いつもPIECESの活動を応援いただき、誠にありがとうございます。
2026年6月22日、PIECESはNPO法人化から丸10年という大きな節目を迎えます。新年度のスタートにあたり、これからの10年に向けた組織の現状と、新たな挑戦への決断についてお知らせいたします。
PIECES誕生から丸10年と、足元の現在地
設立初期から「市民性」という、目に見えにくくすぐに結果が出るわけではない価値を真ん中に置き、今日まで中長期的な取り組みを続けてこられました。これもひとえに、スタッフ、プロボノ・ボランティアとして関わってくださった皆さま、そして「PIECESメイト」をはじめとした寄付者の皆さまが、活動と応援のバトンを繋ぎ続けてくださったおかげです。心より感謝申し上げます。
しかし、喜ばしい節目を前に、現在PIECESは資金面で非常に苦しい状況に直面しています。 社会課題が複雑化する一方で、世の中の支援の流れは、目に見えて分かりやすい問題解決や緊急支援などに注目が集まりやすい傾向があります。当団体が取り組むような根本的な課題へのアプローチには資金が集まりにくく、ここ数年大口寄付は減少傾向にあります。一時は最大500名近くいらっしゃったPIECESメイトも、現在は約300名まで減少しているという足元の現実があります。
これはNPOセクター全体に吹く逆風でもありますが、外部環境の変化の中で改めて団体としてのあり方が問われています。このままでは持続可能な形で社会に価値を届け続けることはできないという強い危機感のもと、PIECESは次の10年に向けて、事業と組織に関する2つの大きな決断をいたしました。
次の10年への決断①:分散から収束へ、多摩市での「拠点づくり」
1つ目の決断は、事業のアプローチを「分散から収束へ」とシフトすることです。
これまでオンラインの「CforCプログラム」などを通じて、全国各地に「点」として市民性の種火を届けてきました。しかし、PIECESが大切にする「市民性」や「優しい間」の価値は、画面越しだけではなく、同じ時間、同じ空気を共にする「身体性」を伴ってこそより深く伝わると実感しています。
そこで、全国に広げるアプローチから一旦舵を切り、東京の多摩市という地域での「面」の実践へとリソースを集中させます。現在、多摩市内にユースセンター機能を持つ拠点をつくるべく準備を進めており、地域でリアルな体験や感覚を大切にした「場づくり×人づくり」のモデル構築に取り組みます。
これに伴い、毎年全国に向けてオンラインで開催してきたCforCプログラムは休止し、CforCで大切にしてきたエッセンスは、多摩市での人づくりの実践に引き継いでいくことにしました。ゆくゆくは、各地に種火が広がるための仕組みづくりを再開することを目指し、まずは目の前の一人ひとりに価値を届け、簡単に消えることのない熱源となる場をつくっていきます。
次の10年への決断②:コミュニティ運営の再編
2つ目の決断は、コミュニティ運営の見直しと再編です。
これまで、CforCのアルムナイ、寄付者(PforP)、団体(ひびラボ)など、複数のコミュニティが分散していました。これを属性ではなく「市民性」を真ん中に置いた新たなコミュニティの形へと再編していきたいと考えています。
日常的な運営にかけていたエネルギーをシフトさせ、今後は年に一度の「ハレの場」の開催に注力します。今年の秋には10周年記念イベントを開催し、それを皮切りに「市民性の祭典」のようなものを毎年開催していく構想を練っています。これまで関わってくださったすべての方ともう一度繋がり直し、社会への旗揚げとして新たな仲間の輪を広げるための入口にしていきます。
変わるもの、変わらないもの
アプローチの手法や形は大きく変わります。それでも、PIECESのコアにある「市民性」や「優しい間」、一人ひとりの存在を大切にするという価値観は全く変わりません。市民一人ひとりが自分と他者のBeing(存在・尊厳・願い)を大切にし合える社会を実現したい、その想いも不変です。
次の10年、多摩という地域で、そして新しいコミュニティの形で、PIECESの第2章が幕を開けます。少しずつ形を変えながら進んでいくPIECESの新たな挑戦を、今後とも共に面白がり、応援していただけますと幸いです。
新年度も、認定NPO法人PIECESをどうぞよろしくお願い申し上げます。
