にご視聴ください!

【ライブ配信概要】

日時:7月27日(水) 21:30-
場所:Facebook / YouTube / Twitter 同時ライブ配信
申し込み:不要
※各SNSからご自由にご視聴いただけます。

※YouTubeリンク:https://youtu.be/IG6AEMzRasA

【イベントレポート】「ひとりひとりの手元から未来をつくるー市民として生きるって、どういうこと?」を開催しました。

PIECESは今年6月に設立から6周年を迎えました。PIECES設立6周年を記念して、6月25日(土)に特別トークセッションを開催しました。
モデレーターに評論家・ラジオパーソナリティの荻上チキさん、スピーカーに一般社団法人 NO YOUTH NO JAPAN代表理事・ハフポスト日本版U30社外編集委員の能條桃子さんをお招きしました。

モデレーター:荻上チキさん
評論家・ラジオパーソナリティ

メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。NPO法人「ストップいじめ!ナビ」代表、「社会調査支援機構チキラボ」所長。出演「TBSラジオ・荻上チキsession」、著書『ウェブ炎上』『いじめを生む教室』『みらいめがね』など

スピーカー:能條桃子さん
一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事・ハフポスト日本版U30社外編集委員

1998年生まれ。若者の投票率が高いデンマーク留学をきっかけに、2019年7月政治や社会の情報を伝えるInstagramメディアNO YOUTH NO JAPANを立ち上げ、団体創設。「参加型デモクラシー」ある社会をつくっていくために活動を展開。団体近著に『YOUTHQUAKE~U30世代がつくる政治と社会の教科書~』ジェンダー、気候変動に関心

PIECESは設立当初から「こどもがこどもでいられる社会」を目指して、活動を行ってきました。こどもがこどもでいられる社会は、わたしたち大人が自分として生きていける社会から生まれるものかもしれません。

当日は小澤いぶきからPIECESの活動紹介、能條さんからNO YOUTH NO JAPANの活動紹介の後、荻上さんをを含めた3名で、”私たちが生きやすい社会とはなにか”について、市民性(シティズンシップ)をキーワードにセッションを行いました。このレポートでは、セッションの要点をご紹介します。


市民性を考える

最初に荻上さんから”市民性”というキーワードを歴史の経緯から整理していただき、まずはそれぞれが考える市民性について考えを深めました。

能條さんからデンマークへの留学経験から、日本と海外の市民性の違いについて「デンマークでは小さなコミュニティの延長に大きなコミュニティがあるという意識がある。小さなコミュニティを変える経験を持っているからこそ、大きなコミュニティも変えられるという考えを持っている人が多い。」という話がありました。
小澤からは「日本でも何かしたいと思っている人は多いけれど、それをやってみるハードルが高くなっている。エンパワーメントする環境が必要ではないか。」という話がありました。

社会を変えられるという意識を持つ

社会を変えることはできないという考えを変えるためには「知識」と「統制感覚」が必要であると荻上さんがお話しくださいました。「知識」とは社会との関わり方を知っていることだけでなく、それを手段として実行できる環境があることも必要です。そして「統制感覚」とは社会をコントロールできる、という感覚のことです。ここでは統制感覚を持つためには何が必要か話しました。

能條さんからは、自身は統制感覚を持つことが出来る経験や仲間を得ることができたから、今活動できているという話がありました。身近に統制感覚を持つための種となる経験が大切になってくると荻上さんに付け加えていただきました。

また小澤からは、自分の人生は自分でつくっていけると知る経験には格差があるのではないかという話があり、自分で選択をしていけると気づくことが、最終的には社会を変えることができると思える市民性につながっていくということが話されました。

社会に対して関わろうとする

荻上さんから子どもに対して将来の夢を聞くことについての言及がありました。”将来の夢”は就きたい職業のことを指す場合が多いです。そうではなくて、「自分が将来どうなりたいか」と「どういう社会をつくりたいか」の2つを一緒に考えるべきではないかとお話がありました。ここでは、どうすれば社会と関わろうという考えに至るのか話されました。

