活動報告

PIECESメイトトークを開催しました|PforPレポート

「PIECESの他の寄付者のことを知りたい」というPIECESメイト(継続寄付者)の声から始まった「PIECESメイトトーク」。「人」にフォーカスして、自身の仕事や取り組み、人生についてゲストの10分間のフリートークを通じて、新たな出会いと繋がりを楽しむ場になっています!
2023年9月から12月までに5回開催したので、その様子をお伝えします。

2023年9月からスタートしたPIECESメイトトーク。12月までに都内で4回、京都で1回開催しました。毎回20名前後の方にご参加頂き、新たな交流が生まれています!

PIECESメイトトークでは、2名のPIECESメイト(継続寄付者)に登壇いただき、ご自身の活動や取り組んでいることなどを10分程度お話してもらっています。
ゲストスピーカーを囲んでの対話・交流タイムでは、ゲストから更にじっくり話を聞いたり、参加者一人ひとりがその場で感じていることを共有する時間を過ごしています。

イベントの企画・運営はPIECESメイトを中心に行っています!

最初のチェックインでは、ゲームを取り入れたり、初めて参加する参加者同士が交流できるような工夫をしています。

参加者の声

  • メイトのお二人のお話も興味深かったですし、他の参加者の皆さんとのお話も楽しかったです。人と人をつないでくれる場は貴重だなと思います。ぜひ続けてください。

  • 個性豊かな方々に出会えすぎて、すごく充実した時間に恵まれた

  • ”何をしているかわからないと言われる人たち”とたくさん知り合えました。皆さんの活動が素敵だなと。皆さんのお話を伺えてよかったです。もっと聞きたい知りたいというお話がたくさんありました!

  • 人にはわかりにくい、のかもしれないけど、足を一歩踏み込めば、逆に、何が分かりにくいのか、分からなくなる、PIECESを常識にしていきたいですね

  • 絶対に素敵な気持ちになれるからおすすめしたい

PIECESメイトトークはPIECESメイト(継続寄付者)でなくてもご参加頂けます。
様々な方と交流する機会となっていますので、PIECESに関わる方と知り合ってみたい!いろいろな活動をする方々と話したい!という方はぜひご参加ください!



寄付者限定のオンラインスペースPiece for Peace(PforP)のご案内

PforPは、PIECESにご寄付頂いているみなさまが、社会も自分もwell-beingになることを目指して、イベント参加や寄付者同士で交流できるオンラインコミュニティです(詳細はこちら)。まだ入っていない!という方は、お気軽にお問い合わせください。

また、これから寄付してくださる方には、寄付後にPforP加入の案内をお送りいたしますので、この機会にぜひご検討ください(※単発寄付者の方も、期間限定でPforPに参加いただけます)。

みなさんと市民性醸成の道を一緒に歩んでいくことを楽しみにしています!


1月のPIECESメイトトークのご案内

日時:2024年1月26日(金)19:30-21:30
会場:株式会社STYZ オフィス
住所:〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-59-4 クエストコート原宿102
アクセス:JR山手線 原宿駅 徒歩6分、東京メトロ千代田線・副都心線 明治神宮前駅 徒歩8分
参加費:大人1,500円、学生 500円
対象:寄付者(単発・メイト)の方、PIECESの活動に興味を持っている方
定員:20人

PIECES寄付者限定オンラインスペースPiece for Peace 【8月の活動ダイジェスト】

寄付者限定のオンラインスペースPforPの8月の様子をお知らせします。
※PforPは、メイトの皆様が寄付をしながら、社会も自分もwell-beingになることを目指して、イベントの参加やメイト同士で交流できるオンラインコミュニティです(詳細はこちら)。

日常を豊かにし、市民性を醸成するオンラインスペースPforP8月のダイジェスト

Citizenship lab~オンライン読書会を開催しました!

