まちの風景から眺める、子どもの暮らしと市民性|CforCレポート

まちの風景から眺める、子どもの暮らしと市民性

子どもと自分にとっての心地よいあり方をともに学び、実践するオンラインプログラムCitizenship for Children2023。最終回となる第6回を2023年1月27日に開催しました。

今回は、九州大学大学院人間環境学研究院専任講師/社会福祉士の田北雅裕さんを講師にお招きしました。

CforC2023基礎コース・探求コースの参加者は、下記4つのパートについて講師がお話した講座動画を事前視聴したうえで、プログラムに臨みました。

「まちの風景から眺める、子どもの暮らしと市民性」
Part.1 まちの風景から眺める 
Part.2 風景と市民性
Part.3 子どもにとっての相応しいデザイン 

講座では、田北さんが携わってこられたプロジェクトの事例を交えながら、風景やデザインについてどのように捉えているのかを語っていただきました。人と人との関係性はもちろん重要だけれども、人だけで何とかしようとしなくても、「人は、風景の中にいる」と、「風景」という視点で市民性について考えました。また、作り手側や社会的な視点での評価やインパクトだけでなく、当事者にとって相応しいデザインの視点を大事にする姿勢について学びました。

講師への質疑応答・対話

午前中の質疑応答・対話のパートは、基礎コース・探求コースの参加者全員がリアルタイムに集い、自己紹介や講師への質問、参加者同士の対話を行いました。
参加者から講師に投げかけられた疑問や葛藤を一部をご紹介します。

  • パブリックデザインを考えるうえで「工夫されていること」、「これだけは外せない」ということがあれば教えてください。

  • 当事者である子どもにとって最適なデザインをどう作っていくのかが難しいなと思っています。子どものためのデザインをどう実現していくのがいいでしょうか?

  • 田北さんがアドバイザーとしてさまざまなプロジェクトにかかわるうえで、まず考えること(観点)、あるいはまず行う作業はなんでしょうか。

ゼミ活動

午後は、探求コースの参加者がワークを通してさらに学びを深めるゼミ活動を行いました。ゼミ活動では、まちの資源を思い起こし、子どもたちにとって相応しい"機能"や"要素"を考えるワークを行いました。参加者自身の子ども時代の印象的な風景などの話もしながら、子どもを支えることは人だけでなく、風景といったものも資源になり得るのだと実感が高まりました。

また、最後にはこれまでのCforCで半年間学んできたプロセスを振り返りながら、自分なりの市民性や優しい間を描く、ペアワークも行いました。どのペアも自分なりの市民性や今後も大切にしたいことは何かについて、プログラムの開始時よりもぐっと深まった対話が行われ、半年間での変容を実感しました。

参加者の感想 

子どもへの関わり方・・・子どもと共にいるということ(時には直接かかわらないことも)、専門職でないからできること、大人が一番楽しんじゃうっていう考え方、風景の中に子どもも自分もいること、たくさんの気づきのあった時間でした。

こうでなければ!という考えではなく、自分自身も楽しみながら、これもやってみようかな、なんか面白いことができるかも、と言う風にゆる~くいろんなところへ軽やかにつながりを持ち続けていきたいと思います。

探求コース・すーちゃん

CforC2023では今後も、様々なフィールドで子どもと関わる実践者や専門家の方を講師に招き、学びを深めていきます。

執筆:西角綾夏


CforCプログラムでも大切にしている「市民性」について伝えるページをつくりました。市民性やその世界観を、より身近に感じていただけたら嬉しいです。

市民性はいつの時代もそこにあり、社会を紡ぐ大切な力になる。
だからこそ、PIECESは絶やすことなく市民性を照らし、育み続けたいと思っています。

寄付を通じて、子どもたちの周りに、そして私たちの周りに市民性を育む仲間になりませんか?