能條さんはNO YOUTH NO JAPANの活動を始める経緯について、特にデンマークへの留学経験をもとにお話しくださいました。「デンマークに惹かれたのは、誰か優秀なリーダーがいることではなく、民主主義が実現されていること、対話が実現されていることだった。対話があることで自分が無視されないという経験ができる」と指摘されました。また、荻上さんの話を踏まえて、能條さんからは社会に対して何をしたいかという問いをされることの大切さを気づきとしてあげられました。小澤からはその問いを考えることが共有感覚を育むことにもつながるというお話がありました。

質疑応答

ご参加いただいた方からは様々な視点からご質問をいただきました。
「若者の政治参加を考える上で、新しい政治モデルとして何か考えられることはないか」「子ども自身が自分の声に気づくためにはどうするべきか」といった質問がありました。

子どもや若者の声を聞く政治モデルについての話、子どもをジャッジしないことの大切さなど、話をさらに深めていただきました。

参加者の声

以下、ご参加いただいた方からの感想を一部ご紹介します。

・とても優しく子どもがほっとする活動をされていると感じました。子どもは宝と私は思います。未来の大人をみんなでしっかり支えて、過ごしやすい社会になればと思いました。

・能條さんの、自分の力で何かを(校則など)を変えられる経験を学校で積む、と言うお話しが印象的でした。わたしが子どもの頃は、何かおかしいなと思ったら自分の状態を変えるだけで、外に対しては全く意識が向きませんでした。外を変えてみる発想にすらならなかったと記憶しています。今はどうかな、と自分を見つめるきっかけになりました。

「政治体制ではなく、在り方としてのデモクラシー」が印象的でした。個人が尊重される環境に身を置くからこそ、自分も他者も価値ある存在だと実感できるからこそ、失敗はあれど学習性無力感に陥ること無く現状を変えようと行動できる。このように自分や他者に未来があると想像できること、その未来に希望を持ち行動できること、それはとても幸せなことだと私は思います

・今回お話しくださった皆様の姿勢から、ありたい社会を実現させたいと願う自分自身を肯定したり応援したりすること、そしてそれを実現させる為の知識とセンスオブコントロールの必要性を感じました。まずはそこからなのだろうと思います。この度はこのような場を開催くださりありがとうございました。

市民性を醸成するとはどういうことか、何が必要なのかを改めて深く考える時間になりました。
異なる分野で活躍されている3名だからこそ、色んな視点から市民性について考えることができ、わたしたちが社会と関わり続けるためには、関わろうと思えるための種を得られる環境が必要であると感じました。

このイベントに参加すること、市民性について考える時間を持つこと、それ自体が市民性を醸成すること、社会と関わることになったと思います。ぜひこれからもみなさんと市民性について考え、対話する時間を持っていきたいと思います。

最後に話題になりましたが、登壇してくださった荻上さん、能條さん、そして参加してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

執筆:広報ファンドレイズ インターン 小森 佳歩

ショックな事件に対して、私たちの心を守るためにできること

事件や事故の情報に触れることは、心身に大きな負荷を与えます。
子どもたちはもちろん、大人である私たちが心を守り、知らないうちに心を傷つけないためにできることをまとめました。

