事務局長からのお便りVol.5

こんにちは、PIECES理事/事務局長の斎です。
各地で寒波の影響が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

私は、先週1週間が、2023年の第一四半期でおそらく最も忙しい1週間だったのですが、それをなんとか乗り越え少しホッとしているところです。(がしかし、その代償として持病の腰痛を再発させてしまったので、2月前半は心身のリカバリーに充てたいと思います。。)

さて、「31日(サイの日)」にのみ更新するこのお便りも、今回で5回目となりました。最近ある社外の方とお会いした際に、「斎さんのアレ、読んでますよ」と不意を突かれてドキッとさせられることがありました。
意外な方だったので、今もその面影がチラついているのですが、あまり読み手の顔を想像しすぎても何も書けなくなってしまうので、今年もその時々のトピックについて、私の主観や心の声も交えながら、あるがままに綴っていこうと思います。

「CforCコンソーシアム」のキックオフイベントを終えて

度々このお便りでも触れてきましたが、PIECESがコア事業として行う「Citizenship for Children(CforC)」が次なるステージへ向かうための新たな取組「CforCコンソーシアム」というプロジェクトのキックオフイベントを、1月26日に開催しました。

開催してみてまず率直に驚いたのは、参加申し込みの人数です。まだまだ認知が広がる前の段階なので、告知を始めた当初は20~30名くらいでこじんまりと開催かなと想定していました。が、いい意味でその予想は裏切られ、最終的には100名近い方から申込を頂き、たくさんの方に関心を寄せていただく機会となりました。

当日は、プロジェクトの構想内容や実施背景を私からお伝えするとともに、プロジェクトへの資金提供者である「公益財団法人トヨタ財団」でプログラムオフィサーを務める武藤良太さんにお越しいただき、なぜいまこのプロジェクトが社会にとって必要で、どんな期待をもって採択したのか等々についてもお話しいただきました。

さらに、実際にCforCの取組を自地域に取り入れることを検討中の中間支援機関の方にも急遽登壇いただき、その動機や期待についてお聞きすることができました。

お二人にはとても素敵な話をしてもらった一方で、私自身は、いろいろと伝えたい想いが強すぎたあまり、話がついつい冗長になり、終了予定時間をだいぶオーバー。それでも最後までたくさんの方が残ってくださり、温かい時間を過ごすことができました。

参加後のアンケートでは、ありがたいことに6割くらいの方から、「自身の関わる団体・機関等として、コンソーシアムへの参加やCforCプログラムの協働・連携について積極的に検討したい」、あるいは「個人としてCforCやコンソーシアム運営に参加・協力したい」といった声を頂くことができました。

その他にも、

・PIECESの今後目指していく世界観がわかった。
・コンソーシアム構想の意図・内容やトヨタ財団の目指しているところがよくわかった。
・「課題解決」以前に、「課題を生まない」地域や社会を市民が主体となってつくる、というトヨタ財団さんの考え方は、PIECESの価値観ととてもマッチしていて心強かったです。
・自団体でもエッセンスを取り入れたり、協力・共創していきたいと感じる内容でした。高島社協の方のお話も印象的で学びになりました。

といった嬉しい言葉もたくさんありました。

一方で、「理念には共感したけど、話の内容が難しかった」「ハードルが高いと感じた」という声もあったように、まだまだ広く協力を呼び掛けていく上では、課題も山積みです。
一朝一夕には変化は難しいですが、地に足つけて多くの方々とじっくり対話しながらコンソーシアム化を進め、市民性の醸成、そしてその先にある子どもの孤立を防ぐコミュニティづくりに寄与していきたいと考えています。

今回申込はしたものの、当日参加できなかった方も多数いらっしゃるので、また本プロジェクトの経過については、時々報告会などを開催していけたらと思います。
今後もできる限りプロセスをオープンにしながら進めていく予定ですので、是非参加できる形で協力・共創の輪に加わっていただけたら嬉しいです。

一年のうちで、もっとも頭を悩ます仕事の話

今回はもう一つ、今まさに現在進行形で進んでいる、一年のうちで最も頭を悩ませ、心を消耗する仕事の話について綴ってみたいと思います。

小さな組織の運営・経営に携わる方には共感していただけるのではないかと思いますが、ズバリ「採用」の仕事です。

大事なのはわかるけど「もっとも」ってことはないんじゃない…と思われるかもしれませんが、これがこれが本当に命を削って取り組んでいると言っても過言ではありません。
というのも、PIECESのように正職員が10人にも満たない組織では、当然一人が組織に与える影響が大きくなるため、そのプロセスは慎重にならざるを得ません。
また、組織のフェーズが少しずつ変化する中で、今この組織にどんなコンピテンシーやスキルを持った人が必要なのか、あるいはどんなカルチャーをもたらしてくれる人が必要なのかを定義すること自体がとてつもなく難しいという側面もあります。

さらに、これは私自身のソーシャルワーカーとしてのアイデンティティがもたらす職業病のようなものかもしれませんが、どうしても人を評価・判断することへの抵抗感が染みついているらしく、気を抜くと面談の場がどうしても共感的になってしまうのです。
そのため「選考モード」のスイッチをオンにし続けることに多大なエネルギーを要してしまうという話もあります(そこは単なる力量不足でしかないのですが。。目の前の人を全人的な存在として尊重するところから始まるソーシャルワーカーが、採用をうまく進めるための心得をご存知の方がいたら是非教えてください笑)。

今回は採用説明会への参加者が80名、書類応募者が29名と、いずれも過去最も多くの反響がありました。たくさんの応募があるというのはこの上なく嬉しいことではあるのですが、応募枠が少ない分、お断りしなければいけない方の人数も多くなります。
皆さんそれぞれに尊いミッションを持っていたり、PIECESへの深い愛を感じたり、そのスキルなんとかPIECESで活かせないかと思わずにはいられなかったり、、それでもどうしたって一緒に働きたいと思った人全員にオファーを出すことはできず、泣く泣くごめんなさいの連絡を入れることになります。それが本当になんとも言えないツライ時間で、ごめんなさいの連絡に対して頂く返信メールとかまぁとてもすぐには開けません。。

採用活動を通じて、どんな人との出会いがあるのか、どんな人とご一緒できるかを想像したり考えたりすることの楽しさも当然ある一方で、この心のすり減り具合はなかなか慣れるものでもなく、早く終わってほしいというのが正直な願いです。笑

そんなわけで、私だけでなく採用に関わる他のスタッフも皆、連日うんうん唸りながらも頑張っていますので、このプロセスの先に無事に新しいメンバーの入職が決まった暁には、温かく歓迎してもらえると嬉しいです!

ということで、今回も相変わらずの駄文長文ですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
また31日にお会いしましょう。