どんな子どもも、を目指して
 

私たちPIECESは、どんな子どもも尊厳を持って生きられる豊かな社会を目指して、子ども達が孤立しない仕組みを作る活動をしています。 

医療の現場を通して出会った、社会の分断と子どもの孤立

私は、これまで精神科医、そして児童精神科医として臨床に携わってきました。

虐待、いじめ、貧困。医療での臨床を通して、このような課題は複雑に絡み合っているので、課題の根底にアプローチするためには、専門機関やどこか一つの組織の力、個人の努力だけでは限界があるということを痛感しました。

そして、子どもを課題の背景に共通している、子ども達の孤立という現象と、孤立を生み出している、現代に合わせた共助の希薄化や、子どもの育ちを支えるステークホルダーの分断に気づきました。 

医療に来た時には、誰にも頼れず、助けてもらえず、孤立した中、傷が深まっている。何かに挑戦する意欲も奪われている。そんな子ども達に会うたびに、もっと前になんとかできたのではないか、もっと包摂的なアプローチははできないのだろうか、という思いが強くなりました。 

環境に強く依存して生きる子どもは、環境によって生きる意欲を奪われることがあります。そうであるなら、子どもが持っている力を引き出せるのも環境です。深い孤立状態を生んでしまう前に、多様で包摂的なセーフティネットをなんとか子どもたちの周りに築いていきたい。そんな想いでNPOを立ち上げることを決意しました。

孤立しない仕組みを、新たな共助の構築と、協働によるセーフティネットにより実現する。

孤立がうみだされない社会はどうやったら実現するのでしょうか?

一つは、子どもに関心を向け、育ちを支えあうような共助の再構築です。 

共助が広がっていくことで、孤立が予防されやすくなります。私たちは、現代に合わせた新たな共助が、それぞれの地域の文化に合わせて促進される仕組みを作っていきます。 

二つ目は、公助、共助、自助の分断がつながり、子どもの育ちを支える包摂的なセーフティネットワークが構築されることです。 

私たちPIECESは、顕在化した、これらの課題を点で解決していくだけでなく、課題の根底に対して、市民や企業、行戦、専門機関が共に関心を向け、それぞれの役割を持って協働し、面で アプローチできる仕組みを作っていきます。 

 

子どもが豊かに育つ社会を目指して

 

子どもの豊かな育ちにとって、医療などの専門機関や行政の果たす役割が重要なのは言うまでもありません。しかし、子供の課題にアプローチするためには、そういった専門機関だけではなく、私たち市民も手と手を取り合う必要があると感じました。

子どもたちが希望や可能性をもって生きていけるようになるためには、必ずと言っていいほど、子どもの日常を共にする「人」との関わりがあります。行政や医療の専門性と市民性を掛け合わせていくことこそが、課題の根底にアプローチしていく上で重要なトリガーになると信じています。

誰か、何かだけで社会のことを解決するのではなく、私たち一人一人が誰かの頼り先になり、私たち一人一人がいろんな頼り先を持っている、子ども達の育ちが、そして社会のことが自分ごとになっていく、そんな寛容で豊かな社会は、子供だけでなく誰もが孤立せず、包摂される社会になると信じています。そんな社会を、これを読んでくださっている皆さんとも実現していきたいと思っています。

 

 

小澤いぶき
NPO法人PIECES代表理事/Co-Founder
東京大学先端科学技術研究センター特任研究員/児童精神科医
どんな環境に生まれた子どもたちも権利と尊厳をもって生きていくことのできる社会をめざし、子どもの育ちを支える有機的な生態系づくりを行っている。Pe’Canvas(生きる力を文化、芸術を通して学ぶ親子の教育プログラムを実施)立ち上げ及び運営にも携わる他、子どもも大人も立場を問わず「1人の人としての幸せ」を考えるasobi 基地 副代表としても活動中。