報道されたことに対してショックなどを受けたり心を痛めたり過覚醒になっている場合の対応

・情報から離れる

・深呼吸をするなどのリラクゼーション

・日常のやることを行う

・誰かに相談する

このような報道で、ショックを受けたり何か過去のことを思い出して動悸がしたりつらくなったり、社会が安全でなく感じることがある。これはとても自然なことです。

起こったことが気になるのもとても自然ですし、いろんな感情がわいてくるのも自然なことです。

こころがざわざわする、落ち着かない、前の嫌なことを思い出す、イライラする、何かに手がつかない、身体が緊張している、呼吸がはやい、動悸がする、やる気が出ない

などいつもとちょっと違ってしんどいなというときは、ニュースから離れましょう。

誰かと話す、深呼吸をする、ゆっくりお風呂に入るといった、ケアをしながら普段の日常を取り戻しましょう。

自分は大丈夫と思っていても、情報に触れ続けずに、情報から定期的に離れる時間をつくってください。

衝撃的な映像や、誤情報、特定の属性への非難等の拡散を深呼吸して保留するのも、自分や周りを守ることにつながるかもしれません。


参考となる記事やツールを掲載します。ご活用ください。

●事故や災害が起きたときのケアについて 〜 子ども「心」のケアの視点から 〜

https://note.com/ibukiozawa/n/n8a7351179ee4

●大規模災害、事故などの直後に提供できる、心理的支援のマニュアル

「サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き 第2版」

https://www.j-hits.org/document/pfa_spr/page1.html

●子どものこころのケアに役立つ資料(兵庫こころのケアセンターより)

https://j-hits.org/document/child/

こども家庭庁準備室のアドバイザーに就任しました。

PIECES代表の小澤いぶきが、こども家庭庁設立準備室のアドバイザーに就任しました。

子どもたちを取り巻く環境には、保護者や保育者・教育者だけでなく、誰もが関わっています。
児童精神科医である小澤の専門性に加えて、NPOの取り組みやさまざまな地域、国への関わりを通して出会ってきた大切な知恵とつながりを生かしていきたいと思っています。

子どもが尊厳を持つ一人の人として、その権利を私たち、そして子どもたち自身も学び、体験する子どもの参画プロセスを通して、権利が大切にされる仕組みと文化醸成へ貢献していきます。

また、トラウマインフォームドケア・レスポンシブケア・スペシフィックケアへの取り組み、年代別のメンタルヘルスへの取り組み、wellbeingの視点からの環境づくりを関わっていきたいと思っています。

※こども家庭庁に関する情報はこちらからご覧いただけます。


2022年6月に6周年を迎えたPIECES。
これからも「市民」の可能性を信じ、子どもたちの周りに信頼できる市民を増やしていきたい。

この夏、150万円の寄付を集めています。

皆さまのご寄付が地域で子どもに関わる市民の学びを広げ、子どもたちの力になります。
ぜひ寄付で活動を応援してください。

子どもアドボケイト養成講座の講師およびアドバイザーを務めています。

「一般社団法人子どもの声からはじめよう」が中心となり、2020年より始まった「子どもアドボケイト養成講座」。
子どもアドボケイトは、子どもの声に耳を傾け、その声を必要な大人に伝えることができるようにサポートする人です。子どもアドボカシーの理念や、アドボケイトに求められる知識やスキルを学ぶ講座に、PIECES代表理事の小澤いぶきが講師およびアドバイザーとして関わっています。

子どもとともに優しい間を紡ぐ社会は、子どもも私たちも、一人一人が尊厳ある一人の人として権利を尊重しあえる社会でもあります。
尊厳ある一人の人として、子どもの権利が尊重される社会の実現に向けて始まったこの講座に、そして子どもアドボケイトが文化となる土壌に、今後も貢献していきたいと考えています。

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一般社団法人子どもの声からはじめよう
子どもの権利を尊重する社会の実現に向けて社会的養護経験者の教員、児相職員、会社員、大学生のメンバー中心に2018年に勉強会、政策提言のプロジェクトとして発足。
勉強会、政策提言ワークショップ、子どもアドボケイト養成講座を開催、2021年6月からは児童相談所での訪問アドボカシーの実践をしています。

PIECESメイト限定オンラインスペースPiece for Peace 【5月の活動ダイジェスト】

寄付者限定のオンラインスペースPforPの5月の様子をお知らせします。
※PforPは、メイトの皆様が寄付をしながら、社会も自分もwell-beingになることを目指して、イベント参加、交流ができるオンラインコミュニティです(詳細はこちら)。

日常を豊かにし、市民性を醸成するオンラインスペースPforP5月のダイジェスト

Citizenship lab ~メイトアクション探求編~

5月は、メイトアクション実践編ということで、これまでゲストの皆さんのお話から得た気づきなども生かしながら、実際にメイトの皆さんで取り組んでいけそうな市民性を広げていくアクションを考えていこうという企画を行いました。

