協働

“発信の先にいる子どもを想像する”ーメディアと子どもの対話の記録(動画)を公開しました

2024年度から開始した「子どもの権利に根ざした情報発信ガイドラインに向けた調査プロジェクト」(主催:一般社団法人Everybeing)において、今年度PIECESでは、「子どもとメディア関係者による連続勉強会(対話の機会)」の企画・運営を担いました 。

この度、そのプロセスをまとめたドキュメンタリー動画が公開されました。
この動画は、メディアに関わる大人と子どもたちが、一人の人として「子どもの権利」と「これからの情報発信」について語り合った対話の記録です。

▼公開動画はこちら(約7分)

「誰にどう届くのか」を想像する。PIECESの発信ポリシーとの重なり

PIECESでは日頃から「発信ポリシー」を掲げ、「そのアウトプットが、誰にどう届くのか、誰かの尊厳を傷つけていないか、不安を過度に煽っていないか」と立ち止まり、みつめることを大切にしています。

今回のプロジェクトでは、まさにその視点がテーマとなりました。

情報があふれる現代において、デジタル技術は子どもの学びを広げる一方で、情報の偏りやSNSのトラブルなど、ウェルビーイングを損なうリスクもはらんでいます。しかし、社会の議論は「子どもを守るためにどう規制するか」という側面に偏りがちです。

私たちは、大人の視点だけで一方的にルールを決めるのではなく、「子ども自身の声を聴き、共に考えていくプロセス」こそが、子どもの権利を尊重し、尊厳を守る実践だと考えています。

対話から見えてきた、子どもたちの願いと大人の気づき

全4回の勉強会には、新聞・テレビ・PR・行政など多様な立場の大人19名と、小学生から高校生までの子ども7名が参加し、子どもたちからは率直な願いが語られました。

・大人の都合で価値観を押し付けるのではなく、子ども自身の声や感じ方も尊重してほしい
・ニュースで不安を煽るだけでなく、社会が良くなる希望を感じられる情報を届けてほしい

これらは、PIECESが発信において大切にしている「不安を過度に煽らない」「偏見や排除が生まれる社会構造を強化しない」という視点とも重なります。

この声を受け取ったメディアに関わる大人からも、「報道が無意識に『普通』を再生産してしまう危険性」への懸念や、「一方的に伝えるメディアから、ともにつくるメディアへ転換する必要性」など、多くの気づきが共有されました。

優しい間が紡がれる社会に向けて

一つの記事、一本の番組、一枚の広告の先にいる「一人の子ども」を想像すること。それは、メディアに関わる人だけでなく、SNS等で日々発信を行う私たち一人ひとりにも通じる大切な「市民性」の形です。

PIECESはこれからも、子どもたちの声が尊重され、その尊厳が守られる社会の実現に向けて、多様なセクターとの対話や協働を進めてまいります。

今年度の調査や対話から得られた知見をもとに、来年度は子どもたちや専門家と協働し、広く社会に実装するための「メディアの情報発信ガイドライン(手引き)」が作成される予定です。

子どもたちへのメディアに関する大規模調査の結果を含む、詳しいレポートは、主催者であるEverybeingが制作した以下報告書をご覧ください。

子どもの権利に根ざしたメディアガイドライン策定のための調査プロジェクト 2025年度報告書

 

※本事業は日本財団の助成を得て実施しています