今回は、PforPのメンバーとオンライン読書会を実施しました。「最近読んだ本・おすすめ本の感想シェア会」というテーマで、メイトの皆さんと一緒にそれぞれの紹介する本の内容となぜその本を紹介したいと思ったのかの背景について話していきました。

イベントの中で紹介された本はこちら。

・『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』帚木蓬生著

・『タゴール・ソングス』佐々木美佳著

・『急成長を導くマネージャーの型 ~地位・権力が通用しない時代の“イーブン"なマネジメント』長村禎庸著

・『汝、星のごとく』凪良ゆう著

▶開催概要 8月27日(土) 13:00-14:00

▶「Citizenship Lab」は、”市民性に触れ、市民性を探求する”をテーマに、社会にもっと市民性が広がっていくことを目指し、ゲストの方をお呼びしてそれぞれの分野での市民性について学んだり、メンバー間対話よりこれからのアクションについて考えたりするイベントです。


ふとんで#まどラジオVol.10 【見えないものを見ようとして】

▶今回対話するメイトは?

ミキティ:

フリーランス。NPOピッコラーレ事務局、大学生のカウンセラー、企業の研修講師などをしています。

できることはカウンセリング、ヒーリング、占い。

格闘技が好きでTwitterやyoutubeで常に情報を追っています👀

もうすぐ2児の母!

▶ハイライトpick up!

  • ご自身の「にんしん」をきっかけに、孤立や葛藤は誰にでも起きうる身近なことだと体感したミキティさん。そんなときに「ピッコラーレ」と出会ったとか。ピッコラーレに関わるスタッフさん・利用者さん・寄付者さん、それぞれのエピソードを伺いました。

  • 妊婦さんはマタニティマーク。多様な理由でヘルプマーク。では、一見健康な人が電車の優先席に座っているとき(そして例えば目の前に高齢の方が立っているようなとき)。わたしたちはその場面をどんなメガネで見るのでしょうか。

  • 「見えない何かを持っている方々の集合体が社会だと思う。」その中で、いかに見ようとするか。ミキティさんのそんな姿勢が伝わってくる対話の時間でした。

▶開催概要

・8/26(金)@YouTube

・話し手:ミキティ・まい・ゆいつん

▶ふとんで#まどラジオとは

PIECESメイト同士が、自分の暮らしのサイズ感で市民性について対話するラジオです。

毎月第3金曜夜に20分程度配信します。週末の夜、ゆるゆると聞いてみてください◎


Piece for Peaceへのご参加をお待ちしております。

PIECES メイトのみなさんと、市民性醸成の道を一緒に歩んでいけること、楽しみにしています(単発寄付者の方も、期間限定でPforPに参加いただけます)。


<PforPの今後の予定>

【10/1(土)10:30-11:30@オンライン(zoom)】チェックイン会

毎月第1土曜日の朝に、雑談兼チェックイン(今感じていることなどを話す)会を開催しています。メイト同士の交流にもなりますし、なかなか外で話せないけど話したいことを共有できる時間になりますので、みなさんのご参加をお待ちしております!

PIECES寄付者限定オンラインスペースPiece for Peace 【7月の活動ダイジェスト】

寄付者限定のオンラインスペースPforPの7月の様子をお知らせします。
※PforPは、メイトの皆様が寄付をしながら、社会も自分もwell-beingになることを目指して、イベントの参加やメイト同士で交流できるオンラインコミュニティです(詳細はこちら)。

日常を豊かにし、市民性を醸成するオンラインスペースPforP7月のダイジェスト

マイクロ書店の取組から学ぶ市民性の耕し方〜Citizenship Labメイトアクション探検編〜

今回は、初の出張編ということで、5月にメイトアクション実践編の中の話ででていた、”マイクロ書店”の取り組みを伺いに行きました。伺った場所は、メイトの仲間の1人が運営に関わっていらしゃる、松陰神社前近くの”100人の本屋さん”。