皆さんそれぞれの視点から様々なアイデアが出てきましたが、もっと深く知りたいと関心が集まったのは、”マイクロ書店”と呼ばれる取り組みでした。”マイクロ書店”は、近年様々なコミュニティースペースの中に設けられることが増えてきている、小さな本屋さんを営むような取り組みです。

このような”マイクロ書店”をメイトの皆さんで運営して、その収益の一部をPIECESへの寄付につなげたり、その書店の中でPIECESの活動紹介をしたりという取り組みができるかもしれない!という話になりました。まずはその取り組みを実際に見に行きたいということで、次回は実際にマイクロ書店を個人で運営しているメンバーのスペースを覗きにいくことに。そこから具体的にこれから何かできるかを考えていこうという話になりました。

▶開催概要

5月20日(金) 21:00-22:00

▶「Citizenship Lab」とは

”市民性に触れ、市民性を探求する”をテーマに、社会にもっと市民性が広がっていくことを目指し、ゲストの方をお呼びしてそれぞれの分野での市民性について学んだり、メンバー間対話よりこれからのアクションについて考えたりするイベントです。


HIPAHIPA! まどラジオ〜HIPAHIPAweek編〜 運営の裏側

今回のHIPAHIPAまどラジオは、年に2回のリアル×オンラインのお祭り「HIPAHIPA week」の1コンテンツとして行いました。今回は4名のゲストをお迎えし、それぞれの実践と運営しているからこその悩みを対話しました。

今回のハイライト

・協力者の巻き込み方とモヤモヤ

・活動を評価してくれた人からの「こうしたら?」という期待にどう応える? ・「続けないんですか?」という言葉の嬉しさとモヤモヤ

・発起人がいないプロジェクトは、「らしさ」を保てるのか

▶開催概要

5/5(木)Facebookライブ+対話回参加者4名

▶HIPAHIPAとは
子どもたちとの関わり方や市民性についてみなさんと考える対話イベントです。地域で活動している仲間の話を聞いて共に考えるゲスト回、こんなときどうする?ということを共にテーマから考える対話回があります。


ふとんで#まどラジオ【vol.07 “PIECESに共感するわたしたち”に開いたとびら】

▶今回対話するメイトは?

彩さん:

医療系のライター・編集者としてお仕事をする中で、小澤と出会い、PIECESを知ったという彩さん。

今回は、彩さんが運営しているヘルスケアコミュニティ・SHIPとPforPとを比較しながら、改めてPforPというオンラインスペースがどんな場所なのか紐解いていきました。

▶ハイライトpick up!

  • 子どもの孤立は専門分野ではないからこそ、PIECESに少額でも継続寄付し応援し続けているという彩さん。PIECESに託したい思いや今後やってほしいことを語っていただきました。

  • PforPができたことで、PIECESとメイトとの距離感が大きく変化しました。一方向から双方向のコミュニケーションへ、またPIECESとメイト間だけでなくメイト同士でのつながりへ。シナジーが生まれやすくなったPforPという土壌に今後の期待を膨らませつつ、対話を深めていきました。

▶開催概要

・5/20(金)@YouTube

・話し手:彩・なつこ・ゆいつん

▶ふとんで#まどラジオとは?

PIECESメイト同士が、自分の暮らしのサイズ感で市民性について対話するラジオです。

毎月第3金曜夜に20分程度配信します。週末の夜、ゆるゆると聞いてみてください◎

(毎回違うメイトが対話をします。対話したい方、大募集!)


Slackでの話題 pick up!「子どもに寄り添う人のための休憩所」がスタート

PIECESメイトで、Citizenship for Children2021修了生のゆきえさんが「子どもに寄り添う人のための休憩所」をオンラインでスタートしました。

きっかけは、ゆきえさんが中学校の相談員をされていて、教師でも専門職でもない立場での活動は孤独を感じたこと。「誰かに聴いてもらいたい。共感してもらったり、アドバイスをもらったりすることができたら、心強いな。そんな場所がほしいな。」と思った経験から悩みを打ち明けあったり、一緒にもやもやしたり、共感し合ったりできる場をオンラインで始めました。

◎こんな方に来て頂きたいです!(参加者募集中!)

