C for C

実践会議を開催しました|CforCレポート

子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラム Citizenship for Children 2023

「支援者」ではなく「ひとりの人」として子どもに関わりたいと思うからこそ生まれる、迷いや葛藤。Citizenship for Children(CforC)は、そんな願いや気持ちを持つ人たちが集い、子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラムです。

2023年8月から開始したCforCプログラム2023は、PIECESメイトをはじめとするたくさんの方々に支えられ、2023年1月末をもって無事終了し、現在は地域で実践的なアクションを行う「実践コース」に進んでいます。

実践コースでは、実践者なりの優しい間を地域で実践していく第一歩を踏み出すために、研修・対話を通じて伴走しています。自分の願いと届けたい相手の願いの重なるところにまなざしを向けながら、5月のGWに場をひらくためのステップを歩んでいます。


実践会議の様子

2024年4月13日に実践会議を開催、実践者5名がそれぞれのアクションプランを発表し、ゲストとの対話を通じてアクションプランをブラッシュアップしていく機会となりました。

実践者のみなさんとアクションプランのタイトル

◆米倉里美さん:ホッとできる集会所@福岡の自宅&カフェ

◆黒川瞭太さん:交流が生まれるフリー駄弁り場@東京・なにかし堂(5/6(月)13:00ー19:00に実施予定)

◆村上弥耶子さん:社会と私の"いい”を見直すダイアログ@東京

◆稲葉里美さん:フラワーバンク~子どもと地域が花で繋がる仕組み作り~@新潟

◆奥田弘美さん:自分の悩みや思いを安心して表現できる対話の場@滋賀


ゲストのみなさん

◆神林俊一さん:一般社団法人プレーワーカーズ 理事/一般社団法人TOKYOPLAY/世田谷区 外遊び推進員

◆守本陽一さん:一般社団法人ケアと暮らしの編集社代表理事/医師

◆田中元子さん:株式会社グランドレベル代表取締役社長

◆永田夏来さん:兵庫教育大學 准教授(専門:家族社会学)

発表と対話~稲葉さんの事例から~

フラワーバンク~子どもと地域が花で繋がる仕組み作り~@新潟
私は花が大好きで花で何かしたいと思い中学校の教室に入れない生徒向けのフラワーアレンジメントワークショップをはじめました。そのワークショップで使う花を地域から集められないかと考え、フラワーバンクという花が集まる仕組みを作りました。

子どもたちは花を使って自分を表現できます、また、大人は花を提供することで誰かの役に立っているという思いになります。子どもにとって花を提供してくれる大人が地域にいることを知り、地域の大人にとっても子供たちの不登校などの現状を知り理解するきっかけになります。

このアクションを通して花っていいねと思う人たちが増えてくれてら嬉しいです。そして自分のやりたいことが誰かのお役に立てていたら幸いです。<一部抜粋>

ゲストからのコメント(一部抜粋)

◆田中元子さん

こどもたちのためになるかな?って迷い、自身に疑いを持ちながら、迷いと変態ぶりをどっちももっているのが素晴らしい。どっちかだけではダメ。だれかの役に立ちたい人も、自分を疑い迷うことがないとコミュニケーションというのは一方的になる。

屋台でも、一坪、一箱、一輪からやってみて次が始まるので、ふくらむことをお楽しみに。目の前の濃度が薄くて大きく手をひろげても、それはさとみさんにとって嘘っぱち。さとみさんはどんな規模であっても等しく尊いことをすると思う。さとみさんにとって手応えがあることが一番の成功。

◆守本陽一さん

僕も「本が好き」で図書館をつくったけど、でもそれによって、来れない人もいるんじゃないだろうかと、これでいいのかという思いを持ち続けて運営してきた。やっぱり思っているような人が来なかったなあとか、上手くいかなかったなという時に、辞めちゃうのではなく「じゃあ屋台の方に戻ってみよう」とか、一回撤退してみるもあり。

今の自分と地域社会とのバランスをみつけることが一番大事だと思う。大きければいいというものでなく、やめずに戻ってみたり、違うバランスを模索する。

実践会議の最後にゲストのみなさんからエール

神林俊一さん

皆さん楽しそうな企画なので、まずはやってもらって。苦労してもらったら苦労してもらっただけそれで楽しいと思うので。ダメっていう人っていないと思いますし、CforCのメンバーっていう手伝ってくれたりアイディアくれたりするメンバーも皆さんつながっているので、めちゃくちゃ贅沢な場だから失敗しても怖くないなって気持ちでどんどんやってください。
僕も悩みながらやっているんですけど、その場で悩むっていうのを結構僕楽しんでいるので。悩みながらも「やっちゃえ精神」で頑張ってほしいなと思います。

守本陽一さん

PDCAだとどんどんアクションが縮小していっちゃうんですけど、AR循環といって、興味持ってアクションしてリフレクションするっていうのがおすすめです。わくわくしてやっていくうちに、ひいては面白い人たちが面白い人を集めていきますし、素敵な場になっていくんじゃないかなと思うので。「わくわくドライブ」でやっていくのが結局一番大事かなと思います。素敵なお話ありがとうございました。

永田夏来さん

居心地のよい場をつくるためには、まずは自分が居心地が良くないと辛いと思うんですよ。居心地がいい場所創りたい、楽しいことやりたい、人と繋がりたい、っていうことが目的になっている人がいるけど、やっぱり自分の中にそういう雰囲気が入っているっていうことが大事なのかなっていうところをもう一回確認できるともっと伝わりやすくなるのかなって思いました。
皆さんの成果が聞ける機会があるといいなと思ってます。ありがとうございました。

田中元子さん

「誰かのため業界」でありがちなのが、正しいことと楽しいことがごっちゃになっちゃうこと。ありがとうの数が多いかより、あなたが楽しいかどうかの方が、正直だと思う。あなたが楽しいこと、あなたにとって正直なことをして生きてほしいと思っています。
即興演劇の唯一のルールが、「Yes,and…」。思い通りにならないことが起きたらおらワクワクしてきたぞって思って、楽しく進んでみてください。

今回の実践会議はゲストの方だけでなく、CforC修了生やまきば(プロボノ)メンバーも参加し、実践者へのエールや情報共有のコメントが数多く寄せられました。

実践者の方からは、「初めての貴重な体験でした。一晩考えて、色々気付くことができました。昨日のこと(ゲストの前で発表したこと)も私にとっては挑戦で、挑戦して良かったです☺」というコメントをいただくなど、今後の実践への後押しとなる機会になりました。

メイトの皆さんをはじめとしたPIECESに心を寄せ関わってくださる皆さんのおかげで、今年もまた優しい間が広がろうとしています。今後とも応援お願いします。

(執筆:西角綾夏、鈴木唯加)

参画団体同士の知見と想いを紡ぐ「まなびの会」を開催しています

子どもの日常を支える市民向けの学習プログラム「Citizenship for Children(CforC)」で大切にしている想いに共感いただく全国各地の団体や機関、自治体、企業の方々と協働し、各地域で市民性を育む活動を広げていくことを目的に立ち上げたCforCコンソーシアム。

昨年11月より参画団体同士の知見共有の場として「まなびの会」をスタートしました。
現在はそれぞれの活動紹介を中心に、まなび・混ざり合う場づくりを進めています。今回は、1月と2月に開催したまなびの会についてレポートします。

第2回まなびの会(1月)

一般社団法人We are Buddiesの加藤愛梨さんより、団体の活動事例や「市民性」を切り口にご自身の経験や想いについてお話いただき、参加者同士での感想共有や対話をおこないました。

We are Buddiesが取り組む「バディプログラム」は、子ども(5~18才)と大人ボランティアが2人組のバディとなり、月に2回程度、2人で遊んだり話したりしながらフラットな信頼関係を築いていきます。
PIECESでは、大人ボランティアに向けた研修プログラムを監修し、お互いにとって健やかな関係性を築くための基本姿勢を学べる動画やツール等を提供しています。

対話の中では、大人と子どもが対等な立場から、且つまっさらなところから信頼関係を築いていくことの面白さに触れつつ、1人でその子どもと向き合う中で経験する葛藤や悩み、喜びは修行のようでありギフトのようなものになっているというお話がありました。
「課題を解決する為ではなく、人と人がつながることが、結果として子どもの孤立の解消につながっている」という言葉には、まずは自分の手元からできることを始めてみよう、そんなメッセージが伝わってきました。

第3回まなびの会(2月)

合同会社ライフイズの影近卓大さんより、団体の取り組みや日頃より大切にしている事業への想いについてお話いただき、参加者同士での感想共有や対話をおこないました。

ライフイズは「日常生活の景色を多様にする」をビジョンに掲げ、多摩地域を中心に訪問看護や医療的ケア児・重症心身障害児を対象としたこどもデイサービス、また多摩ニュータウンの団地商店街にある設置する福祉事業所「+laugh(アンドラフ)」等を運営しています。影近さんとはCforCプログラムへの受講をきっかけに出会い、現在はCforC修了生の立場としてプログラム運営にも携わっています。

「+laugh」では、CforCプログラムからの気づきから駄菓子屋やフリースペースを併設しました。それにより、利用者と地域の人たちが出会おうとせずとも自然な形で出会い、挨拶や関わりが生まれ、気づけばお互いを名前で呼び合う人と人とのつながりや関係性が育まれていると言います。
「障害の有無によらず、誰しもがそこにいる事が当たり前になる地域づくり」という言葉には、お互いの在り方が尊重され、優しいまなざしに溢れた地域の在り様がまざまざと思い浮かびました。


