2024年|新年のごあいさつ

皆さま、こんにちは。

地震や羽田空港のニュースなど、いつもと違う状況が続き、緊張が途切れない時間を過ごしていらっしゃる方もいるかもしれません。
今後、さまざまな状況の変化があるかもしれません。何よりまず安全を第一になさってください。

ご自身の心身の状況や、まわりの方や大切にしているものなどを含めて、みなさまのご無事を心からお祈りいたします。

昨年もさまざまなことが起こる中、改めて市民性ということを考えた年でもありました。
何か大きなことが起こって初めて、社会が動いた感覚や、どんな方向に動いたのかに気づくことがあります。

大きく状態が変わったように感じるまで、社会は日々変化していて、自分自身の手元からそれは紡がれているはずなのに、それを感じるのは時に難しいこともあります。

例えば、水が氷になったり、飽和状態になった塩水に結晶ができていくような状態変化は、周囲の温度や環境の影響はもちろんのこと、飽和した状態や、分子が一定程度結合するような状態が満ちて初めて目に見えます。

私たちという社会のことを考えた時、結晶の核となるように旗を振る人や何らかの振る舞いがあったとして、そこから状態が変化していくのは、市民性が満ちるような日常や文化を育んできた私たち一人ひとりがあってこそなのではないかと思うのです。

これ以上進んでほしくない状態を止めるのもまた市民性で、どんな状態に変化していくかの方向に大きく影響しているのも市民性。

突然起きたように思えることにも私たちは関わっているし、それがどうなっていくかに関わることもできる。

大きな状態の変化に時に戸惑い、自分の存在がとてもちっぽけに感じることもあるかもしれないけれど、それぞれの存在があるから動いたさまざまなことが実はたくさんあるんだと思います。

市民性はいつも自分にあり、隣にあって、それが点在しているものではなく、面として繋がっているものだと感じた時、私たちの市民性はさらにあたたかく灯されていくのではないか、そんなことを想いながら、あちこちにある市民性を照らす、そんな営みを私たちは始めています。

今の私たちがきっと「あれ?社会が動いたね」と感じる状態と繋がっているから。

市民性は、特権がある人だけが使えたり、受け取れたりするものではないからこそ、私たちは、日常にある「これも市民性なんだ」と感じるようなふとしたまなざしを照らしてもいます。

大きな痛みが生まれた時、尊厳があちこちで痛んだ時、それが癒えていくには、明日も市民性が交わされるという安全で安心な大丈夫感が大切なのだと思います。

それぞれが大切にしたい日々が早く戻りますように。そしてそこに私たちが関わっていることを大切にしながら、共に今年も市民性の満ちた社会を紡いでいけたら嬉しいなと感じています。

皆さまにとって、あたたかな一年となることを願って、それぞれにとっての一年を大切にできる土壌を広げていきます。

 

これまでいろんな人たちが積み重ねてきた知恵、自身を一人の大切な存在としてまなざしを向けること、子どもも大切な一人の存在としてみつめる視点から、子どもに関わる専門家の方々と一緒に以下を作成しました。

もしよければご自身のタイミングとペースを大切にしていただきながら、手に取っていただけますと嬉しいです。


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