・子ども食堂、無料塾、支援施設、遊び場などさまざまな子どもが関わる場所で活動している方

・これから子どもの居場所に関わりたいと思っている方も大歓迎!

さまざまな子どもの居場所で活動している方の話を聞くことで、これからの自分の活動場所を見つけるヒントにもなるかもしれません。

開催日:月1回(日曜午前中を予定)

PforPに参加している方だけではなく、Citizenship for Children修了生も参加しています。 子どもの居場所作りに関わっている方、これからなにかしてみたいなという方、ぜひオンラインで語りませんか。


Piece for Peaceへのご参加をお待ちしております。

PIECES メイトのみなさんと、市民性醸成の道を一緒に歩んでいけること、楽しみにしています。


<PforP6月の予定>

【6/14 (火)21-22時@zoom】小澤いぶきイラク近況報告会 〜Citizenship Lab特別編〜

今回は、Citizenship Lab特別編として、代表の小澤による近況報告会を開催します。例えば、小澤が関わるプロジェクトでは、クルド、シリア、イラクの難民の子どもたちが化学兵器の影響で小児がんになっている状況を受けて、子どもたちのニーズや願いを聞き、子どもの周りの保護者・保護者を取り巻く大人たちが子どもとの関わりを実践するための、トラウマインフォームドケアのWS(3日間)及び、保護者の方々がお互いにこどもへの関わりや心のケアを学び合い、エンパワメントし合うピアグループ立ち上げを現在計画しています。このように、これまでやってきたことや現地での声などを共有する時間にしたいと考えています。

【6/17(金)22:00〜ふとんで#まどラジオ_vol.08】 情報があふれる今を生きるわたしたちと子どもたちの話

今回対話するメイトは、3歳の息子さんと日々暮らしているあらぽんさん。インターネットでの検索や動画サイトでのレコメンドによって、興味をどんどん深められる今を生きる「わたしたち」。 一方で、自分の関心外の情報に偶然触れることがいつの間にか少なくなってきているように感じます。 自分ではたどり着かなかった情報や人に出会える場所として、PforPの価値を再発見していきました。

【6/18(土)10:30-11:30@zoom】HIPAHIPA! まどラジオ〜対話編〜「まちで出会ったホッとするエピソード」

今回のテーマは「まちで出会ったホッとするエピソード」を中心に、以下のようなことをざっくばらんに話してみたいと思います。

・すんでいるまちや思い出の場所で出会った話
・近所の人に声をかけられて嬉しかった、救われた話
・私の中でホッとできる場所、安心する場所
PIECESがよく使う「優しい間」ってなに?と思っている方、みなさんで優しい時間を共有しませんか?

世界で戦争や紛争が起きている時、子どもとの関わりで知っておいてほしいこと

ウクライナ・ロシア情勢が刻々と変化する中で、子どもたちもニュースでそのことを目にする機会や、大人が話すことを耳にする機会が増えているかもしれません。

私たちが自分なりに社会で起きていることを受け取っているように、子どももその子なりに起こっていることを受け取っています。受け取ったことをどのように認識するか、どのように対処するかは年齢や発達、そして一人一人違います。
いつもと違う状況やニュースなどで知ったことに関しての疑問や不安を、「大人に何度も聞く」といった形で表現する子もいれば、遊びで表現する子やもいます。大人から見ると「困ったなあ」と感じる行動や、「赤ちゃん返り」しているように見えるような、いつもと違う様子に見える状態が、その子なりのサインである場合もあります。

大きな危機が起きた時、私たちの心身はその危機に対応しようとします。そのサインとして、さまざまなサインがみられます。それはとても自然なことで、私たちの力でもあります。

このような時に子どもに起こること、そのことに対して子どもと共にできることを共有します。

書き手:

小澤 いぶき

PIECES代表理事 / 児童精神科医 / 東京大学客員研究員


1.子どもは、どんな時に社会の危機を受け取るの?