CforCコンソーシアムとは

PIECESでは、「市民性の醸成」を掲げて、子どもの日常を支える市民や非専門職の支援者向けの学習プログラム「Citizenship for Children(CforC)」を運営しています。CforCコンソーシアムは、CforCで大切にしている想いに共感いただく全国各地の団体や機関、自治体、企業の方々と協働し、各地域で市民性を育む活動を広げていくことを目的に立ち上げたコンソーシアムです。
本コンソーシアム事業では、公益財団法人トヨタ財団より3年間で約1,800万円の資金助成をいただいてます。
今後も「まなびの会」は、定期的に開催を予定しています。ご関心のある方はぜひお問い合わせください。

◆参画団体の皆さま(6団体※あいうえお順、2024年3月時点)

一般社団法人We are Buddies(東京都)
合同会社ライフイズ(東京都)
さきちゃんち運営委員会(東京都)
社会福祉法人高島市社会福祉協議会(滋賀県)
特定非営利活動法人セカンドリーグ茨城(茨城県)
日本生活協同組合連合会(東京都)

執筆:CforCコンソーシアム推進担当 村山 裕紀

基礎コース・探求コースが終了しました|CforCレポート

子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラム Citizenship for Children2023

「支援者」ではなく「ひとりの人」として子どもに関わりたいと思うからこそ生まれる、迷いや葛藤。Citizenship for Children(CforC)は、そんな願いや気持ちを持つ人たちが集い、子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラムです。

2023年8月から開始したCfrorCプログラム2023は、PIECESメイトをはじめとするたくさんの方々に支えられ、2023年1月末をもって無事終了しました。

今年度は基礎コース47名、探求コース30名の方に参加いただき、ともに学びを深めていきました。プログラムを終えた参加者の方からの感想を一部ご紹介します。

参加者の声

  • 多くの視点を持つことができるようになった。自分の考えや思考の癖を捉えて他の考え方もあるかもしれないと一度立ち止まって考えられるようになった。

  • 毎回講師の方から自分が知らなかった学びを多くもらったので視野が広がるとともに安心感もあり、自分がしたいことをしていいんだという気持ちになった。同時に自信にもつながり、自分の軸がぶれなくなった。
    相手に合わせるのではなく、自分ができること自分が楽しいことを提供していくことに躊躇しなくなったし、ゼミの中でも自分の言葉として話せるようになった。

  • 専門的な知識や資格がないことで、自分は子ども・若者に関わっていけるのか、モヤモヤした気持ちを持ちながら参加しました。6回の講座で関わり方は様々あることを学び、自分にも子ども・若者に関わることができる場面は多くあるのではと思えました。

  • 自分の感情を大切に取り扱うことができるようになったと思います。

プログラムを通じて、自分なりに大切にしたい願いや感情に気付くなど、参加者一人ひとりにそれぞれの変容があったなと感じます。それは、参加者のみなさんが講師の方々や他の参加者との対話を重ね、他者に想いを馳せ、自分と向き合う地道なプロセスを一歩ずつ、確かなものにしていったからなのだと思います。

CforC2023の参加者のみなさんとは、今後も修了生としてつながり続け、CforCで得た気付きや想いをともに分かち合い、この出会いを大切に紡いでいけたらと願っています。

実践コースのスタート

CforC2023探求コースの参加者のうち、5名の希望者が地域で自分らしいアクションをしていく「実践コース」に進んでいます。
実践コースでは、2024年5月まで、CforCを経た参加者が、さらに自分の手元から「優しい間」をうみ、自分なりの市民性が発揮されるアクションやプロジェクトを企画・実施することに伴走していきます。

実践コースに進んだ5名の参加者は、不登校の子どもの居場所づくりや対話の場づくりなど、それぞれの願いにもとづいた自分なりのアクションの実現に向けて、奮闘しています。

スタッフをはじめ、過去にCforCに参加し、自身の活動に取り組んでいる修了生にも伴走をしてもらいながら、ともに5月まで駆け抜けていきます!

実践コースの様子もお伝えしていくので、どうぞお楽しみに。

執筆者:西角綾香(CforCスタッフ)


CforCプログラムでも大切にしている「市民性」について伝えるページをつくりました。市民性やその世界観を、より身近に感じていただけたら嬉しいです。

市民性はいつの時代もそこにあり、社会を紡ぐ大切な力になる。
だからこそ、PIECESは絶やすことなく市民性を照らし、育み続けたいと思っています。

寄付を通じて、子どもたちの周りに、そして私たちの周りに市民性を育む仲間になりませんか?

まちの風景から眺める、子どもの暮らしと市民性|CforCレポート

まちの風景から眺める、子どもの暮らしと市民性

子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラムCitizenship for Children2023。最終回となる第6回を2023年1月27日に開催しました。

今回は、九州大学大学院人間環境学研究院専任講師/社会福祉士の田北雅裕さんを講師にお招きしました。

CforC2023基礎コース・探求コースの参加者は、下記4つのパートについて講師がお話した講座動画を事前視聴したうえで、プログラムに臨みました。

「まちの風景から眺める、子どもの暮らしと市民性」
Part.1 まちの風景から眺める 
Part.2 風景と市民性
Part.3 子どもにとっての相応しいデザイン 

講座では、田北さんが携わってこられたプロジェクトの事例を交えながら、風景やデザインについてどのように捉えているのかを語っていただきました。人と人との関係性はもちろん重要だけれども、人だけで何とかしようとしなくても、「人は、風景の中にいる」と、「風景」という視点で市民性について考えました。また、作り手側や社会的な視点での評価やインパクトだけでなく、当事者にとって相応しいデザインの視点を大事にする姿勢について学びました。

講師への質疑応答・対話

午前中の質疑応答・対話のパートは、基礎コース・探求コースの参加者全員がリアルタイムに集い、自己紹介や講師への質問、参加者同士の対話を行いました。
参加者から講師に投げかけられた疑問や葛藤を一部をご紹介します。

  • パブリックデザインを考えるうえで「工夫されていること」、「これだけは外せない」ということがあれば教えてください。

  • 当事者である子どもにとって最適なデザインをどう作っていくのかが難しいなと思っています。子どものためのデザインをどう実現していくのがいいでしょうか?

  • 田北さんがアドバイザーとしてさまざまなプロジェクトにかかわるうえで、まず考えること(観点)、あるいはまず行う作業はなんでしょうか。

ゼミ活動

午後は、探求コースの参加者がワークを通してさらに学びを深めるゼミ活動を行いました。ゼミ活動では、まちの資源を思い起こし、子どもたちにとって相応しい"機能"や"要素"を考えるワークを行いました。参加者自身の子ども時代の印象的な風景などの話もしながら、子どもを支えることは人だけでなく、風景といったものも資源になり得るのだと実感が高まりました。

また、最後にはこれまでのCforCで半年間学んできたプロセスを振り返りながら、自分なりの市民性や優しい間を描く、ペアワークも行いました。どのペアも自分なりの市民性や今後も大切にしたいことは何かについて、プログラムの開始時よりもぐっと深まった対話が行われ、半年間での変容を実感しました。

参加者の感想 

子どもへの関わり方・・・子どもと共にいるということ(時には直接かかわらないことも)、専門職でないからできること、大人が一番楽しんじゃうっていう考え方、風景の中に子どもも自分もいること、たくさんの気づきのあった時間でした。

こうでなければ!という考えではなく、自分自身も楽しみながら、これもやってみようかな、なんか面白いことができるかも、と言う風にゆる~くいろんなところへ軽やかにつながりを持ち続けていきたいと思います。

探求コース・すーちゃん

CforC2023では今後も、様々なフィールドで子どもと関わる実践者や専門家の方を講師に招き、学びを深めていきます。

執筆:西角綾夏


CforCプログラムでも大切にしている「市民性」について伝えるページをつくりました。市民性やその世界観を、より身近に感じていただけたら嬉しいです。

市民性はいつの時代もそこにあり、社会を紡ぐ大切な力になる。
だからこそ、PIECESは絶やすことなく市民性を照らし、育み続けたいと思っています。

寄付を通じて、子どもたちの周りに、そして私たちの周りに市民性を育む仲間になりませんか?

子どもの孤立を防ぐ、コミュニティのつくり方|CforCレポート

子どもの孤立を防ぐ、コミュニティのつくり方 ~なぜそこには「つながり」が生まれるのか?~

子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラムCitizenship for Children2023。第5回を2023年12月16日に開催しました。
第5回は、NPO法人ハンズオン埼玉理事の西川正さんを講師にお招きしました。
CforC2023基礎コース・探求コースの参加者は、下記4つのパートについて講師がお話した講座動画を事前視聴したうえで、プログラムに臨みました。

子どもの孤立を防ぐ、コミュニティのつくり方〜なぜそこには「つながり」が生まれるのか?~
Part.1 遊ぶと学ぶの場づくり
Part.2 対談① ~つながりが生まれる場のデザイン~
Part.3 対談② ~"with 子ども"のコミュニティ~

講座では、西川さんがこれまで取り組んできた場づくりを紹介していただきました。そのなかで、西川さんはあらゆることが専門化、サービス化されていくことで、人と人として出会う関係性の大切さをお話いただきました。お話を聞くことで、孤立や分断を生まないためには、子どものために(for)ではなく、子どもとともに(with)、不要不急の「あそび」を大切にしていく西川さんの場づくりのスタンスを感じられました。


講師への質疑応答・対話

午前中の質疑応答・対話のパートは、基礎コース・探求コースの参加者全員がリアルタイムに集い、自己紹介や講師への質問、参加者同士の対話を行いました。
参加者から講師に投げかけられた疑問や葛藤を一部をご紹介します。

  • 西川さんがwithな関係を広げる上で意識されていることはありますか?あそびを生むために"遊び"をまず設計するのでしょうか

  • 子どもを「見守る」のと「傍観しているだけ」のバランスについてどう考えていますか?

