ワークショップ

「正解はないけれど、対話が必要だった」稲美町の『ゆるり家』が研修で見つけた、地域とつながる新たな一歩

兵庫県稲美町でこどもの居場所づくりに取り組む「NPO法人ゆるり家」。日々の活動に追われる中で、スタッフ同士が想いを共有し、地域へ活動を広げていくために、PIECES(ピーシーズ)による研修を実施しました。代表のりえさんに、研修を終えての率直な感想と、そこで生まれた「予期せぬ化学反応」についてお話を伺いました。

NPO法人 ゆるり家

兵庫県稲美町で、子育てひろば、月曜日の放課後だけの駄菓子屋さん、中学校内居場所、放課後居場所カフェなど、さまざまな居場所づくりを行っています。
いろんな『コドモ』を見守る、気のいい『オトナ』であふれる町を目指して、人がゆるやかに集う場をつくっています。

Instagramにて発信中!

https://www.instagram.com/yururiya173/

こどもにやさしいまちづくり 開催概要

第1回:こどもたちの今とおとなにできること
2025年8月30日 稲美町子育て交流施設 いなみっこ広場にて開催
・今日の目的
・自己紹介タイム
・「子どもの頃、何か支えになった存在はいましたか?」ワーク
・講演
 
子ども・若者たちのいま
 
大切にしたい「まなざし」と「関わり」
・対話の時間

第2回:こどもとの関わり方を振り返る
2025年12月17日 稲美町加古福祉会館にて開催
・ワークの目的
・価値観のメガネに気づく
・リフレクションペアワーク
・まとめ・感想共有


価値観のメガネに気づく
私たちが意見として表す言葉や行動の背景には、これまでの経験から形づくられてきた価値観があります。他者の背景を想像すること、そして自分の価値観をみつめることの大切さについてお話しました。

リフレクションペアワーク
参加者のみなさんには、事前に配布した「エピソード振り返りシート」に、子どもとの関わりの中で少しモヤモヤしたり葛藤を感じたエピソードを記入してきていただきました。

体験ワークとして取り組みやすいリフレクションのペアワークでは、定型の14つの問いを使ってお互いに問いかけ合い、少しずつ思考や願いを深めていきました。問いを重ねていくことで、話す人自身が、一人では気づけなかった相手の子どもと自分の願いや価値観に出会っていく。そのプロセスを、それぞれのペアがゆっくりと、二人で心を寄せながら深めている様子が印象的でした。

「こどもとの関わりを振り返る」研修の様子

スタッフ間で「立ち止まる時間」を共有できた

 「ボランティアでやっているからこそ、活動時間外に集まるのは難しい。でも、今回はその時間を共有できて本当によかった」。
りえさんは開口一番、そう振り返りました。 普段は目の前の子どもたちの対応に追われがちですが、今回の研修では「リフレクション(振り返り)」の手法を導入しました。研修には、ゆるり家のスタッフをはじめ、地元の社会福祉協議会職員や、広報を見て申し込まれた方など、計15人が参加されました。
個別のケースについて正解を求めるのではなく、スタッフ同士で「あの時どうだった?」と対話することで、「こういう時間が必要だったんだ」という再確認ができたと言います。

「外の風」がもたらした地域の変化 

今回の研修には、ゆるり家のスタッフだけでなく、行政職員や、大阪からわざわざ話を聞きに来た参加者もいました。

大阪からの参加者と地元の学童保育の先生、そして行政職員が同じグループで対話をするという、普段ではありえない光景が生まれました。

「外から学びに来る人がいるんだ」という刺激は、行政職員にとっても新鮮な驚きとなり、「良かったです!」とわざわざ声をかけられるほどの反響があったそうです。

「こどもにやさしいまちづくり」第1回はPIECES代表理事の斎が講演を行いました

広報紙から生まれた、ひとりのボランティアの物語

研修の成果は、人のつながりとして現れ始めています。

稲美町の広報紙を見て研修に参加したある女性は、その後、中学校内にある居場所のボランティアとして定着されたそうです。
さらに、その場での出会いがきっかけとなり、なり手不足だった地域の「主任児童委員」を引き受けることになったというドラマも生まれました。
 
「広報紙を見て来る人は少ないけれど、そこに掲載されたからこそ生まれる出会いがある。一人が動き出すってすごいこと」と、りえさんは手応えを語りました。

「対話の芽」を、今後は行政や地域全体を巻き込んだ勉強会へ育てたい

 「子どもの声をどう聴くか」。国の方針としても掲げられていますが、現場ではまだ手探りです。今回の研修で生まれた小さな「対話の芽」を、今後は行政や地域全体を巻き込んだ勉強会へと育てていきたい。稲美町で活動する「ゆるり家」さんの挑戦は、まだ始まったばかりです。

研修時にお話くださった「ゆるり家」代表のりえさん。


PIECESでは、講演・研修をお受けしています!

認定NPO法人PIECESでは、日本の子どもを取り巻く環境やPIECESの取り組み、一市民・一企業という立場でできることなどを知っていただくため、講演や研修などのご依頼をお受けしています。イベントや勉強会、ランチセッション、人事研修などの講師としてお呼びいただくことで、より多くの方々とともに、市民性醸成に取り組むことができます。
講演形式だけでなく、対話やワークショップを交えた形など、ニーズに合わせて柔軟に対応しております。

自治体にて講演・ワークショップを実施した時の様子

「私たちの企業・団体・自治体でも、研修・講演を開催してみたい!」 
「まだ具体的な研修内容は分からないけど、ちょっと話を聞いてみたい」など、ぜひお気軽にご相談ください。

個別相談会、実施中!