実際に足を運んでみると、本が10~20冊程度入るだろうかという小棚スペースに、マイクロ書店をそこで開いている方々の思いが込められた空間が広がっており、伺ったメンバーでとても楽しい時間を過ごしました。現在様々なコンセプトでこのようなマイクロ書店が広がっているということで、今後PIECESのマイクロ書店をどこかのスペースで始めることができるのでは、という話や、現在コミュニティスペースを開いているPIECESの繋がりの場所でもこのようなマイクロ書店のような取り組みを始めることもできるのではないか、という話で盛り上がりました。 とてもワクワクする機会でしたので、今後も気になった場所などあれば、メイトの皆さんと探索をができる機会が作れればと思います!

▶開催概要

7月3日(日) 14:30-17:00

▶Citizenship Labとは

”市民性に触れ、市民性を探求する”をテーマに、社会にもっと市民性が広がっていくことを目指し、ゲストの方をお呼びしてそれぞれの分野での市民性について学んだり、メンバー間対話よりこれからのアクションについて考えたりするイベントです。


HIPAHIPA!まどラジオ~ゲスト回~お家を地域に開放する~周りを巻き込みながら活動する難しさとは

今回のHIPAHIPAまどラジオは、福岡県大野城市で活動する小屋カフェtoriのりょうこさんをお招きして、お話を伺いました。小屋カフェtoriでは、ハンドメイドアクセサリーやフェアトレード雑貨、パティシエによるスイーツ、コーヒーなどの販売をしています。自分らしく周りの人を巻き込みながら自由に活動したい、一方でその難しさも感じていることについて対話していきました。

▶今回のハイライト

・toriの活動を通して、地域の子どもから高齢の方まで参加できる関わりの豊富さ
・りょうこさんがアタックして実現!IKEAのフードトラックが子ども食堂に!
・助成金によって活動が広がる一方、「ちゃんとやらなきゃ」としんどくなってしまう

▶開催概要

7/16(土)10:30-11:30

▶HIPAHIPAとは
子どもたちとの関わり方や市民性についてみなさんと考える対話イベントです。地域で活動している仲間の話を聞いて共に考えるゲスト回、こんなときどうする?ということを共にテーマから考える対話回があります。


ふとんで#まどラジオ【vol.09 “市民性という共通言語”】

 ▶今回対話するメイトは?

こまちゃん:

2020年度のCforCプログラムを受講し、子どもとの関わりや自分の大事にしたいことを何度も問い続けたというこまちゃん。CforCプログラムで考え抜いたからこそ、いま小学校の先生としても、在りたいかたちで子どもたちと関われている。そう語ってくださいました。
10年後ぐらいに子どもがフラっと寄れるような居場所を作りたいという夢もふくらませているこまちゃんから目が離せません!

▶ハイライトpick up!

・社会への眼差しを周囲の人にシェアしているみこりん。旅先などでの一期一会を大切にしているこまちゃん。

ラジオ前半は、お二人の「暮らしの中の市民性」について聞いていきました。

・生まれた場所が道一本隔たっているだけで、大きな格差が生じてしまう。大阪でそんな現状と出会い、衝撃を受け、どうすればいいんだろうと考えてきたこまちゃんとみこりん。

ラジオ後半は、この課題意識を持った上でCforCを受講したこまちゃんのお話を掘り下げていきました。

▶開催概要

・7/22(金)@YouTube

・話し手:こまちゃん・みこりん・ゆいつん

▶ふとんで#まどラジオとは?