  • 地域活動を持続可能にするためにNPO法人化することがあるけれど、ボランティアだからこそできるかかわりもある。そのあたりのバランスってどうすればよいのでしょう?

参加者のみなさんが思いをもって活動しているからこそ生まれる葛藤に、西川さんもご自身の経験を重ね合わせながら、一緒になって考えていただきました。
子どもとの関わりや場づくりは、正解がひとつではないからこそ難しいこともありますが、自分なりの楽しいことや面白いことをとことん追求していくという西川さんの軽やかな姿勢に、参加者のみなさんは少し肩の力が抜け、楽に構えながら自分の活動を捉え直すことができたように思います。



ゼミ活動

午後は、探求コースの参加者がワークを通してさらに学びを深めるゼミ活動を行いました。

今回は、参加者が身の周りで子どもとかかわったときの事例を持ち寄りました。ワークでは、事例ごとに4名ずつグループとなって子どもの願いや強みに目を向けたり、自分自身の資源性を活かしたりして、次のアクションのアイデアを自由に広げていくことを行いました。

子どもの願いや強みとメンバー同士の資源性を掛け合わせることで、斬新なアイデアがいくつも生み出されてきて、参加者のみんなが純粋に楽しそう、面白そう、と心が動かされるようなかかわりや在り方を体得していくような時間となりました。



参加者の感想 

大人側が課題だと思っていても、子どもからしたら課題だと思っていないのかなと思いました。
好ましくない状況ではあるものの、大人の接し方次第で子どもが必要以上に、自分が課題の中心人物であることを意識しないで済む形で=子どもが必要以上に傷つかない形で、うまく解決できるんだなと気づきました。

そういう意味では、西川さんの大真面目にはしゃぐ大人の姿勢が大事だなと思いました。

探求コース・あきお

CforC2023では今後も、様々なフィールドで子どもと関わる実践者や専門家の方を講師に招き、学びを深めていきます。

執筆:西角綾夏


CforCプログラムでも大切にしている「市民性」について伝えるページをつくりました。市民性やその世界観を、より身近に感じていただけたら嬉しいです。

市民性と専門性|CforCレポート

市民性と専門性 ~公的支援の立場から見る“非専門職”の可能性~

子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラムCitizenship for Children2023。第4回を2023年11月18日に開催しました。

第4回は、弁護士とソーシャルワーカーの協働を考える会/ちば子ども若者ネットワークの安井飛鳥さんを講師にお招きしました。
講座では、安井さん自身のキャリアとその時々に出会った子どもたちの事例やそこで感じた葛藤などをお話いただきました。安井さんは、弁護士とソーシャルワーカーの2つの専門資格をとったものの、専門職としての限界を感じ、現在はひとりの市民としてちば子ども若者ネットワークで活動をされているようです。専門職とひとりの市民という、両方の立場から子どもたちにかかわる安井さん自身の経験から、市民性と専門性とは何かを考える時間となりました。

「市民性と専門性 ~公的支援の立場から見る“非専門職”の可能性~」

Part.1 これまでの活動紹介
Part.2 “支援”の枠組みに乗らない・乗れない子どもたち
Part.3 対談① ~専門職として関わることの可能性と限界~
Part.4 対談② ~子ども・若者にとっての市民性と専門性~

講師への質疑応答・対話

午前中の質疑応答・対話のパートは、基礎コース・探求コースの参加者全員がリアルタイムに集い、自己紹介や講師への質問、参加者同士の対話を行いました。
参加者から講師に投げかけられた疑問や葛藤を一部をご紹介します。

安井さんから見て、支援の立場でない一般的な市民ができることとして、こんなことをする人がもっと増えればなという具体的なことはありますか?

専門家のアドバイスをもらいたいときに、誰に頼っていいか…お金がネックになったりする中で、動かない、動けないことって多いように感じます。

市民がやっている場に、専門家に一市民として参加してもらうにはどうしたらいいでしょうか?

弁護士とソーシャルワーカーというふたつの資格をもち、専門性を極めた安井さんが、専門性が増えるほどできないと感じることが増えた、と言葉を漏らしながら、市民としてのかかわりを模索している姿に、たくさんの視点をもらった参加者が多かったように感じます。

質疑応答でも、安井さんと参加者が一緒になって、迷い・葛藤しあう様子が見られました。専門性と市民性、どちらが大事なのかと二項対立で比べられるものでもなく、どちらも大事であり、専門家の方も一人の市民であるということが実感できました。

ゼミ活動

午後は、探求コースの参加者がワークを通してさらに学びを深めるゼミ活動を行いました。

今回のワークは、自身の資源について見つめるワークを行いました。自分の資源・資源性とは何か、個人ワーク、グループワーク、ペアワークを通して、仲間のことや自分自身のことについて、より深く見つめ直す時間となりました。
仲間や自分の新たな一面に気付き、ゼミ後の任意参加のお喋りタイムの参加者はこれまでで一番多く、1日プログラムを終えてからも、参加者同士の語らいが続きました。

参加者の感想 

専門性=直線的な解決を求められる

   =意思をコントロールしてしまっている?

    「うん」としか言えない状況を作ってしまうことがある

というお話にとても共感しました。

「支援の場」ではなく、「社会」で地域の人びとから声をかけられて初めて

「あ、私たち、無視されていない。私たち、居ないことになっていない。私たち、ちゃんと社会で生きてる」って思えるもんだよな、と思います。

市民性って「私には、ちゃんとあなたが見えているよ!」っていうメッセージなんかな?とも思いました。

(基礎コース・yoshimura)

CforC2023では今後も、様々なフィールドで子どもと関わる実践者や専門家の方を講師に招き、学びを深めていきます。

執筆:西角綾夏


【参加者募集中】PIECES公開セミナー第3弾|子どものサインに目を向ける

子どもとの関わりの中で「困ったな」と感じる行動に遭遇したことはないでしょうか。
子どものサインをみつめるとはどういうことか。PIECES代表理事の小澤いぶきが、「トラウマ」の視点からお伝えします。  
■日時:2023年11月30日(木)20:00-21:30
■会場:zoomを使用
■参加費:1,000円

CforCコンソーシアムが始動!「まなびの会」を開催しました。

2023年1月のキックオフイベントより、半年以上に渡りコンソーシアムの在り方について検討を重ね、11月16日に第1回目となる参画団体同士の知見共有の場「まなびの会」を開催しました。
記念すべき初回は、PIECESとすでに接点のある6団体の方々にご参加いただきました。

すでにCforCの取組みなどを通じてお互いが顔見知りの方々もいれば、初対面の方もいたり…。
今回はコンソーシアムの趣旨や概要を紹介すると共に、参加者同士の自己紹介や活動紹介にスポットを当てて実施しました。

参画いただいた団体の活動は多岐にわたります。日々子どもたちと関わりを持つ団体もいれば、地域のワークスペースとして様々なイベントやサロンなどの場づくりをする団体、また地域のコーディネーターとして活躍する中間支援団体に、福祉を通じたまちづくりを推進する団体、全国組織として幅広いネットワークを持つ団体など、それぞれの特徴や有する知見が混ざり合い、そして豊かになることこそが、コンソーシアムの大切な幹を育んでいきます。

必ずしも全ての団体が「市民性を育む」ことを目的に活動している訳ではありません。ですが、根っこのところでじんわりとある社会や子どもたちへのまなざしや想いは、今回参加いただいた方に共通するものだと感じています。まずはもっとお互いのことを深く知るところから。

当面のまなびの会はお互いの活動紹介を軸にしながら、関わる方々にとってのまなび合いの場となっていきそうな予感です。

ぜひこれからのまなびの会、そしてCforCコンソーシアムの発展に関心を寄せていただけたら嬉しいです。

◆参画団体の皆さま(6団体※あいうえお順)

一般社団法人We are Buddies(東京都)
合同会社ライフイズ(東京都)
さきちゃんち運営委員会(東京都)
社会福祉法人高島市社会福祉協議会(滋賀県)
特定非営利活動法人セカンドリーグ茨城(茨城県)
日本生活協同組合連合会(東京都)

◆CforCコンソーシアムとは

PIECESでは「市民性の醸成」を掲げて、子どもの日常を支える市民や非専門職の支援者向けの学習プログラム「Citizenship for Children(CforC)」を運営しています。CforCコンソーシアムは、CforCで大切にしている想いに共感いただく全国各地の団体や機関、自治体、企業の方々と協働し、各地域で市民性を育む活動を広げていくことを目的に立ち上げたコンソーシアムです。
本コンソーシアム事業では、公益財団法人トヨタ財団より3年間で約1,800万円の資金助成をいただいてます。

今後も「まなびの会」は、定期的に開催を予定しています。ご関心のある方はぜひお問い合わせください。

執筆:CforCコンソーシアム推進担当 村山 裕紀

わたしたちの中にある「市民性」|CforCレポート

子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラムCitizenship for Children2023。
2023年11月4日にCforCの核となる市民性をテーマとした特別講座を開催しました。当日はPIECES事務局長の斎が講師を務めました。

わたしたちの中にある「市民性」をみつめる 

①なぜいま、「市民性」なのか?
②市民性の発揮と「優しい間」の創出

斎さんのこれまでの歩みも交えてお話を聞きながら、「市民性」が求められている背景や、「市民性」がどのように発揮されているのか、CforC修了生の活動などを例に挙げながら、私たちにどんなアクションができるのかについて深めていきました。

参加者それぞれが「市民性とはなにか?」「市民性を発揮するとはどういうことか?」といった問いに向き合い、対話の時間に入る前からチャットでのやりとりがとても盛り上がっていた様子が印象的でした。