・自分の生活がいつもと変わる

・戦争のニュースで生々しい映像、強く印象に残るいつもと違うニュースが流れる。そのことに対して大人の様子もいつもと違う

・過去に怖かったことを思い出すようなニュースや話題が身近で話される、流れている

・見通しがつかない

・ルーティンでやっていたことが変わる

・突然イベントがなくなる

・いつも行っていた場所に行けなくなる

・周りの雰囲気がいつもと違う

今回はウクライナ・ロシアの影響を念頭に記載していますが、一般的に不安を感じる時は、ここに書いているものだけではありません。

今回のような状況で、お子さんが「何かいつもと違うことが起きている」と感じるのはとても自然なことです。

2.危機を知ったり、体験した時は子どもにどんな変化があるの?

子どもたちは、言葉で伝えてくれる以外に、行動や身体、心を通して様々な形でサインを出してくれることがあります。これらはその子なりに、今起こっていることに対処しようとしているその子の力でもあります。

・いつもできていたことをやらなくなる

・ぼーっとする

・おねしょが増える、頻尿になる

・ご飯の量が減る

・寝つきが悪い、途中で目が覚める

・腹痛などの身体の症状

・いつもより甘える、一人でいるのを怖がる

・会話が減った、なにか言いかけてやめる

・いつもよりこだわりが強くなる、なんども同じことを聞く、やる

・いつもより落ち着きがなくなる、そわそわする、イライラしやすい

・兄弟などとの揉め事や喧嘩が増えた、何かや誰かに当たる

・勉強に集中できない

ここに書かれているものだけではなく、様々な形でサインを出しています。ぜひ子どもの様子がいつもと比べてどうかを丁寧にみてみてください

危機に対応するために過覚醒になることもあります。低年齢であればあるほど、言葉以外で表現する頻度が多いかもしれません。

周りの状況を繊細に見て、自分の不安や悲しさ、恐怖、疑問などを表に出せず我慢しているお子さんもいます。一見何もないように見えるからといって、何も感じていないというわけではないこともあります。
また、子どもは遊びの中で様々なことを表現します。見たニュースを「爆弾ごっこ」「ミサイルごっこ」のようにあそびで再現することもあります。

保護者も戦争のニュースを気にしながらも、新型コロナウイルスに関する対応、新年度への準備など、日々さまざまなことに対応しており、お子さんに気を配るのは物理的にハードルがあるかもしれません。
保護者だけが頑張るのではなく、複数の大人の目でお子さんに関心を向けていける環境を周囲が一緒につくっていくことも大事なことの一つです。

3.子どもにどんな風に関わったらいいの?

①心と身体の変化に目を向ける
・いつもと違う状態や行動に気を配る

・子ども自身、自分でもどうして良いかわからないと感じていることもあります。いつもよりできないことが増えたように見えても、急かさず、子どもが何に困っているのか丁寧に観察する

・子どもなりに対応していること、やっていること(子どものレジリエンス)にも目を向ける

②子どもに対する声がけ
・子どもの感情を言葉にして受け止めてみる
例:「悲しかったんだね」「嫌だったね」「嬉しかったね」「楽しかったね」など

・自分の感情に自分で気づくことが難しいこともあります。子どもの身体の状態を手がかりに、気持ちを探ってみるのも一つの方法です
例:「顔があついね」「いつもよりドキドキしてるんだね」「いつもより身体がかたくなってるかな」など。「怖かったね。心配になったね」など感情を共有する。

・できるだけ肯定的な言葉がけを心がける。大人からみたら当たり前だと思うことでも、子どもにとってはとても頑張ってやっていることも。
例:「歯を磨いたんだね」「着替えたんだね」と当たり前に目を向けて言葉にして伝える。

③生活の工夫
・可能な範囲で子ども自身が選択できる余地を作り、選択をまずは受け止める。もしその選択が叶わない場合は、違う方法を提案したり一緒に考えたりする。
※子どもにとって自分の意思ではどうにもならないことが続く時は、子どもが小さくても自身で決められることをつくってみるのも大切なことの一つです。