PIECESメイト同士が、自分の暮らしのサイズ感で市民性について対話するラジオです。

毎月第3金曜夜に20分程度配信します。週末の夜、ゆるゆると聞いてみてください◎


Piece for Peaceへのご参加をお待ちしております。

PIECES メイトのみなさんと、市民性醸成の道を一緒に歩んでいけること、楽しみにしています。


<PforPの今後の予定>

【8/26(金)22:00〜配信】 ふとんで#まどラジオ_vol.10“見えないものを見ようとして”

ご自身の「にんしん」をきっかけに、孤立や葛藤は誰にでも起きうる身近なことだと体感したミキティさん。そんなときに「ピッコラーレ」と出会ったとか。ピッコラーレに関わるスタッフさん・利用者さん・寄付者さん、それぞれのエピソードを伺いました。


【8/27(土)13:00-14:00@オンライン(zoom)】Citizenship lab~読書会~

最近読んだ本・おすすめ本の感想シェア会を開催します!幅広いジャンルの本からテーマは選んで頂いて構いません。

【9/3(土)10:30-11:30@オンライン(zoom)】チェックイン会

毎月第1土曜日の朝に、雑談兼チェックイン(今感じていることなどを話す)会を開催しています。メイト同士の交流にもなりますし、なかなか外で話せないけど話したいことを共有できる時間になりますので、みなさんのご参加をお待ちしております!

6周年募金キャンペーン終了のご報告

2022年6月1日から7月31日までの1ヶ間で実施した、6周年募金キャンペーンが終了しました。

目標であった150万円を超える1,806,250円ものご寄付をいただくことができました。ご寄付やシェアといったさまざまな形で応援いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

185名もの方々が寄付という形で、PIECESと共に「子どもが孤立しない社会」を目指した活動を、そして優しい間を広げてくださることを大変心強く思っております。

みなさまからのご寄付は、様々な背景によって子どもたちが社会的に孤立することを防ぐ活動や、PIECESが行っている市民性醸成プログラムの運営などに、大切に活用させていただきます。
いただいたご寄付や想いが、私たちの活動を通して子どもたちに届いていくように、これからも活動に取り組んでまいります。

子どもの暮らす世界に生きている私たちは、子どもの暮らしに、子どもの今に、子どもの未来に影響しています。私たちが子どもと共にあるとはどういうことなのか、子どもも自分も大切にされるとはどういうことか、これからも皆さんと共に問い続けたいと思います。

皆さまからいただいた温かいメッセージ

ご寄付と共に、たくさんの応援メッセージをいただきました。その一部をご紹介させていただきます。

2022年6月にPIECESは6周年を迎えました。これまでも、そして今もこれからも、PIECESは市民の皆さまと共に歩みを進めていきたいと思っております。
いつも私たちの活動を共に耕してくださる皆さまに、改めて感謝申し上げます。

7年目を迎えたPIECESもどうぞよろしくお願いいたします。

2022年8月3日

認定NPO法人PIECES スタッフ一同

PIECES寄付者限定オンラインスペースPiece for Peace 【6月の活動ダイジェスト】

寄付者限定のオンラインスペースPforPの6月の様子をお知らせします。
※PforPは、メイトの皆様が寄付をしながら、社会も自分もwell-beingになることを目指して、イベント参加、交流ができるオンラインコミュニティです(詳細はこちら)。

日常を豊かにし、市民性を醸成するオンラインスペースPforP6月のダイジェスト

小澤いぶき近況報告会~Citizenship lab~

6月は、メイトアクション特別編ということで、小澤いぶき活動報告会を開催しました。小澤からは、最近取り組んでいる活動についてお話ししてもらいました。主に、現在中東地域で活動するNGOさんと一緒に行う心のケアのプロジェクトについてなど共有いただきました。話を聞いて、参加者からは、”いぶきさんが、国を越えて子どもや子どものことで心を痛める大人たちに寄り添うことができることは、本当に素敵なことだと思いました。世界の市民として私たちにできることを考えていきたいです”という声や、”ふと遠い国や場所に住んでる人たちのことを想う優しい間エピソードを聞いて、海を越えて文化を越えて思いやれることに国境はないんだなーと思った”という声が寄せられました。