参加者一人ひとりの大事にしたい思いやこれまでの経験が、「市民性」というキーワードと結び付いていったようで、対話の時間ではそれぞれが問いを深めたり、気付きを得たり、みんなの話が尽きませんでした。

「市民性」と、ひとことで言っても、思い浮かべることは様々であり、自分が大切にしたいことはなにかを改めて立ち返るような時間になりました。

参加者の感想 

「市民性とは」と考え始めるとわからなくなるのですが、皆さんのお話を聞きながら、市民性は他者への関心から生まれるのかなーなんて思いました。
その関心は、ここのコミュニティのように、なんてことない会話(対話?)の交換から生まれるのかな、とも。

TVや新聞、SNSなどのメディアを通した情報で〝わかったつもり〟になるのではなく、一対一で話し、想像を膨らませることで段々に分かっていくことの心地よさを、これまでの講座で味わっています。
「ただそこにいる」「ともに在る」のも、ただ同じ空間にいることを指すのではなく、同じ場を共有しながら相手の存在に関心を払う、みたいなのが市民性につながっていくのかな、と思いました。

「相手の存在に関心を払う」ということは、相手を人として見る、モノのように扱わない、ということで、言葉を置き換えると結局は「他者の尊厳を守る」ことにつながり「自分の尊厳も守る」ということなのかなーと思いました。

(探求コース・ちえさん)

講座修了後も、みなさんで感想を伝え合いそれぞれの日常に持ち帰っていく様子が素敵だなと感じています。

CforC2023では今後も、様々なフィールドで子どもと関わる実践者や専門家の方を講師に招き、学びを深めていきます。

執筆:西角綾夏


【参加者募集中】PIECES公開セミナー第3弾|子どものサインに目を向ける

子どもとの関わりの中で「困ったな」と感じる行動に遭遇したことはないでしょうか。
子どものサインをみつめるとはどういうことか。PIECES代表理事の小澤いぶきが、「トラウマ」の視点からお伝えします。  
■日時:2023年11月30日(木)20:00-21:30
■会場:zoomを使用
■参加費:1,000円

子どもへの“支援”を問い直す|CforCレポート

子どもへの“支援”を問い直す
プレーパークでの実践に学ぶ「子どもとともにいる」関わり

子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラムCitizenship for Children2023。第3回を2023年10月21日に開催しました。

第3回のプログラムは、一般社団法人プレーワーカーズ理事/一般社団法人TOKYOPLAY/世田谷区外遊び推進員の神林俊一さんを講師にお招きしました。

CforC2023基礎コース・探求コースの参加者は、下記4つのパートについて神林さんがお話した講座動画を事前視聴したうえで、プログラムに臨みました。
プレーパークをはじめ、数々の遊び場をつくってきた神林さんの生のお話では、「子どもに何かしてあげる」のではなく、「ただともにいる」ことで生まれる関係性があるのだと、ハッとさせられることが多かったです。

CforC2023第3回講座 子どもへの“支援”を問い直す ~あそび場での実践に学ぶ「子どもとともにいる」関わり~
Part.1 講師紹介/子どもにとっての遊びとは
Part.2 あそび場での実践~東北・世田谷を中心に~
Part.3 対談①~子どもと“ともにある”実践とは~
Part.4 対談②~関わりのカタチ~

講師への質疑応答・対話 

午前中の質疑応答・対話のパートは、基礎コース・探求コースの参加者全員がリアルタイムに集い、自己紹介や講師への質問、参加者同士の対話を行いました。
参加者から講師に投げかけられた疑問や葛藤の一部をご紹介します。

・子どもの遊びでは怪我することもあると思いますが、保護者は大きな怪我をさせたくないし、命の危険を犯したくない。でも、そうしたリスクがあるところでこそ学べることもあると思う。
保護者側からしたら過度にリスクをとれなくなってきているなかで、プレーパークで大切にしているポリシーや安心・安全を守るためのラインなどは、ありますか?

・他者のいる状況で上手く遊びに参加できない子どもに対して何か働きかけをしますか?するとしたらどのようなことですか?

参加者のみなさんは、神林さんに正解を聞くのでなく、対話を通して、自分ができる子どもへの関わりを問い直しているようでした。

ゼミ活動

午後は、探求コースの参加者がワークを通してさらに学びを深めるゼミ活動を行いました。

ワークの最後に、「子どもとの関わり方において、あなたが大切にしたいものは何ですか。また、あなたにとって、子どもとのちょうどいい関わり方はどんな関わり方だと思いますか。」という問いについての対話では、講師の神林さんがお話のなかで発せられた「子どもにとって邪魔にならない存在」という言葉を、キーワードとして挙げる方が多かったのが印象的でした。

参加者一人ひとりが、自分は子どもとどのように関わりたいのか、見つめ直して対話することで、自分にとっての大切なものを見つけていくような時間になりました。

参加者の感想 

私は「邪魔にならない」を、既にそこにいるこどもも大人も"生きている/人生がある/こうありたいとか願いや想いの積み重ねがあり"いまここで一緒にいる。それを勝手にコントロールしようとしないということ/そこに思いを馳せること、と解釈しました。(探求コース・ぷっくん)

CforC2023では今後も、様々なフィールドで子どもと関わる実践者や専門家の方を講師に招き、学びを深めていきます。

執筆:西角綾夏


【参加者募集中】CforC2023公開特別講座:わたしたちの中にある「市民性」を見つめる~一人ひとりの手元から紡ぐ~

PIECES事務局長の斎が講師を務め、CforCプログラムの核となる「市民性」について深める講座を、公開特別講座として開催します!
リアルタイムでご参加いただくと、CforC参加メンバーとともに対話を行うことができます。

後日ご視聴いただけるアーカイブチケットもありますので、この機会にぜひ、ともに学びを深められたら嬉しいです。
■日時:2023年11月4日(土)10:00-12:30 ※11/4(土)9:30〆切
■会場:zoomを使用
■参加費:
①1人2,000円(学生:1,000円)
複数で参加される場合は、参加される方それぞれにお申し込みください。
②アーカイブ1人2,000円(学生:1,000円)

■こんな方にオススメ

・まちやコミュニティでの子どもあるいは多世代向けの活動を、より良いものにしていきたい
・専門家としてではなく、一市民の立場で活動をしていきたいが、自分に何ができるかよく分からない
・CforCのプログラムに参加したいと思ったことはあるけど、まだ参加できていない

CforC2023基礎コース後期の申込みも受付中!〈申込締切:10/27〉
https://cforc2023kiso.peatix.com/

子どもたちの“生きづらさ”に心を寄せる|CforCレポート

子どもたちの“生きづらさ”に心を寄せる 
孤立する子どもたちが本当に求めているものとは?

子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラムCitizenship for Children2023。第2回を2023年9月30日に開催しました。

第2回は、日頃困難な環境にいる子どもたちのところへ直接訪問しに行くアウトリーチ事業を行っている「NPO法人ビーンズふくしま」の山下仁子さんとともに、「子どもたちの“生きづらさ”に心を寄せる」をテーマに学びを深めました。

CforC2023基礎コース・探求コースの参加者は、事前に山下さんから下記4つのパートについてお話いただいた講座動画を視聴し、当日オンライン上で開催される集合講座に臨みました。

Part.1 講師紹介/ビーンズふくしまの活動紹介
Part2. 子どもたちのいま
Part3. 対談①~人権擁護の実践とは~
Part.4 対談②~子どもとの関わりで大切にすること~

講師への質疑応答・対話 

午前中の質疑応答・対話のパートは、基礎コース・探求コースの参加者全員がリアルタイムに集い、山下さんへの質問、参加者同士の対話を行いました。

参加者から講師に投げかけられた疑問や葛藤を一部をご紹介します。

「子どもが自分の困り感を認識し違和感を持つようになる」という点について、困り感を認識できるようになるためには「自己肯定感が上がることで自然に認識できるようになる」という過程が大切なのでしょうか。それとは別に気付きを促すようなこともされているのでしょうか。

困難な環境にいる子どもと接するときに気を付けていることについて聞かせてください。

保護者と子どもへの思いが対立するとき、どうしていますか?

どの問いに対しても、山下さん自身がその場で参加者とともに悩み、ご自身の経験を紐解きながら、お話してくださった姿が印象に残っています。
どんな環境にいる子どもたちとも、ありのままに接する山下さんの思いに触れながら、参加者一人ひとりが自分はどう在りたいのかを問い直していく深い時間でした。

ゼミ活動「こころで応える」

午後は、探求コースの参加者がワークを通してさらに学びを深めるゼミ活動を行いました。
ワークでは、参加者が子ども時代を含めこれまで、ちょっとした心の痛みや息苦しさを感じた出来事や状況を思い出し、どんな関わりがあったら(もしくはなかったら)良かったのかについて振り返り、グループでシェアをします。グループのメンバーは、話し手の声を聴き、こころで応えることを意識しながら、感じたことを共有しました。

参加者がちょっとしたしんどさをその場に開いたことで、言葉を発さずその人の感情を丸ごと受けとめた人もいれば、あたたかな言葉をかける人、ともに痛みを感じる人、感じ方や寄り添い方も人それぞれ。その場にいる人ひとりひとりのこころに思いを馳せた、じんわりあたたかな時間が流れました。


参加者の感想
プログラムが終わった後も、それぞれが余韻を味わいながら、いろんな感想が届きました。そのうちのひとつをご紹介します。

「心で応える」
頭で答えるのではなく、心で応える。簡単にできることではないけど、とても大切。
目の前の問題だけをみて解決するんじゃなくて、子どものその発言・行動の裏側にはどんな想いがあるのか、急がず、子どもの気持ちに対して想像力をめいっぱい膨らませて、心で応えることができるよう日々を積み重ねたい。
山下さんがおっしゃっていた、応えが違っているかもしれないけど、そこで止まってしまわないで、先へ進むことが必要。
斎さんがおっしゃっていた、山下さんにならなくていい、という言葉にもはっとした。