・日々の中に、小さな楽しみやほっとできる時間をつくってみる

・身体をケアし、リラックスする時間をつくる
例:深呼吸をする、手をぎゅっと握って開く、触られるのが嫌でなければ背中をマッサージするなど

・大人と一緒に情報から離れて、違うことをする時間をつくる。好きなことを大事にする。

・普段と変わらずにできることは、無理がない範囲で続ける
※規則正しい生活(いつもと同じ時間に寝る、ご飯を食べるなど)は安心感につながります。

・遊ぶことや身体を動かすことはとても大切なので、可能な範囲で取り入れる

④遊びに対して
・まずは無理に止めずに見守りましょう。苦しそうに同じ遊びを何度も何度も繰り返す場合、遊びが何度も悲しい結果に帰結する場合、良い形で遊びを終えられるように一サポートしてみてください。

いつもより保護者に「見て見て」と共有することが多かったりするかもしれません。体験を共有し、感情を受け止めてもらえることは、子どもが危機を乗り越える上でとても大事な体験です。

ただ、「見て見て」に対して、その体験や感情を受け止め共有することがすぐに叶わないこともあります。そんな時は「見せてくれて嬉しいな。ありがとう。〇〇時になったら見るね。」と声をかけて、一緒に体験や感情を共有し受け止める時間をつくったり、子どもと一緒に「見て欲しいもの」を置いておく宝箱や、秘密の場所などを考えて、その箱を開ける時間を決める、なども一つの方法です。

4.起こっていることについて子どもに伝える時

大人にとっても予測が難しいことも多いかと思いますが、今起こっている事実を子どもの年齢に合わせた言葉で丁寧に伝えてみてください。

わからないことがあった場合もごまかしたり、嘘をついたりせずに「自分もわからないこと」を伝え、「わかったら伝えること」を丁寧に伝えてください。見通しがつかないと、何度も同じことを聞いてくるかもしれません。そんな時は、できる限りで同じことを繰り返し丁寧に、穏やかに伝えてください。

繰り返し聞かれることに対応する時間や気持ちの余裕がないことがあるのも自然なことです。そんな時は「聞いてくれてありがとう。」と伝えた上で、気になることを聞く時間を決めるといいかもしれません。
文字が書けるお子さんであれば、「気になることノート」や、「気になることボックス」を作って、気になることを書いた紙を入れるなどして、書いたものに答える時間や書いたものに言葉で返信するなどをしてみてください。

子どもへの対応や関わり、話の伝え方については、セーブザチルドレンが出されている「専門家がすすめる、子どもと戦争について話すときの5つのポイント」も参考にしてみてください。

5.最後に

子どもに関わる大人自身も、気づかないうちに疲れていることが少なくありません。

過去の体験をニュースの映像で思い出し、苦しくなったり涙が出たり、呼吸が浅くなることもあるかもしれません。それもとても自然なことです。ぜひ情報から離れて、深呼吸したりストレッチをしたりとリラックスする時間をつくってみてください(できる範囲で、無理をせず)。

また、子どもも子どもに関わる大人も、このような状況でもできていることがたくさんあります。当たり前にやっていることやできていることに目を向けてください。そして、自分の中にある感情を大切に受け取ってください。

こどもがこどもでいられる社会を|寄付キャンペーン2021終了のご報告

2021年12月12日から2022年1月31日までの約1ヶ月半で150名のPIECESメイト(毎月の継続寄付者)を募る寄付キャンペーンが終了しました。

「こどもがこどもでいられる社会を」をテーマに実施してきた寄付キャンペーンでは

  • 新たに126名のPIECESメイト

  • 79名の方から571,170円の単発のご寄付

を頂戴しました。キャンペーン中にご寄付くださった皆さま、応援してくださった皆さまへ改めて感謝申し上げます。

目標としていた150名にはあと少し及ぼなかったものの、改めてPIECESを応援くださる方がたくさんいらっしゃることを実感することができ、PIECESメンバー一同感謝の思いで一杯です。
今回の寄付キャンペーンを経て、455名の方に現在PIECESメイトとして歩みを共にしていただいています。
5周年を迎えた今年度、これほど多くの方にPIECESを応援していただけていることに改めて感謝いたします。

a piece for peace

おひとりお一人の願い、託してくださる想いが本当に嬉しく、共に同じ未来を願って歩んでいけることを心強く思います。

キャンペーン期間中にはたくさんのシェア・コメントでの応援もありがとうございました!