 ▶開催概要 6月14日(火) 21:00-22:00

 ▶「Citizenship Lab」とは

”市民性に触れ、市民性を探求する”をテーマに、社会にもっと市民性が広がっていくことを目指し、ゲストの方をお呼びしてそれぞれの分野での市民性について学んだり、メンバー間対話よりこれからのアクションについて考えたりするイベントです。


HIPAHIPA!まどラジオ~対話回~

今回のHIPAHIPAまどラジオは、対話回として「まちで出会ったホッとするエピソード」を皮切りに、自分の周りで出会った嬉しかった&モヤモヤした話を参加者それぞれが話し、とてもあたたかな時間となりました。

 ▶今回のハイライト

・赤ちゃんは大人の市民性を発揮させるのかもしれない

・不安な気持ちを打ち消す声かけや行動は「あなたはここにいていいんだよ」というメッセージ

・相手が迷惑かも・・・と思っても、意識して「ありがとうキャンペーン」「いいひとキャンペーン」をしてみよう!

▶開催概要 6/18(土)10:30-11:30

▶HIPAHIPA!まどラジオとは
子どもたちとの関わり方や市民性についてみなさんと考える対話イベントです。地域で活動している仲間の話を聞いて共に考えるゲスト回、こんなときどうする?ということを共にテーマから考える対話回があります。


ふとんで#まどラジオ【vol.08 “情報があふれる今を生きるわたしたちと子どもたち】

▶今回対話するメイトは?

あらぽん:

3歳の息子さんと過ごすことに時間を使いつつも、寄付という形でNPOやNGOと関わり続けているというあらぽんさん。「子育てをしていると、『かわいい』と思う瞬間以上に『どうすれば良かったんだろう』と反省することの方が時間としては多いのではと感じている」とか。子育てに関するタイムリーな悩み・モヤモヤを、共有し共に迷うメイトさん募集中、です!

▶ハイライトpick up!

  • インターネットでの検索や動画サイトでのレコメンドによって、興味をどんどん深められる環境にいる「わたしたち」。

  • 一方で、自分の関心外の情報に偶然触れることがいつの間にか少なくなってきているように感じます。

  • そんな時、PforPのような緩やかにつながるスペースにいる意義は大きいのかもしれない。自分ではたどり着かなかった情報や人に出会える場所として、PforPの価値を再発見していきました。

▶開催概要

・6/17(金)@YouTube

・話し手:あらぽん・あんな・ゆいつん

▶ふとんで#まどラジオとは?

PIECESメイト同士が、自分の暮らしのサイズ感で市民性について対話するラジオです。

毎月第3金曜夜に20分程度配信します。週末の夜、ゆるゆると聞いてみてください◎


Slackでの話題 pick up!~PIECESは6周年を迎え、6月25日に交流会を開催しました!

PIECESは6月22日に6周年を迎えました。6月25日に開催されたトークイベント後、スタッフ・プロボノ・インターン・寄付者の方々とゆるやかに交流会を開催しました。交流会では、久しぶりの対面、オンラインでは何度も会っているけれど、初めましての対面、本当に初めましての方までいらっしゃり、PIECESを一緒に紡いでいる仲間たちとの談笑に花が咲きました。

今後はオンラインだけでなく、対面でお会いできるような機会も増やしていく予定です。


Piece for Peaceへのご参加をお待ちしております。

PIECES メイトのみなさんと、市民性醸成の道を一緒に歩んでいけること、楽しみにしています。


<PforPの今後の予定>

【6/18(土)10:30-11:30@zoom】HIPAHIPA! まどラジオ〜ゲスト編〜

「お家を地域に開放する~周りを巻き込みながら活動する難しさとは」

 今回はゲスト編として福岡県大野城市に住むりょうこさんをお招きします。

りょうこさんは小屋カフェtoriを昨年オープンし、ハンドメイドアクセサリーやフェアトレード雑貨、パティシエによるスイーツ、コーヒーなどの販売をしています。toriを通してりょうこさんの友人が近所に住む赤ちゃん連れのママさんと出会ったり、北欧発家具メーカーのIKEAと連携して、子ども食堂としてホットドッグなどを提供しています。最近助成金を獲得しましたが、どのように使ったら良いのか悩んでいるそうです。自分らしく周りの人を巻き込みながら自由に活動したい、一方でその難しさも感じていることについて対話していこうと思います。