山下さんの子どもへの向き合い方は山下さんのものだから、山下さんのマネをするのではなく、私なりの<心で応える>をやっていきたい。(探求コース・すーちゃん)


CforC2023では今後も、様々なフィールドで子どもと関わる実践者や専門家の方を講師に招き、学びを深めていきます。

執筆:西角綾夏


【CforC2023公開特別講座】わたしたちの中にある「市民性」を見つめる~一人ひとりの手元から紡ぐ~

11月は一般の方にもご参加いただける公開特別講座を予定しています。コースへの申込みは叶わなかったけれど講座に参加してみたいという方、まずは少し様子を知りたい方という方など、どなたでもお気軽にご参加ください。
■日時:2023年11月4日(土)10:00-12:30
■会場:zoomを使用
■参加費:
①1人2,000円(学生:1,000円)
複数で参加される場合は、参加される方それぞれにお申し込みください。
②アーカイブ1人2,000円(学生:1,000円)

CforC2023基礎コース後期の申込みも受付中!〈申込締切:10/27〉
https://cforc2023kiso.peatix.com/

CforC2023基礎コース・探求コースがスタートしました|CforCレポート

子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラム「Citizenship for Children2023」

「支援者」ではなく「ひとりの人」として子どもに関わりたいと思うからこそ生まれる、迷いや葛藤。Citizenship for Children(CforC)は、そんな願いや気持ちを持つ人たちが集い、子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラムです。

CforCは、年に一度参加者を募集しています。今年度は、基礎コース47名、探求コース30名の参加者とともにプログラムをスタートしました(基礎コース後期は10/27まで参加者を募集しています)!

8月26日に実施した第1回プログラムは、PIECES代表理事の小澤いぶきが講師を務め、「子どもの発達と心のケア ~児童精神科医の視点からみえる、子どもたちの今〜」をテーマに学びを深めました。
参加者は、下記4つのパートについて講師がお話した講座動画を事前視聴したうえで、プログラムに臨んでいます。

「子どもの発達と心のケア ~児童精神科医の視点からみえる、子どもたちの今〜」
①子どもを取り巻く現状
②子どもの発達の基盤となる安心・信頼の醸成
③子どもの発達に影響するもの
④子どもが子どもでいられる社会であるために

講師への質疑応答・対話 

午前中の質疑応答・対話のパートは、基礎コース・探求コースの参加者全員がリアルタイムに集い、自己紹介や講師への質問、参加者同士の対話を行いました。初めて顔を合わせた参加者がほとんどのなか、積極的な発言や質問が続き、熱量が高い時間となりました。

参加者から講師に投げかけられた疑問や葛藤を一部をご紹介します。

1対多の現場のなかでアタッチメントを築く難しさを感じます。子どもの人数が多くならざるを得ない現場では、一人ひとりの声を聞く時間がどうしても短くなってしまいます。そんなとき、大人はどんな振る舞いをすれば、子どもの安心につながるのでしょうか。

自尊感情が低い子どもたちと関わることが多いです。背中を押す言葉やケアの方法があれば教えてほしいです。

参加者の言葉からは、ひとりひとりの背景や経験、子どもへの真摯な思いが溢れていました。
講師からのコメントも、関わりへの解の提示ではなくひとつの視点として、講師と参加者との対話が繰り広げられました。

ゼミ活動

午後は、探求コースの参加者がワークを通してさらに学びを深める「ゼミ活動」を行いました。子どもや自分にとって「安心・安全と感じられるときは?」という問いや、子どもとの関わりの事例をとりあげ、参加者同士の対話を行いました。

参加者の感想 なつきちゃん

子どものことを真剣に考えている大人がこんなにたくさんいると知って、しかも近い地域にいらっしゃることもわかり、すごく嬉しかったです。繋がって関わって、何か変化が起こるかも!?という期待がムクムク。そして、すべてのプログラムが受容的で優しい時間でした。出会ったばかりであっても、みんなが意識し、共有できるものがあれば安全な場は作れるのだなぁと思いました。


CforC2023では今後も、様々なフィールドで子どもと関わる実践者や専門家の方を講師に招き、学びを深めていきます。

執筆:西角綾夏


基礎コース後期の参加者募集!

CforC2023の基礎コース前期・探求コースは、募集を締め切っていますが、基礎コース後期の参加者は10/27(金)まで募集しています。
後期は、子どもとの直接的なかかわりからぐっと視点を広げ、市民性の大切さ、コミュニティやまちづくりをテーマとして取り上げています。ぜひご応募ください!また、関心がありそうな方にもオススメしていただければ嬉しいです。

CforC2023詳細はこちら!
https://www.pieces.tokyo/cforc2023lp

基礎コース後期の申込はこちら!
https://cforc2023kiso.peatix.com/

CforC2022・アクションサポートコースが終了しました。

毎月開催していた「間の発酵所」の様子

2022年度は「みつめるコース」、「うけとるコース」、「はたらきかけるコース」と3つのコースをオンライン開催したCforCプログラム。
はたらきかけるコース修了生の中から希望者を募り、最後のプログラムとなる「アクションサポートコース※」を2023年2月~5月に開催しました。

自分が暮らす地域で、自分なりにアクションし、優しい間が生まれていく

アクションサポートコースでは、実践者1名ごとに伴走者がつき、以下のような形で一人ひとりのオリジナルな実践をサポートしていきます。伴走者とミーティングを重ね、まずは2023年5月5日に自分なりのアクションの第一歩を踏み出すことを目指しました。

1.研修(毎月1回)
ジャーニーマップ作成、セーフガーディング研修 など

2.間の発酵所(毎月1回)
アクションの進捗会議、対話 など

3.伴走(随時)
大切にしたいことの問いかけ、スモールステップの洗い出し など

伴走者からの問いかけ

  • あなたが優しい間を一番届けたい人はどんな人ですか。

  • その人に届けたい優しい間はどんなものですか。

  • あなたが思い描く場ができたとして、あなたはそこにどんな風に居たいでしょうか。

伴走ミーティングでは、伴走者からの問いかけにより、いつもとは少し違った角度で自分をみつめ、言語化していきます。そんな営みを繰り返していくうちに、「自分の中でアクション実践イメージが明確になっていった」「自分で自分に問いかける思考回路になってきた」といった声が実践者から聞こえてきました。

初めて自分で場を開くことへの不安、周りの人と意見がすれ違った時の葛藤、告知が思ったようにできない焦り。初めてのアクションの準備中は、しんどさを伴う場面もありました。
時に伴走者にしんどさを吐露しながらも、自分で乗り越えて小さな「出来た」を積み重ねていった実践者の皆さん。
そして5月5日のアクションを終えて振り返ってみると、「やってみればいっか、とか、とりあえず行ってみようって思えるようになった」と話してくださるようになりました。

実践者が思う「優しい間」

  • 分からないのが当たり前、分からないからいい、という雰囲気があると、私にとって心地いい。

  • 『ない』ではなく『ある』の方から見てくれること。例えば、『不安があるんだね』っていうまなざしも寄り添ってくれている感覚がする。

  • 今回アクションした中で優しい間を感じた場面を思い返すと、『一緒にいる』ということが大きなキーワード。

アクションサポートコース全体振り返りでは、実践者の皆さんが今思う「優しい間」について問いかけました。
みつめるコースやはたらきかけるコースで感じていたことまで遡りながら、同期にとっての「優しい間」の語りを聞きながら、自分の感覚を言語化していく時間。
CforCプログラムを受講して11か月目となる実践者の皆さんから、その人自身の言葉で語られる「優しい間」は、この文章を書いている私自身としてもとても興味深いものでした。


実践者の想い

  • 肩書を外して、自分自身として地域に出たい。

  • 色々な背景を持った人同士がフラットにいられる場をつくりたい。

  • 日常で変なヒト、コトに出会うきっかけをデザインしたい。

実践者が5/5に開催したイベントの様子。当日のテーマ:子どもへの気持ちを綴ってみよう

2023年5月5日、十人十色の想いとともに、それぞれの手元から、アクションがスタートしていきました。
それはきっと実践者自身が、子どもにとっての「ちょっと困ったときに顔が浮かぶような、信頼できる他者」となっていく営みへとつながっていくのだと思います。
自分も、子どもも、地域も。「わたしたち」がwell-beingであれる優しい間が、これからもじんわりあたたかく広がっていきますように。

※2023年5月5日に実践者が行ったアクションについてはこちらの記事をご覧ください。

アクションサポートコースの終了を以って、CforC2022の全てのプログラムが終了しました。
アクションサポートコースまで受講した皆さんは、2022年7月~2023年5月の11か月間という長丁場での参加でした。お疲れさまでした!
まだ芽が出たばかりの皆さんの優しい間が、ゆっくりゆっくり育っていきますように。

執筆:鈴木唯加


CforCプログラムは2023年も開催する予定で、現在準備を進めています。「CforC2023」の募集要項がオープンとなりましたら、ご案内をお送りいたしますので、プログラムご参加の方または関心のある方はプレエントリーにご登録ください。

イベントレポート|PIECES公開セミナー「子どものこころの声を聴く」を開催しました!