セミナーレポート|地域全体で子どもの育ちを支える

江戸川区児童相談所と協力してセミナーを開催しました

江戸川区児童相談所が主催する1DAYセミナー地域全体で子どもの育ちを支えるために私たちにできることにPIECESが協力しました。

当日はファミリー・サポート、子ども食堂のボランティアや里親など、子どものための活動に携わっている方や関心のある方にお集まりいただき、体験談や日頃の活動の悩みを共有することで、多視点から江戸川区の子どもや取り巻く環境を考える貴重な機会となりました。

セミナーでは、PIECES代表理事の小澤より「子どもの孤立とわたしたちにできること」をテーマに、子どもの孤立の現状や市民性が醸成されたまちづくりについてお話させていただきました。その後は事務局長 斎の進行のもと、おうち食堂(食事支援ボランティア派遣事業)や里親、ショートステイをされている方々より体験談を語っていただいたり、日常の中での子どもとの関わりや、子どもにとって居心地のよい地域について参加者同士で対話をしながら理解を深めていきました。

今後も、さらなる交流と協力を通じて、子どもたちにとって居心地のよい優しいまなざしに溢れた地域と人づくりをサポートしていきたいと考えています。

参加者からの感想(一部抜粋)

・たくさんの方が支援活動に興味関心を持ち、関わっていることを知ることができて良かったです。世の中はこんなにも温かいんだなと感じることができました。

・地域でどんなことができるのだろう、と思っていましたが、小さなことから市民として子どもたちに関われる機会ってたくさんあるんだなと感じることができました。

・里親になることに対してハードルが高いと感じていましたが、リアルなお話を聞けて短期間から子どもたちの受け入れが可能ということですごくハードルが下がりました。

・困った人を助けたいという同じ思いがある方が多く、そういう力を合わせて活動が出来ればいいなと思いました。

1DAYセミナー「地域全体で子どもの育ちを支えるために私たちにできること」
日時:2024年2月18日(日)14:00~16:30
主催:江戸川区児童相談所  協力:認定NPO法人PIECES
場所:篠崎文化プラザ第一・第二講義室(東京都江戸川区篠崎町7-20-19)
参加者:約45名

当日のプログラム
①講演      : 児童精神科医による「子どもの孤立とわたしたちにできること」
②体験談     : おうち食堂、里親、ショートステイ協力家庭など
③みんなで考える : ワークショップ/グループトーク

「私たちの地域でも、研修・講演を開催してみたい!」 そんなご要望がございました以下までお問い合わせください。

【イベントレポート】子どもと一緒に考えるワークショップ「子どものけんり」ってなあに?を開催しました

11月27日、PIECESの本郷オフィスにて『子どもと一緒に考える「こどものけんり」ってなあに?」イベントを開催しました。4歳から中学生まで10名の子どもたちと保護者の方6名が参加してくださいました。

はじめに、今日この場で大切にしたいこととして「思ったこと、感じたことは自由に表現すること、思ったことは否定せずに受け止めること」などを伝えました。子どもの権利条約にある4つの原則のうちの「子どもにとって最も良いこと」、「意見を表明し、参加できること」にも当てはまります。イベントを通じて少しずつ参加者の緊張感もほぐれていったように感じました。

子どもたちには会場の中を歩いて、子どもの権利条約が書かれたシールを集めてもらい、ワークシートに貼ってもらいました。子どもの権利条約は54条ありますが、その中で特に子どもたちに伝えたい10個を厳選しました。イラストレーターのひらのりょうさんのイラストを使用させていただき、シールを作成し、「イラストが可愛い!」と子どもたちから好評でした。

シールを集めた後、 シールにどんなことが書かれているのだろう?と見返してもらい、代表理事の小澤いぶきから子どもたちへいくつか問いを投げかけました。「学校のルールってどうやって決まっているのだろう?」「どんなときに自分の気持ちを伝えている?」など普段生活しているなかでどう過ごしているのか、振り返って考えてもらいました。生活しているなかで子どもの権利があるということに気付いてもらう時間となりました。

参加者の声

子どもたちからの声

・シール集めが楽しかった。

・色々なことを伝えることができてまあまあ楽しかった。

・「戦争(せんそう」から守る」権利があったけど、日本は戦争をしないのになぜこの権利があるんだろうって思った。

保護者からの声

・子どもがリラックスしていました。

・子どもの発言を聞けるのが楽しかった。子どもにもわかりやすく伝えて頂けて嬉しかった。

・子どもがどんな権利に興味を持つのか意外な面も見れたりして面白かった。

・子どもの権利についてのスタンプラリー(シール集め)の時に様々な権利を学ぶことができて良かった。

・子どもたちが自分や周りの人たちを大切に感じられる機会になるPIECESさんならではのワークショップにまたぜひ参加したいです。

今回のイベントを機に「子どもの権利というものがあるんだ」と知り、それはどんな権利があるんだろう?と気にかける最初の一歩になったら嬉しいです。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

最後に、今回のイベントではPIECESメイト(月額寄付者)の方にもご協力いただきました。会場案内、子どもたちの見守りや写真撮影等のイベント運営にご協力頂きまして本当にありがとうございました。

PIECESでは、「こどもがこどもでいられる社会を」目指して活動しています。「子どもの権利月間」として12月15日までキャンペーンを開催中です。子どもの権利条約について知るコンテンツをご紹介しています。