【7/22(金)22:00〜ふとんで#まどラジオ_vol.09】 市民性という共通言語

「生まれた場所が道一本隔たっているだけで、大きな格差が生じてしまう。」

大阪でそんな現状と出会い、衝撃を受け、どうすればいいんだろうと考えてきたこまちゃんとみこりん。この課題意識を持った上でCforCを受講し、今年度から小学校の先生として日々子どもと共にいるこまちゃんに、じっくりお話を伺いました。

世界で戦争や紛争が起きている時、子どもとの関わりで知っておいてほしいこと

ウクライナ・ロシア情勢が刻々と変化する中で、子どもたちもニュースでそのことを目にする機会や、大人が話すことを耳にする機会が増えているかもしれません。

私たちが自分なりに社会で起きていることを受け取っているように、子どももその子なりに起こっていることを受け取っています。受け取ったことをどのように認識するか、どのように対処するかは年齢や発達、そして一人一人違います。
いつもと違う状況やニュースなどで知ったことに関しての疑問や不安を、「大人に何度も聞く」といった形で表現する子もいれば、遊びで表現する子やもいます。大人から見ると「困ったなあ」と感じる行動や、「赤ちゃん返り」しているように見えるような、いつもと違う様子に見える状態が、その子なりのサインである場合もあります。

大きな危機が起きた時、私たちの心身はその危機に対応しようとします。そのサインとして、さまざまなサインがみられます。それはとても自然なことで、私たちの力でもあります。

このような時に子どもに起こること、そのことに対して子どもと共にできることを共有します。

書き手:

小澤 いぶき

PIECES代表理事 / 児童精神科医 / 東京大学客員研究員


1.子どもは、どんな時に社会の危機を受け取るの?

・自分の生活がいつもと変わる

・戦争のニュースで生々しい映像、強く印象に残るいつもと違うニュースが流れる。そのことに対して大人の様子もいつもと違う

・過去に怖かったことを思い出すようなニュースや話題が身近で話される、流れている

・見通しがつかない

・ルーティンでやっていたことが変わる

・突然イベントがなくなる

・いつも行っていた場所に行けなくなる

・周りの雰囲気がいつもと違う

今回はウクライナ・ロシアの影響を念頭に記載していますが、一般的に不安を感じる時は、ここに書いているものだけではありません。

今回のような状況で、お子さんが「何かいつもと違うことが起きている」と感じるのはとても自然なことです。

2.危機を知ったり、体験した時は子どもにどんな変化があるの?

子どもたちは、言葉で伝えてくれる以外に、行動や身体、心を通して様々な形でサインを出してくれることがあります。これらはその子なりに、今起こっていることに対処しようとしているその子の力でもあります。

・いつもできていたことをやらなくなる

・ぼーっとする

・おねしょが増える、頻尿になる

・ご飯の量が減る

・寝つきが悪い、途中で目が覚める

・腹痛などの身体の症状

・いつもより甘える、一人でいるのを怖がる

・会話が減った、なにか言いかけてやめる

・いつもよりこだわりが強くなる、なんども同じことを聞く、やる

・いつもより落ち着きがなくなる、そわそわする、イライラしやすい

・兄弟などとの揉め事や喧嘩が増えた、何かや誰かに当たる

・勉強に集中できない

ここに書かれているものだけではなく、様々な形でサインを出しています。ぜひ子どもの様子がいつもと比べてどうかを丁寧にみてみてください

危機に対応するために過覚醒になることもあります。低年齢であればあるほど、言葉以外で表現する頻度が多いかもしれません。

周りの状況を繊細に見て、自分の不安や悲しさ、恐怖、疑問などを表に出せず我慢しているお子さんもいます。一見何もないように見えるからといって、何も感じていないというわけではないこともあります。
また、子どもは遊びの中で様々なことを表現します。見たニュースを「爆弾ごっこ」「ミサイルごっこ」のようにあそびで再現することもあります。

