市民性と専門性|CforCレポート

市民性と専門性 ~公的支援の立場から見る“非専門職”の可能性~

子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラムCitizenship for Children2023。第4回を2023年11月18日に開催しました。

第4回は、弁護士とソーシャルワーカーの協働を考える会/ちば子ども若者ネットワークの安井飛鳥さんを講師にお招きしました。
講座では、安井さん自身のキャリアとその時々に出会った子どもたちの事例やそこで感じた葛藤などをお話いただきました。安井さんは、弁護士とソーシャルワーカーの2つの専門資格をとったものの、専門職としての限界を感じ、現在はひとりの市民としてちば子ども若者ネットワークで活動をされているようです。専門職とひとりの市民という、両方の立場から子どもたちにかかわる安井さん自身の経験から、市民性と専門性とは何かを考える時間となりました。

「市民性と専門性 ~公的支援の立場から見る“非専門職”の可能性~」

Part.1 これまでの活動紹介
Part.2 “支援”の枠組みに乗らない・乗れない子どもたち
Part.3 対談① ~専門職として関わることの可能性と限界~
Part.4 対談② ~子ども・若者にとっての市民性と専門性~

講師への質疑応答・対話

午前中の質疑応答・対話のパートは、基礎コース・探求コースの参加者全員がリアルタイムに集い、自己紹介や講師への質問、参加者同士の対話を行いました。
参加者から講師に投げかけられた疑問や葛藤を一部をご紹介します。

安井さんから見て、支援の立場でない一般的な市民ができることとして、こんなことをする人がもっと増えればなという具体的なことはありますか?

専門家のアドバイスをもらいたいときに、誰に頼っていいか…お金がネックになったりする中で、動かない、動けないことって多いように感じます。

市民がやっている場に、専門家に一市民として参加してもらうにはどうしたらいいでしょうか?

弁護士とソーシャルワーカーというふたつの資格をもち、専門性を極めた安井さんが、専門性が増えるほどできないと感じることが増えた、と言葉を漏らしながら、市民としてのかかわりを模索している姿に、たくさんの視点をもらった参加者が多かったように感じます。

質疑応答でも、安井さんと参加者が一緒になって、迷い・葛藤しあう様子が見られました。専門性と市民性、どちらが大事なのかと二項対立で比べられるものでもなく、どちらも大事であり、専門家の方も一人の市民であるということが実感できました。

ゼミ活動

午後は、探求コースの参加者がワークを通してさらに学びを深めるゼミ活動を行いました。

今回のワークは、自身の資源について見つめるワークを行いました。自分の資源・資源性とは何か、個人ワーク、グループワーク、ペアワークを通して、仲間のことや自分自身のことについて、より深く見つめ直す時間となりました。
仲間や自分の新たな一面に気付き、ゼミ後の任意参加のお喋りタイムの参加者はこれまでで一番多く、1日プログラムを終えてからも、参加者同士の語らいが続きました。

参加者の感想 

専門性=直線的な解決を求められる

   =意思をコントロールしてしまっている?

    「うん」としか言えない状況を作ってしまうことがある

というお話にとても共感しました。

「支援の場」ではなく、「社会」で地域の人びとから声をかけられて初めて

「あ、私たち、無視されていない。私たち、居ないことになっていない。私たち、ちゃんと社会で生きてる」って思えるもんだよな、と思います。

市民性って「私には、ちゃんとあなたが見えているよ!」っていうメッセージなんかな?とも思いました。

(基礎コース・yoshimura)

CforC2023では今後も、様々なフィールドで子どもと関わる実践者や専門家の方を講師に招き、学びを深めていきます。

執筆:西角綾夏


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