今回のキャンペーンは、PIECESをカタチづくる多くの方々と共に進めることができました。

連載してきた #note は15本!#わたしがPIECESを好きなわけ のタイトルで、それぞれの目線から言葉を紡いでくださいました。(note企画はプロボノの中原さん、高島さんがマネジメントしてくれました!)

PIECESを、PIECESという生態系を愛する言葉でいっぱいになりました。ぜひ、ご覧いただき、この生態系の仲間になっていただけると嬉しいです。


子どもが子どもでいられるとは、子ども「らしく」いられることとは異なります。
「子どもらしさ」では、大人から向けられる物差しや
子どもらしくない子どもといった排除を生む可能性もあるからです。
子どもが子どもでいられるというのは、その子がその子としていられること。
私が私でいられる、あなたがあなたでいられることと繋がっています。

こどもがこどもでいられる社会をあなたの手元から、共に紡いでいけたら嬉しいです。

PIECESメイトのみなさまからのご寄付は、様々な背景によって子どもたちが社会的に孤立することを防ぐ活動や、PIECESが行っている市民性醸成プログラムにかかる費用に活用させていただきます。いただいたご寄付とお気持ちが、私たちの活動を通して、子どもたちにきちんと届いていくように努めてまいります。

#ひろがれPIECES

子ども若者の孤独・孤立を予防するために。|PIECESの政策提言に関する活動について

PIECESでは2019年より、子どもや若者の孤立に関する政策提言を行っています。

2021年度は孤独・孤立対策、子どものwellbeingに関する政策提言及び、子ども庁(現子ども家庭庁)設置に向け、子どもの心のケア(トラウマインフォームドケア)、そして子どもの権利を保障する政策の必要性について、代表の小澤いぶきが提案し、ヒアリングを受けてきました。今回はそういった政策提言に関する活動について、ご報告します。

①孤独・孤立対策について

2021年5月、孤独・孤立対策に関する連絡調整会議に向けて、孤独・孤立の定義に関する提案、考え、実態調査の必要性とその際の重要な観点についてヒアリングを受け、提案を行いました。

資料(有識者、NPO法人等のヒアリングにおける主な意見等)

②子ども庁(現子ども家庭庁)について

2021年11月、子ども庁(現子ども家庭庁)設置に向けてヒアリングを受けました。見落とされがちな「子どもの心」のケアや心の傷の予防・ケアのできる地域のエコシステム構築の必要性について提案しました。これは虐待予防等、子どもたちの心に影響することの予防やケアを行う体制を整えることにもつながります。

また、「子どもの権利」を保障するための「子ども基本法」の必要性についても、提案・要望を行ったほか、新公益連盟を通して、「子ども基本法の策定」「孤独・孤立対策」において、まだ対策に入っていない外国人や性的マイノリティ等の包摂に関する明記について、与党の予算・税制改正に関するNPO/NGOへのヒアリングについても要望しました。


誰もがその存在を尊重され、安全に生きていくことが当たり前になるプロセスの中で、制度によってその権利が保証されているかどうかということが、一つ大事な道のりとなることがあります。制度で自分の安全が保障されていないことが、その人の尊厳に関わっていることがあります。

まだ自分たちが出会っていない、さまざまな環境にいる方々も同じ地域で生きていること、この時代を共にしていること、その全ての人にとっての政策があるわけではないことを忘れずに、その方々の願いと私たちの市民性に根ざしたwellbeingという願いの重なりが、この先にバトンとして渡っていくような「市民性に根ざした政策」をこれからも考え、問い直し、提案していきたいと考えています。

制度をつくっていくのも、活用していくのも私たち市民一人一人です。一人一人の眼差しや関わりで、日常にその人が存在して大丈夫だと感じられるかどうかの文化は私たちが醸成しています。
市民性に根ざした制度を考えながら、市民性に根ざした日常を、これからも共に作っていきます。 

認定NPO法人PIECES 小澤いぶき