保護者も戦争のニュースを気にしながらも、新型コロナウイルスに関する対応、新年度への準備など、日々さまざまなことに対応しており、お子さんに気を配るのは物理的にハードルがあるかもしれません。
保護者だけが頑張るのではなく、複数の大人の目でお子さんに関心を向けていける環境を周囲が一緒につくっていくことも大事なことの一つです。

3.子どもにどんな風に関わったらいいの?

①心と身体の変化に目を向ける
・いつもと違う状態や行動に気を配る

・子ども自身、自分でもどうして良いかわからないと感じていることもあります。いつもよりできないことが増えたように見えても、急かさず、子どもが何に困っているのか丁寧に観察する

・子どもなりに対応していること、やっていること(子どものレジリエンス)にも目を向ける

②子どもに対する声がけ
・子どもの感情を言葉にして受け止めてみる
例:「悲しかったんだね」「嫌だったね」「嬉しかったね」「楽しかったね」など

・自分の感情に自分で気づくことが難しいこともあります。子どもの身体の状態を手がかりに、気持ちを探ってみるのも一つの方法です
例:「顔があついね」「いつもよりドキドキしてるんだね」「いつもより身体がかたくなってるかな」など。「怖かったね。心配になったね」など感情を共有する。

・できるだけ肯定的な言葉がけを心がける。大人からみたら当たり前だと思うことでも、子どもにとってはとても頑張ってやっていることも。
例:「歯を磨いたんだね」「着替えたんだね」と当たり前に目を向けて言葉にして伝える。

③生活の工夫
・可能な範囲で子ども自身が選択できる余地を作り、選択をまずは受け止める。もしその選択が叶わない場合は、違う方法を提案したり一緒に考えたりする。
※子どもにとって自分の意思ではどうにもならないことが続く時は、子どもが小さくても自身で決められることをつくってみるのも大切なことの一つです。

・日々の中に、小さな楽しみやほっとできる時間をつくってみる

・身体をケアし、リラックスする時間をつくる
例:深呼吸をする、手をぎゅっと握って開く、触られるのが嫌でなければ背中をマッサージするなど

・大人と一緒に情報から離れて、違うことをする時間をつくる。好きなことを大事にする。

・普段と変わらずにできることは、無理がない範囲で続ける
※規則正しい生活(いつもと同じ時間に寝る、ご飯を食べるなど)は安心感につながります。

・遊ぶことや身体を動かすことはとても大切なので、可能な範囲で取り入れる

④遊びに対して
・まずは無理に止めずに見守りましょう。苦しそうに同じ遊びを何度も何度も繰り返す場合、遊びが何度も悲しい結果に帰結する場合、良い形で遊びを終えられるように一サポートしてみてください。

いつもより保護者に「見て見て」と共有することが多かったりするかもしれません。体験を共有し、感情を受け止めてもらえることは、子どもが危機を乗り越える上でとても大事な体験です。

ただ、「見て見て」に対して、その体験や感情を受け止め共有することがすぐに叶わないこともあります。そんな時は「見せてくれて嬉しいな。ありがとう。〇〇時になったら見るね。」と声をかけて、一緒に体験や感情を共有し受け止める時間をつくったり、子どもと一緒に「見て欲しいもの」を置いておく宝箱や、秘密の場所などを考えて、その箱を開ける時間を決める、なども一つの方法です。

