みつめるコースがスタートしました|CforCレポート

専門性や経験がなくても、自分にできることで子どもに関わるには?~想いを受け止め合う自己紹介を経て~

子どもに関わるのは専門性を持った専門職、ボランティア活動をしている支援者、そういった限られた人たちだけでよいのでしょうか。

自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい

私たちPIECESが行うCitizenship for Children(略してCforC)は、「自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい」という想いを持った、専門職でも支援者でもない、一般市民向けに行っているプログラムです。

専門職から関わりの視点や知識を学び、仲間とのワークを通して子どもと自分の両者にとってよい関りを探求していきます。

「自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい」、共通した1つの想いを持ち参加者は集まりましたが、その背景には、多様な経験や視点、価値観があります。

異なる経験や視点・価値観を持つ人たちが対話を重ね共に学びあう。その営みによって新たな視点が生まれ、子どもの想いや願いに対する仮説も広がっていきます。

しかし、自分とは異なる意見を受け止めることは簡単ではありません。意見の背景にある想いや願いを想像して受け止めることが必要になるため、CforCでは互いに受け止め合うことを大切にしています。

互いの想いを受け止め合う自己紹介

プログラムの始めに、約100分の時間をつかった自己紹介を行います。一般的な自己紹介では、名前や出身地、普段していることなどの情報だけが語られることが多いですが、この場ではCforCに至るまでのあなたの物語について語ってもらいます。

辛かった自分の過去がある、新たに一歩踏み出したい、現場での葛藤がある。参加者それぞれの想いを受け止め合う時間は、これからのプログラムに欠かせない基盤になっていきます。

ゼミの後半では事例を用いて、子どもにとって安全と感じられるのか、安全と感じられないのであればそれはどうして?ということについて意見を出し合いました。

当日の内容について、2名の参加者の感想を共有します。参加者目線からどんなふうに感じたのか、ぜひご覧ください。

参加者の感想①(いっちゃん)

今回、初めての方々との自己紹介。リアル、オフでも自己紹介をする場は結構ありますが、一人5~7分の長い自己紹介はするのも、聞くのもないので新鮮でした。また、みなさん、大きくはCforCという同じテーマや目的意識で集まっているのに、ポピークラスの中だけでも、動機やバックボーンや性格(考え方)がバラバラで面白いなと改めて。

例えば、「子どもに対して何かすること」に、すごく責任感、恐怖心まで持っている慎重な姿勢の人もいれば、良い意味で肩のチカラが抜けていて「自分が楽しいことを」「自分がやってもらって嬉しかったことを」「自分が自由に生きたいことの延長線上にある」という人もいる多様さで、小澤さんがおっしゃっていた「一人の子どもに複数のいろいろな大人が関わることの大切さ」というのはこういうことなんだろうなと思いました。

参加者の感想➁(Mさん)

安心安全な場を作り出すことの大切さ、実際にどういう場が安全もしくは安全でないと感じるのか、その点の解釈の幅を広げることができました。

実際のワークでは、自分とは異なる観点が沢山でてきて、一つの事例をさまざまなレンズで見ることができたな〜と思います。
同時に、実践の場で他者を巻き込みながら安心安全の場を展開していくことの難しさとも葛藤しています。

葛藤すること自体は悪いことではないと思うので、まずは3ヶ月マインドセットという形と通して、その葛藤とうまく付き合っていきたいです

1人の子どもに多様な大人が関わる

仲間の想いを聞くことで、自分にしかない視点や価値観があるということに気づきます。
専門職や支援者だけでなく、多様な市民1人ひとりが想いを形にして、子どもや地域・社会と関わる。そうすることで、子どもだけでなくみんなが暮らしやすい地域になるのではないでしょうか。