PIECES代表理事の斎です。
2016年の法人設立以来、理事兼事務局長として事業運営に携わってきましたが、2024年度から代表に就任しました。
PIECESは元々、医療や福祉、教育などのフィールドで活動していたメンバーが偶然の重なりによって出会い、立ち上がった団体です。そこにあったのは、子ども・若者を取り巻く社会の歪さ、人の権利や尊厳が大切にされていない現状をなんとかしたいという想いでした。
そんな想いから始まったPIECESですが、これまでの活動や経験を通じて、一人ひとりがもつ「市民性」のもたらす影響に、大きな可能性を感じています。立場や肩書、評価やジャッジに拠らないひとりの人としての願いや想い。そこから生まれるまなざしや関わりが、誰かにとっての支えや力になる場面を幾度となく目にしてきました。
それは決して特別なことでも複雑なことでもありません。一人ひとりの存在はすでにそこにあり、「市民性」は誰もが持っているものです。ですが、今この社会においては、その特別ではない当たり前のものが、かえって見えにくい、気づきにくい、発揮されにくい状態になっているように見えます。
だからこそ、私たちPIECESは、「市民性」を照らし、育むことにチャレンジし続けています。市民性を手掛かりに、一人ひとりが自分や他者の存在そのものを尊重し、共にあること。一人ひとりが子どもや他者との応答や響き合いを大事にしながら、互いの権利や尊厳を大事にしていくこと。
時間もかかりますし、一歩ずつの小さな積み重ねの影響は目に見えることばかりではありません。それでも、「少しずつ、みんなで」を大切にこれからもチャレンジを続けていきます。それぞれのあり方・関わり方で、これからも協力や応援いただけたら嬉しいです。
最後に、2024年度もたくさんの応援・ご協力をいただき、1年間事業活動を進めてくることができました。様々な形でご一緒くださった皆さん、本当にありがとうございます。このアニュアルレポートは、普段なかなかお伝えしきれない活動の様子を少しでもお届けできればという想いで制作しています。
活動の合間を縫って、(締切に追われながらも)心を込めて作成しました。最初から最後まで、とはいかないかもしれませんが、気になるところだけでも目を通していただけたら嬉しいです。
★★★以下調整中★★★
2024年度は、設立から約8年間代表を務めてきた小澤いぶきから、 斎典道へと代表のバトンが継承されるという大きな変化の年になりました。 2024年7月13日には、都内の会場に100人以上の関係者・サポーターの皆さんに集まっていただき、 代表継承を記念したイベントを開催することもできました。ここに至るまでに生じた内面の葛藤や感情をさらけ出し、それを参加者の皆さんと共有した時間は、間違いなく今期のハイライトの1つと言えます。 きっと何年か、何十年か先にPIECESの歴史を振り返ったときにも、大切な一場面として思い起こされる出来事となりました。
また、昨夏に行った約5年ぶりとなるクラウドファンディングをはじめ、 PIECES メイトによる継続的な ご寄付、プロボノメンバーによる運営サポートなど、 この1年も本当に多くの皆さんの応援・ご協力の おかげで活動を進めてくることができました。
PIECESのフィールドに集まる一人ひとりの存在に日々本当に力を頂いています。 2024年度も本当に ありがとうございました。
2024年度は図のような体制で事業を行ってきました。 2025年度は事業の変化とともに組織体制を見直し、 新しい体制づくりを進めています。
2025年度、 全社として注力するのが、 他団体や機関等との「協力・共創の推進」 です。
2024年度に様々な協働的なプロジェクトに取組めたことで、 事業の展開方法に新たな可能性を 感じています。
これまではどちらかというと、 PIECES が単独で行う事業がほとんどでしたが、他の団体や機関、 企業等との協力や共創によって、より豊かなエネルギーや影響の広がりが生まれ始めています。 日々の発信などからビビッと来るものがあり、何かご一緒できそうなことがあれば、是非遠慮なく お声がけください。
そして、来年の2026年には、 設立10周年を迎えます。 その意味では、今年はこの10年で成して きたことを振り返りつつ、 次なる10年を見据えていく1年にもなりそうです。
少し疎遠になってしまった皆さんとも出会い直す1年にもできればと思っています。 イベントごとなどにお声がけする機会も増えるかと思いますが、 気軽に足を運んでいただけたら嬉しいです。
2024年度から新たに1名の心強いメンバーが理事として加わっています。
箕輪 憲良
(積水ハウス株式会社)
この世界は今日も 『分断』 へと進んでいる。
この世界を考える機会が多い今だからこそ、主語を小さく置いてみることが大切なのではないか。
主語を『私』にするだけで、 世界が少しずつ変わっていく。
虫の音ほどの小ささだったとしても、われわれから声を出していこう。
すべての人の朝が 『私』 から始まるように。