【PIECES ROOMレポート】小澤いぶきが今聞きたい、あの人の市民性 | VOL.2 犬山紙子さん

PIECESを応援してくださっている各界の著名な皆さまと一緒にライブ配信を行う「PIECES ROOM - 小澤いぶきが今聞きたい、あの人の市民性 -」の第2回を開催しました。

PIECES ROOMは、市民性の意味や、市民性の先にある優しい間が広がる世界について、PIECES代表の小澤いぶきとゲストの方が語り合う配信です。

第2回ではゲストに、イラストエッセイストの犬山紙子さんをお迎えしました。

子育て真っ最中という共通点から、実際のエピソードやそこで感じたことを中心に対談が進みました。こちらのレポートでは、配信の内容を簡単に紹介します。

専門家でない大人にもできることがあるはず

 コメンテーターとしてもご活躍されている犬山さんは、児童虐待の解決に取り組む「こどものいのちはこどものもの」としても活動をされています。日々子どものニュースに触れる中で、選挙権を持っているのは大人、子どもの意見や気持ちを汲み取ることも大人が積極的に取り組んでいく必要があるのではと感じられたそうです。「子どもに向けて、専門家でない大人にもできることがあるはず」「橋渡し、手を繋ぐ存在になっていきたい」とお話くださいました。

子どもたちから学ぶ市民性

小澤からの「市民性を感じた瞬間はあるか」という問いに対し、お子さんが1歳のとき、電車の中でぐずり始めた際に、小学生の男の子があやしてくれたエピソードをお話くださいました。お子さんだけでなく、犬山さんご夫婦もその小学生の行動に嬉しさを感じたとお話くださいました。小澤は、子どもたちといるとハッとする気づきがある。子どもたちの率直さが、人と境界線なく関わることを可能にしていると言及しました。

「わたしはここに居ていいんだ」という感覚

 市民性を発揮するには頑張る必要がある、と感じられる方もいらっしゃっるかもしれません。でも小さなことでも相手に安心感を与えることができると小澤は考えています。産後、犬山さんはあるお仕事の現場にて、子育て経験のあるスタッフの方が仕事をしやすい環境を整えてくれたエピソードをお話くださいました。「この気遣いが、『子育て中でも、わたしはここに居ていいんだ』という気持ちに繋がった。自分自身が救われた。」とお話くださいました。小澤は、「わたしはここに居ていいんだ」という感覚を連鎖・手渡しされる環境が生まれることへの願いを重ねました。

市民性の循環

続けて犬山さんから、小さなお節介を行っていくことが大事だと感じているとお話がありました。「子育てを経験することで、子育てに対する解像度が上がり、子どもに対する”市民性”が変わってくるのかもしれない。しかし、体験したくとも体験できないこともあるということを踏まえると、「考える教育」が必要だと感じている。そして、これは子育てだけではなく、マイノリティな分野に対しても当てはまる」とお話くださいました。また大人が姿勢を見せていくことも大切だとおっしゃていました。

犬山さんからのメッセージ

「センセーショナルなニュースを見た際に、怒りの感情が湧くことは起きてもいいこと。その上で、一度立ち止まり、予防するために自分なりにできることを考えることも大切なのではないか」とメッセージをくださいました。

リアルな子育てエピソードと共に、市民性について改めて考えることができた時間になったのではないでしょうか。「私はここに居ていいんだ」という感覚は、誰かの小さな気遣いから生まれていくものです。受けた気遣いが、次に誰かへの気遣いに繋がっていく、連鎖していく、その先に優しい未来が待っています。日々の生活において、自分を大切にしながらも、周りに対しての気遣いを持ち続けていきたいと改めて思えた時間でした。

PIECES ROOMの配信はアーカイブとして残っています。配信に興味を持ってくださった方はぜひ見てみてください。また、PIECES ROOMは様々なゲストをお迎えして、定期的に配信予定です。ぜひ今後もチェックしてもらえると嬉しいです。

最後になりますが、ゲストの犬山さん、配信を見てくださった皆さん、本当にありがとうございました。

執筆:広報ファンドレイズ インターン 挽地真央