子どもと関わるとき、私たちは自分の中にある当たり前や思い込み、先入観を通して関わっていることがあります。

たとえば「困ったことをしている」と周りが判断したその行動は、子どもにとっては対処だったり、大切な願いの表現かもしれません。

思い込みや先入観に気づいて、子どもを見つめるとはどういうことか。児童精神科医として10年以上に渡って、子どもたちの声に耳を傾けてきたPIECES代表理事の小澤いぶきとともに、事例を交えながら参加者のみなさんと深めました。

チェックイン

まずはチェックインから。今回は心理学の授業などでも使われるある外科医のエピソード(ドクター・スミス問題)を基に、自分たちの中にある「思い込み」や「価値観」に気が付く体験をしました。

物事をみつめるときに浮かぶ「かもしれない」は、自分の持つ価値観や経験、知識に依存します。目に見える行動・言動の意味付けを捉え直すためにも、まずは自分が持っている価値観や信念などに自覚的であることの大切さが伝えられました。


ストレングスの視点から子どもをみつめる

ストレングスとは、その人の限界や過去の失敗を指摘するのではなく、ポジティブな資質と未開発の潜在能力を探すことに焦点を置く概念です。
今回は学校に行かないでゲームを続ける子どもの事例を基に、以下のポイントに沿って、ストレングスの視点で捉え直すワークを参加者と共に行いました。

子どもの行為や内側から探る <4つの視点>
① 本人の行動への注目(何かへの対処)
② 一見(大人から見ると)困った言動の背景への注目
③ 興味関心への注目
④ 普段やっていることへの注目

一見大人から見ると困った行為の背景には、その子の願いがあるかもしれないという視点を持つこと、子どもの願いを一緒に見つけることの大切さについて話がありました。また、願いを一緒に見つけるためのポイントや子どもへの声掛けのヒントなどについてもレクチャーがありました。

子どもに関わる自分の願いをみつめる

後半では、先ほどと同じ事例を「自分の願いや価値観」からみつめました。
子どもの行為に対して、自分はどんな言動をしているか、どんな思考や感情を抱き、その背景にはどんな価値観や願いがあるか。
自分の願いに気づくことは、相手も自分とは別の願いを持つ人だと気づくことに繋がります。時に自分の願いを相手に押し付けてしまうこともあるかもしれず、それは誰にでも起こりうることであるということが伝えられた上で、子どもの願いに気づくためには、まずは自分の願いに気づき、受け止めることの大切さを深めました。


参加者の感想

・こどもたちからの学びを大切に、こどもたちとともに成長していける人で社会でありたいと改めて思いました。

・子どもの支援者になりたいと思う大人は、自分自身の思い込みを常に問い直していくことを忘れてはならないと思いました。

・子どもの声を聴く、ということは、その子と日々を過ごしている親の声を聴くことから始まるのかなと思いました。ストレングスを意識して、保護者さんの声に耳を傾けていきたいです。

・こどもに関わるお仕事ではないですが、逆に大人だから、家族だから、友人だから、わかるだろうという気持ちで認識がずれていることってあると思うので更に視点を広く持ちたいと思います !

・育児をしていてイライラしてしまうのは、結局子供ではなく自分にその理由があるなと感じるようになりました。自分の中にこうあって欲しいというエゴを発見する貴重な体験だったりもしました。そんな自分も責めずヨシヨシしながら笑、リラックスして受け止められるよう心がけたいと思います。

PIECESでは今後も、「価値観のメガネを外す」をキーワードに、様々なテーマでセミナーを開催します。
次回は「子どもの権利」をテーマに、8月に開催予定!

イベントレポート|CforC2022アクションサポートコース・フィードバック会を開催しました

4月15日(土)、CforC2022アクションサポートコースのフィードバック会を開催しました。

みつめる・うけとる・はたらきかけるの3つのコースで開講したCforC2022。はたらきかけるコースでは、実際に自分も子どもも生きる地域で自分らしいアクションをしていくために、まちの資源の活かし方やコミュニティづくりについて探求しました。
そして「優しい間」が生まれるために、自分なりの市民性が発揮されるアクションやプロジェクトを企画・実施していきます。

今回のフィードバック会では、はたらきかけるコースからアクションサポートコースに進んだ実践者5名が、それぞれのアクションプランを発表し、ゲストや参加者の方々からコメントをいただきました。

5月5日にアクションをするにあたって感じている課題について、ゲストのフィードバックを直接受け取った実践者の皆さん。聴講していたCforC修了生やまきば(プロボノ)メンバーからも、応援コメントや情報提供コメントが多く寄せられ、あたたかく背中を押してくれるような場となりました。

5月5日は全国さまざまな場所で実践者のみなさんのアクションが行われます!お近くの方はぜひご参加ください。

Hana-Co
日時:2023年5月5日(金)10時~13時頃
場所:神奈川県横浜市青葉区
内容:“愛着が愛着を生む優しい世界”を生み出していく3rd Place。初回の5/5は子どもへの気持ちを綴ってみよう
イベント詳細:https://www.instagram.com/p/CrcNlmMSRIq/?utm_source=ig_web_copy_link

インプロタイム チルタイム
日時:2023年5月5日(金)14時~20時
場所:東京都豊島区
内容:15歳くらいから20歳くらいの君たちへ、シアターゲームやってみない?
イベント詳細:https://www.instagram.com/p/CrK3CK9yclT/?utm_source=ig_web_copy_link

はらのまちぱれっと
日時:2023年5月5日(金)日中~夕方
場所:宮城県仙台市宮城野区 清水沼公園
内容:アートや遊びを自分なりの表現でその場にいる人たちと楽しめる場所です。絵の具遊びなど、屋外でのびのび過ごそう。
※こちらのイベント情報は学生団体ariのInstagramをご確認ください。

◆まなびsotto
日時:2023年5月5日(金)日中~夕方
場所:都内
内容:多様な大人からの手紙に返事を書こう
※場所は現在調整中です。詳細が知りたい方は、こちらからご連絡ください

この他、沖縄でも一般社団法人みんなの家の職員でCforC2022修了生が、誰でも自由にくつろげるコミュニティスペースを計画中です。


【トークセッション】
アクションプランの発表の後は、ゲスト3名でトークセッションを行い、市民性や優しい間について深めました。
ゲスト:
西川正氏  NPO法人ハンズオン埼玉
守本陽一氏 一般社団法人ケアと暮らし編集社代表理事/医師
小澤いぶき 認定NPO法人PIECES代表理事/児童精神科医/精神科専門医

市民活動や社会教育の場って増えているけれど、それらが社会包摂的な(ひらかれた)場に変わっていくことってあるんでしょうか。」そんな守本さんの問いかけからトークセッションがスタートしていきました。

西川さん:一番立場が弱い人に合わせて場をつくるという意志があるかどうか、がほぼ全てで。

小澤:いかに立場が違う人の目線が混ざりあえる余白があるか。意図的に違うviewで場を作っていく。

守本さん:だいかい文庫※でお店番をするときのルールのひとつが【いちばん遠くにいる人に気を配ってね】ということ。そのマインドがあると、お店番をしている皆さん自身がケア的に変わっていく、気づいていく姿がある。西川さんのお話とも近いな、大事なことだなと思いました。

続いて、子どもの当事者参画に関する話題へ。

小澤:「子どもたちの声から始まることに委ねるとき」と「大人の声から始まって、結果子どもたちと遊びが生まれていくとき」。これって似ているようで実は起点が違うんですよね。

西川さん:どちらにせよ無くてはならないのが、ああでもない、こうでもない、という【応答関係】と、【その場にいる人々自身の工夫や苦労が含まれていること】。

守本さん:運営者が楽しんでいるからこそ、周りの人も参画して、一緒に楽しんでいけるというのは本当にあるなと思っていて。

小澤:その風景を一緒に楽しもう、一緒に作っていこう、という人が増えるのって、巻き込んでやろうというよりは、所有を手放すような感覚なんだろうな。

西川さん:小学生が小さい子の面倒を見るのとか一緒に遊ぶのとか、大人にはできないですからね。そういう場面がたくさん生まれるのが包摂的な社会なんじゃないかなと思いますね。


※だいかい文庫とは…兵庫県豊岡市にある、本と暮らしのあるところ だいかい文庫。みんなで作る私設図書館/本屋です。お店番は、だいかい文庫のスタッフであったり、お医者さんであったり、アート関係者だったり、新聞記者だったり、学校の先生だったり、学生だったりします。

【参加者の声】

皆さんの人を想う真摯な気持ちが伝わって来ました。
日々、実現に向けての準備に割かれる時間の捻出やモチベーションの維持は容易なことではないと拝察し、プレゼンを聞きながら敬意を感じざるを得ませんでした。

同時に、場を開き継続していく難しさも感じましたが、やはり、先ずはやってみることが一番だなとも感じます。CforCのようにみんなで応援できるシステムは、場を開く大人にとって心強く、子どもにも安心で安全な空間を拡げられるのではないかと思いました。
他には、守本さんの『同感はしんどくなる、共感は相手の立場に立つ』というお言葉が、とても印象的でした。

また、講師陣から『子どもから始まる、没頭しているときがその人らしい、変わってほしいと思わない、視点の推移』など、心に留まるたくさんの言葉を聴くことができ、とても充実した時間でした。

参加させていただき感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

実践者一人ひとりの手元から優しい間が生み出されていくプロセスに立ち会う、豊かであたたかな会をともにつくることができました。ともにつくってくださった26名の皆さん、ありがとうございました。

この記事を最後までご覧くださった皆さんも、ありがとうございます。今後ともCforC 修了生のアクションを応援していただけたら嬉しいです。

執筆:鈴木唯加

Citizenship for Children 2022が終了しました|CforCレポート

2022年7月から始まったCitizenship for Children(CforC)2022ですが、PIECESメイトをはじめとするたくさんの方々に支えられ、無事終了することができました。

