子どもとの関わりにおける専門性と非専門性〜PIECES公開講座第3回 & CYWゼミレポート〜

こんにちは!

コミュニティユースワーカー4期生の大越、中原です!

9月16日、月に一度の公開講座とゼミが開催されました!

公開講座はコミュニティユースワーカー(CYW)育成のためのプログラムなのですが、

今期から一般の方々にも足を運んでいただける、公開講座となっています。

第3回目の今回の講師はPIECESの副代表である荒井佑介さん。

テーマは、《専門家ではないからこそできる子どもの支援》

DSCF1310.JPG


非専門家として、一市民としての関わりの可能性を探る
というのが今回の研修の目的でした。

講座の中で、荒井さんが子ども達と関わる中で気づいたこととして、
一人の子の周りに多様な大人がいることが重要とあげられていました。

そのために私達コミュニティユースワーカーは
子ども達が持つ課題やリスクばかりに目を向けるのではなく、
その子の持つ “可能性”や、“興味” に焦点を当てて接することが大事だと再確認しました。

そして子ども達が興味関心を持つことから私達の身近な所にある、
社会資源(多様な大人、機会、企業、地域など)に繋げるという“つなぎの支援”という、
具体的な継続支援のかたちを紹介されていました。


また、「PIECESは親に対するケアや支援は行わないのか」という質問が上がりました。
その答えとして、私たちは非専門的に子どもの孤立や貧困に関わる中で、
“出来ることと出来ないこと”の線引きをはっきりとし、活動することが大事であると強調されていました。

フォーマルな部分、課題やリスクの解決は専門職の方に任せ、
コミュニティユースワーカーはインフォーマルに、子ども達の可能性に目を向けることで
私たちの持つ市民性を活かして活動ができるのだと感じました。

そして講座の後半、ワークとしてクリエイティブケース会議というものを実践しました。
クリエイティブケース会議とは、福祉的なアプローチだけでなく、多様な大人で多様な支援方法を創発するという、PIECES独自のもの。

DSCF1280.JPG


実際にやってみたところ、私の班では
落ち着きがなく集団の場ではイライラしがちな男の子の事例で、
本人がかなりの虫好きであるというところに着眼して、図鑑などを使って勉強を促す、虫に関係するイベントなどで大人の虫仲間を作る
などの案が上がりました。

この案を全体に向けて発表したとき、この講座に参加されていた方の中に、
ファーブル記念館の職員の方が知り合いという方がいて、一同驚き。(笑)
意見は発信してみるものですね!
多様な人が集まる場でのネットワークの力も感じました。



そして、お昼からは後半の部でCYWだけのゼミを行いました。
まずは、場の雰囲気をほぐすために毎回恒例のアイスブレイクからです。
今回は身体を動かして表現する「5秒フォト」というアクティビティをしました。

お題に合わせて思い思いに描いたイメージを言葉は使わず身体をフルに使って表現します。みなさんは下の写真が何のテーマか分かるでしょうか?(笑)

スクリーンショット 2018-10-21 10.14.14.png


正解は「ゾンビ映画」でした。皆さんさすがの表現力ですね!何より楽しそう!

アイスブレイクは大盛り上がりでした。



こうして場がほぐれたら、そのままゼミに入っていきます。
今回は、第1回目から実践している『プロセスレコード』からの学びをより深めるために、代表事例を1つ取り上げて、その内容について全員で考察を深めていきました。


『プロセスレコード』とは、主に医療現場で用いられている、自己のコミュニケーションのパターンを客観視するための方法です。(詳しくは第2回ゼミレポートを参照)


今回の事例は1人のCYWと2人の小学生の間のコミュニケーションで起きた事例を取り上げ、まずそのCYWに簡潔に事例を紹介してもらいました。

その後、他のメンバーからもっと詳細な事実を質問ベースで洗い出し、その事実を基に各登場人物のその時の心情や関係性に仮説を立てていきます。


今回最も学びとなったのは、CYWそれぞれでも職業や性格などによって観察する際の視点が異なり、そして同じ部分を見ていたとしても仮説の立て方が全然違うことでした。

ある子ども1人の言動に対して、同じCYW内でも全く正反対の対応をとると予想した事例もありました。

4期は11人のCYWですが、11通りの見方・考え方があって、その多様な視点を持って1つの場面を考察するということから、普段自分では思いもつかないような考え方があることに気づきました。

こうして、それぞれの違いから、これまで自分が想像の及ばなかった範囲に想像を膨らませることができ、大変学びになりました。


DSCF1351.JPG

全体での事例分析を終えたら、グループに別れて、それぞれのプロセスレコードの振り返りをグループワークとして行いました。

前回のゼミから1か月ほど間があり、皆それぞれにpiecesの居場所に参加し、子どもたちと関わってきました。その居場所で子どもたちとかかわる中でもやもやしたこと、気になったことを、プロセスレコードにまとめてきたので、各々発表し、その発表に対して質問を重ねてより深い分析を行っていく、という作業を繰り返していきました。

少しずつこのプロセスレコードの書き方や分析方法にも慣れてきて、書きながら子どもたちの言動を分析する作業もスムーズにできるようになってきた気がします。

実際に子どもたちと関わりながらも様子を伺いながら、その場その場にあった言葉や態度を示していって、子どもたちの素直な気持ちや願いを引き出せるようになりたいな、と思うところです。

次回はより精度をあげたプロセスレコードが書けるように観察力や分析力をもっともっとあげていきたいです!いよいよこの連続企画も後半戦に入りますが、まだまだ私たちのゼミは続いていきます。

===========================

10月の公開講座は、10月21日(日)10時~12時 に開催します。

10月のテーマは、「子ども支援のこれからのカタチ~地域福祉の視点から考える”非専門職”の可能性~」です。

講座の詳細やお申し込みは追ってお知らせします!