CforCは、子どもと自分と地域にとってのwell-beingを実現するために、仲間とともに心地よく迷いながら、自分なりの市民性を探求するプログラムです。
今年は30名がみつめるコースを受講し、そのうち23名がうけとるコース、はたらきかけるコースに進みました。今回は今年のCforCプログラムで起きていたことを紹介します。

参加者に起きていた学び

CforCのコアと言っても過言ではない「リフレクション」では、実際に自分が子どもと関わった経験について、具体的なやりとりから子どもや自分の願い/価値観について深めていきます。

タダで買えるお菓子ない?という子ども 〜頭ごなしに反応されたら開示できない〜

ある参加者のAさんは関わっている駄菓子屋にやってきた子どもBちゃんとのやりとりを取り上げました。
Bちゃんはお金を持ってきておらず「タダで買えるお菓子ない?」と聞いてきたそうです。Aさんはタダで買えるお菓子はないことを伝えながら「ちなみに何が欲しい?」とも聞いてみました。
いくつかやりとりをした後、「じゃあ100円あったら買いたいものかごに入れてくれる?Bちゃんおすすめセット作って売ってみようよ!」とAさんは言いました。Bちゃんは楽しそうにおすすめセットを作ったそうです。

大人として社会のルールを伝えることと寄り添うことの葛藤

このリフレクションでは、参加者のCさんが同じグループに参加していました。CさんはAさんの話を聞きながら、こんな気づきを教えてくれました。

  • 私がこんな場面に出くわしたら(大人として子どもに社会のルールを教えなければという気持ちが先に来てしまい)、「子どもの心に寄り添う」を見失ってしまうかもという不安な気持ちが最初に湧いてきた

  • 万引き=悪いこと=悪いことをする子=要注意人物、というラベルをその子に貼りそうになっていたことにも気付かされた

  • 「お金持って来てね〜」と言い、「万引きお断り」みたいは張り紙をしたら その子は駄菓子屋から、子どもにとってワクワクする社会から「排除」してしまうことになる

ある場面を切り取っても、その場面の見方や子どもへの接し方は人それぞれです。
だからこそ、CforCで他者と共に学ぶことで、他者の眼差しの背景と自らの眼差しに気づき、見立ての幅を広げていく。それが私たちの住むまちに優しい間が広まっていくことになっていくと思っています。

CforC2022の詳しい報告は、PIECESの年次報告書で改めてお伝えします。2023年6月頃の発行になりますので、お楽しみに!

報告:CforC担当 くり

「支える、関わる、ともにいる」とは?~待つことから生まれる市民性~|CforCレポート

自分なりの「市民性」を探求していく

私たちPIECESが行うCitizenship for children(略してCforC)は、「自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい」という想いを持った、専門職でも支援者でもない、一般市民向けに行っているプログラムです。

CforCでは、誰かのことを気にかけたり、想像したり、自分にできることを考えたり、まなざしを向けてみたり…そんな私たちの心の中にある「心の灯火」のことを「市民性」と呼んでいます。

いわゆる専門職や支援職を育成するプログラムではないからこそ、1人の人であり市民である自分を客観視すること。答えを求めるのではなく、学び続け、問い続ける姿勢を持つこと。

そういった「市民性」を仲間と学びあうことで探求していきます。



答えのない問いに向き合う

CforCみつめるコースは全3回の開催で、各回とも講座とゼミのセットで進んでいきます。

第3回目のゼミでは、「自分らしい市民性を探る」をテーマに、「子ども視点から子どもへの関わりを考える」、「自分らしい関わりを探る」というワークを行いました。

大人が子どもに教えるというスタンスではなく、「子どもたちから学ぶ」や「専門性と市民性」というキーワードも参加者の皆さんにとって、ゼミのテーマを考える大切なポイントになっていました。

ゼミの最初には、今回の講師であるプレーワーカーの神林俊一さんの動画の内容に関してグループで対話を行い、神林さんの関わりにはどんなまなざしがあるのか?、「支える、関わる、ともにいる」とはどういうことか? について考えました。

このワークでは、参加者同士で安心安全な場をつくりだし、結論や正解を求めずに、「子どもとの関わり」について考えを深めることができたようです。

最後に「みつめるコース」全体を振り返る時間が設けられ、その結果を参加者の間で共有してゼミを終了しました。みなさんからは CforC の安心できる場が新鮮だったという声や、これまで囚われていたことに気付いたという声も聞かれ、これから取り組んでみたいことについても、さまざまな希望やアイデアが出てきました。

実際の参加者からの感想を共有します。

参加者からの感想

カオスな空間を、流れのままに全員の「居場所」として機能させることの難しさを日々痛感しています。そういう意味で神林さんのお話はとても貴重なものでした。
特に参考になったのは子どもとの「距離感」。どこまで待つのか、いつ話しかけるのか。神林さんの絶妙な距離のとり方はこれからの活動に取り入れていきたいです。

子どもにとっての遊びとは社会とつながること。自分の生きている存在価値。遊びのなかの関わりは目的や終着点を必要としない。共感や願いがあればよい。
これまでの私は、無意識に子どもの支援に何らかの結論や広義的な正解のようなものを導きだそうとしていた。だが、もっと自然でよい、ひとりの人間として子どもたちと共にいるだけでよいのだ、と思えるようになった。気負いがなくなり、普通に子どもたちと居るだけで心があたたかく感じられるようになった。


正解のない問いを考え続けていくこと

参加者から共有された声を聞くと多くの学びや気付きがあったと感じていただいたようです。一方で、子どもとの関わりに正解はないということも受け止め、そのうえで「一人ひとりの子どもの力や願い」を信じて向き合い、そして「待つこと」が大切だというかんぺーさんのメッセージが心に響いた人が多かったようです。

そして、ゼミを通して大切なキーワードとなっていたのはやはり「市民性」という言葉でした。

「待つこと」とは何か、「市民性」とは何か、という問いに正解はないのかも知れませんが、そのことを考え続けていくことが、子どもたちにとっても大人にとっても優しい社会を創ることに繋がるのではないでしょうか。

参加者のみなさんがその意味を探す旅を続けていくきっかけになった一日になったように思います。

執筆:シゲさん
編集:ゆか

HIPAHIPAweek終了のご報告

まちと接点を持つためのイベント HIPAHIPAweek

8月から9月中旬までの1ヶ月半、HIPAHIPAweekを開催しました。 HIPAHIPAweekは、自分の住むまちと接点を持つためのイベントです。近所の人と出会ったり、困ったことがあったら相談できるような関係性を紡ぐといったことが生まれたらいいなと思い、スタートしました。

2021年から始まり、今回が4回目となる開催。私たち自身も手探りで始め、今回は「大人がふらっと立ち寄れる」ということをテーマに、様々なスポットを記事で紹介したり、ラジオ配信をしました。

HIPAHIPAweekスポット紹介はこちら(12箇所掲載しています)

まちの図書館「なにかし堂」と昭和レトロな商店街のあたたかな日常

福岡の住宅街でスイーツや雑貨を楽しみながら、まちの人と繋がる場所「tori」

地域住民との関係性を育む商店街と、地域の日常を醸すオープンな場「+laugh」

子どもの心の孤立に対して活動する団体がなぜ大人をターゲットにしたイベントを行ったのか

PIECESをすでに知っている方の中には、「なぜ子どもの社会課題に取り組むPIECESが、大人をターゲットにやっているのか?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。「直接子どもをターゲットにしたイベントをやった方が良いのでは?」と。もちろん、それも大切だと思います。

その一方で、子どもたちにたくさんの多様な大人が関わっていくことを大切にしたいという想いがあります。 多様な大人が関わることで、子どもたちにとって様々な選択肢が生まれたり、自分について様々な表現をする可能性も出てくるかもしれないからです。

だからこそ、今回は大人をターゲットにしました。 これは私個人の願いになりますが、普段子どもに関する活動をしているわけではなくとも、たまたま近所の子どもと知り合い、なんとなく顔見知りになるということが起きたらいいなと願って。

私自身、たまに「子どもとどう接していいかわからない」と言われることもあります。子どもと普段関わっていないから正解がわからないと。 でも、それでもいいと私は思います。みんながみんな同じ関わりをしなくていい、むしろその方が良いと思っています。

いろんな意見を言う大人やいろんな関わり方をする大人から、子どもたちは自分で選び取っていきます。同じ大人ばかりでは、合わない子にとってはしんどいと思うので、その目の前の子を想って、多くの大人が子どもたちに出会ってくれることを願っています。

こちらはTwitterの投稿内容の転載となります。一部語尾など修正をしています。

執筆:PIECESスタッフ くりちゃん

「みつめるコース」が終了しました|CforCレポート

プログラムはオンラインにて実施されていますが、一部自主ゼミのみ、対面にて開催されました。

PIECESが行う市民性醸成プログラム “Citizeniship for Chiledren”(略してCforC)。
「地域の子どもたちに自分ができることをしたい」「すでに出会っている子どもたちに寄り添いたい」といった一般市民に向けて、3ヶ月~6ヶ月のプログラムを通じて「私らしい関わり」を探求していくプログラムです。

学びのプロセスに応じた3段階のコースで構成されているこのプログラム。CforCのエッセンスが詰まった基礎編「みつめるコース」は7月から開始し、9月に終了しました。

2022年度は北は山形から南は沖縄まで、30名の方が参加しました。こども食堂や団体を運営している方など自らが中心となって活動している方、ボランティアとして居場所運営に関わる方、これから子どもに関わることをしていきたいという方など、様々な背景を持った方がいます。

講座・ゼミ・自主ゼミから深める市民性

「みつめるコース」は、講座・ゼミ・自主ゼミの3つのプログラムで市民性を探求していきます。
講座では、PIECES代表理事の小澤いぶきをはじめ、アウトリーチ活動を行うNPO法人ビーンズ福島の山下さん、プレーワーカーとして活動する一般社団法人プレーワーカーズ/一般社団法人ジェイス理事の神林さんを講師に迎え、子どもの心のケアや心に寄り添うことについて、事例を交えて学びました。

ゼミでは、安心・安全な場について考えるワーク、自分の価値観や考え方の癖について考えるワーク、子どもへの関わりを探求するワークなど、講座で学んだことをもとに学びを深めました。

自主ゼミでは、自分らしい関わりを探るために自分の強みについて探求するワーク、心で応えるために必要な要素を出すワークなどを通して、講座やゼミでの学びをさらに多角的に探求しました。


「みつめるコース」参加者の感想

安心安全な場を作り出すことの大切さ、実際にどういう場が安全もしくは安全でないと感じるのか、その点の解釈の幅を広げることができました。実際のワークでは、自分とは異なる観点が沢山でてきて、一つの事例をさまざまなレンズで見ることができたな〜と思います。

皆さんから出てくるモノ(オンラインだけど「気」みたいなもの)を浴びることができたみたいです。質疑応答やグループワークで皆さんの話を聞いて、心臓の鷲掴み感を感じました。

「うけとるコース」「はたらきかけるコース」がはじまります

10月からは、子どもと自分の願いや価値観に気づき寄り添う「うけとるコース」、地域で自分らしいアクションを目指す「はたらきかけるコース」がスタートします。
CforCのTwitterアカウントウェブサイトでは、プログラムでどんなことが行われているのかなどの情報を発信しているので、ぜひご覧ください!

みつめるコースがスタートしました|CforCレポート

専門性や経験がなくても、自分にできることで子どもに関わるには?~想いを受け止め合う自己紹介を経て~

子どもに関わるのは専門性を持った専門職、ボランティア活動をしている支援者、そういった限られた人たちだけでよいのでしょうか。

自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい

私たちPIECESが行うCitizenship for Children(略してCforC)は、「自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい」という想いを持った、専門職でも支援者でもない、一般市民向けに行っているプログラムです。

専門職から関わりの視点や知識を学び、仲間とのワークを通して子どもと自分の両者にとってよい関りを探求していきます。

「自分にできることで子どもや地域・社会に関わりたい」、共通した1つの想いを持ち参加者は集まりましたが、その背景には、多様な経験や視点、価値観があります。

異なる経験や視点・価値観を持つ人たちが対話を重ね共に学びあう。その営みによって新たな視点が生まれ、子どもの想いや願いに対する仮説も広がっていきます。

しかし、自分とは異なる意見を受け止めることは簡単ではありません。意見の背景にある想いや願いを想像して受け止めることが必要になるため、CforCでは互いに受け止め合うことを大切にしています。

互いの想いを受け止め合う自己紹介

プログラムの始めに、約100分の時間をつかった自己紹介を行います。一般的な自己紹介では、名前や出身地、普段していることなどの情報だけが語られることが多いですが、この場ではCforCに至るまでのあなたの物語について語ってもらいます。

辛かった自分の過去がある、新たに一歩踏み出したい、現場での葛藤がある。参加者それぞれの想いを受け止め合う時間は、これからのプログラムに欠かせない基盤になっていきます。

ゼミの後半では事例を用いて、子どもにとって安全と感じられるのか、安全と感じられないのであればそれはどうして?ということについて意見を出し合いました。

当日の内容について、2名の参加者の感想を共有します。参加者目線からどんなふうに感じたのか、ぜひご覧ください。

参加者の感想①(いっちゃん)

今回、初めての方々との自己紹介。リアル、オフでも自己紹介をする場は結構ありますが、一人5~7分の長い自己紹介はするのも、聞くのもないので新鮮でした。また、みなさん、大きくはCforCという同じテーマや目的意識で集まっているのに、ポピークラスの中だけでも、動機やバックボーンや性格(考え方)がバラバラで面白いなと改めて。

例えば、「子どもに対して何かすること」に、すごく責任感、恐怖心まで持っている慎重な姿勢の人もいれば、良い意味で肩のチカラが抜けていて「自分が楽しいことを」「自分がやってもらって嬉しかったことを」「自分が自由に生きたいことの延長線上にある」という人もいる多様さで、小澤さんがおっしゃっていた「一人の子どもに複数のいろいろな大人が関わることの大切さ」というのはこういうことなんだろうなと思いました。

参加者の感想➁(Mさん)

安心安全な場を作り出すことの大切さ、実際にどういう場が安全もしくは安全でないと感じるのか、その点の解釈の幅を広げることができました。

実際のワークでは、自分とは異なる観点が沢山でてきて、一つの事例をさまざまなレンズで見ることができたな〜と思います。
同時に、実践の場で他者を巻き込みながら安心安全の場を展開していくことの難しさとも葛藤しています。

葛藤すること自体は悪いことではないと思うので、まずは3ヶ月マインドセットという形と通して、その葛藤とうまく付き合っていきたいです

1人の子どもに多様な大人が関わる

仲間の想いを聞くことで、自分にしかない視点や価値観があるということに気づきます。
専門職や支援者だけでなく、多様な市民1人ひとりが想いを形にして、子どもや地域・社会と関わる。そうすることで、子どもだけでなくみんなが暮らしやすい地域になるのではないでしょうか。

Citizenship for Children 2021 が終了しました!

イラスト:Jessie(J.)

2021年7月から始まったCitizenship for Children 2021(CforC)ですが、PIECESメイトをはじめとするたくさんの方々に支えられ、無事終了することができました。

CforCは、子どもと自分と地域にとってのwell-beingを実現するために、仲間とともに心地よく迷いながら、自分なりの市民性を探求するプログラムです。今年度は新たな体制として、みつめる・うけとる・はたらきかけるという市民性発揮の3視点に沿ったコースで開催しました。

みつめるコース 参加者64名
7月から3ヶ月間実施したみつめるコース。『同じ志を持った仲間とともに、子どもに心で応えるためのまなざしを学ぶ』ということに重きを置き、自分自身や子どもの感情、地域や社会の出来事をありのままにみつめていくためのまなざしやマインドセットを探求し、子どもと自分、地域のwell-beingを実現するためのベースとなるエッセンスを、講座とゼミで学びました。

うけとるコース 参加者4名
みつめるコース修了後、『安心できる仲間と、発見したり葛藤したりしながら、私らしい「優しい間」を問い続ける』ことを学ぶ、うけとるコース。みつめるコースの内容に加え、リフレクションを通して、目の前の子どもの感情や願いに目を向けると同時に、自分自身の感情や願い、価値観にもじっくり向き合うプロセスを体験していきました。

はたらきかけるコース 参加者30名
みつめるコース修了後、『わたしたちのうけとった違和感や想いを、形にすることで優しい間のあふれる地域へ』と目指していく、はたらきかけるコース。みつめる・うけとるコースの内容に加え、実際に自分も子どもも生きる地域で自分らしいアクションをしていくために、まちの資源の活かし方やコミュニティづくりについて探求していきました。

CforCに関する記事はこちら

参加者の声

今年の参加者から以下のような声が届いています。

“beingを受け入れてくれる“雰囲気はCforCのゼミにもあるなと感じました。うまく話せなくてもいいし、きれいにまとめられなくてもいい。モヤモヤがあっても大丈夫。自分が感じたことをありのままに聴いてくれるクラスのメンバーに、初回ゼミとは思えないくらいの安心感を感じました。(20代・大学生)

ゼミの中で行われた自己覚知ワークでは、同じグループの方の考え方の背景や価値観が分かるのが楽しく、それを共有した後の空間は何だか安心できるなと感じました。私自身も、このワークを通して「自分から生きづらさを他人に伝えるのが難しい子どもたちに寄り添える人でありたい」という大事にしていた価値観を思い出し、言語化することができました。(20代・福祉職)

回を重ねるごとに心や体の感覚が自由になるのを感じました。今まで福祉職として「心を自由にしたら頭が働かなくなる。良い支援が出来なくなる」と、必要以上に自分を戒めてきたのかも知れません。(20代・福祉職)

活動の中で子どもから重大な悩みを打ち明けられたスタッフがいた時に、そのスタッフもどう回復していくのかということも考える機会になりました。(30代 / 地域活動・任意団体)

これまでは子どもの友達の親御さんたちやご近所さんなど接点はあるけど、そこまで関わってない人たちと、もっと仲良くなりたい、「もっと次に話せるようには...」と思っていました。今はあんまり考えすぎずに、親御さんたちや小学生にも話しかけるようになりました。(30代・会社員)

子どもたちへの声かけや同じ職場の大人たちの距離の取り方を、よく見るようになりました。これまでは「自分がどうするか」意識してきていましたが、CforCを受講して、人が言っていることの背景をこれまで以上に考えるようになりました。(30代・病院・学校・福祉施設スタッフ)

参加者の変化

市民性の発揮の仕方は人それぞれです。それでもプロジェクトを立ち上げたり、何か大きい活動をしなければいけないと感じ、「自分にできることは何もない」と思ってしまう人もいます。
CforCを通じて「自分にもこんなことができるかもしれない」「自分ができることをやっていこう」という人が増え、市民性発揮のグラデーションが生まれ始めています。

今年の参加者からは、今後こんなことをやってみたい!という声が上がっていきました。

  • 不登校やまちの人たちが集まれる居場所をこれからつくりたい

  • 普段関わっている子どもたちと社会との接点をつくっていきたい

  • ボランティア活動で出会う子どもたちだけでなく、まちの子どもたちにも関わろうと思う

  • 大きいことではなくとも、プロボノやまちで自分ができることをやっていきたい

現在CforC2021の報告書を作成しています。より詳しい報告を掲載予定ですので、楽しみにお待ちください!