4.起こっていることについて子どもに伝える時

大人にとっても予測が難しいことも多いかと思いますが、今起こっている事実を子どもの年齢に合わせた言葉で丁寧に伝えてみてください。

わからないことがあった場合もごまかしたり、嘘をついたりせずに「自分もわからないこと」を伝え、「わかったら伝えること」を丁寧に伝えてください。見通しがつかないと、何度も同じことを聞いてくるかもしれません。そんな時は、できる限りで同じことを繰り返し丁寧に、穏やかに伝えてください。

繰り返し聞かれることに対応する時間や気持ちの余裕がないことがあるのも自然なことです。そんな時は「聞いてくれてありがとう。」と伝えた上で、気になることを聞く時間を決めるといいかもしれません。
文字が書けるお子さんであれば、「気になることノート」や、「気になることボックス」を作って、気になることを書いた紙を入れるなどして、書いたものに答える時間や書いたものに言葉で返信するなどをしてみてください。

子どもへの対応や関わり、話の伝え方については、セーブザチルドレンが出されている「専門家がすすめる、子どもと戦争について話すときの5つのポイント」も参考にしてみてください。

5.最後に

子どもに関わる大人自身も、気づかないうちに疲れていることが少なくありません。

過去の体験をニュースの映像で思い出し、苦しくなったり涙が出たり、呼吸が浅くなることもあるかもしれません。それもとても自然なことです。ぜひ情報から離れて、深呼吸したりストレッチをしたりとリラックスする時間をつくってみてください(できる範囲で、無理をせず)。

また、子どもも子どもに関わる大人も、このような状況でもできていることがたくさんあります。当たり前にやっていることやできていることに目を向けてください。そして、自分の中にある感情を大切に受け取ってください。

こどもがこどもでいられる社会を|寄付キャンペーン2021終了のご報告

2021年12月12日から2022年1月31日までの約1ヶ月半で150名のPIECESメイト(毎月の継続寄付者)を募る寄付キャンペーンが終了しました。

「こどもがこどもでいられる社会を」をテーマに実施してきた寄付キャンペーンでは

  • 新たに126名のPIECESメイト

  • 79名の方から571,170円の単発のご寄付

を頂戴しました。キャンペーン中にご寄付くださった皆さま、応援してくださった皆さまへ改めて感謝申し上げます。

目標としていた150名にはあと少し及ぼなかったものの、改めてPIECESを応援くださる方がたくさんいらっしゃることを実感することができ、PIECESメンバー一同感謝の思いで一杯です。
今回の寄付キャンペーンを経て、455名の方に現在PIECESメイトとして歩みを共にしていただいています。
5周年を迎えた今年度、これほど多くの方にPIECESを応援していただけていることに改めて感謝いたします。

a piece for peace

おひとりお一人の願い、託してくださる想いが本当に嬉しく、共に同じ未来を願って歩んでいけることを心強く思います。

キャンペーン期間中にはたくさんのシェア・コメントでの応援もありがとうございました!

今回のキャンペーンは、PIECESをカタチづくる多くの方々と共に進めることができました。

連載してきた #note は15本!#わたしがPIECESを好きなわけ のタイトルで、それぞれの目線から言葉を紡いでくださいました。(note企画はプロボノの中原さん、高島さんがマネジメントしてくれました!)

PIECESを、PIECESという生態系を愛する言葉でいっぱいになりました。ぜひ、ご覧いただき、この生態系の仲間になっていただけると嬉しいです。


子どもが子どもでいられるとは、子ども「らしく」いられることとは異なります。
「子どもらしさ」では、大人から向けられる物差しや
子どもらしくない子どもといった排除を生む可能性もあるからです。
子どもが子どもでいられるというのは、その子がその子としていられること。
私が私でいられる、あなたがあなたでいられることと繋がっています。

こどもがこどもでいられる社会をあなたの手元から、共に紡いでいけたら嬉しいです。

PIECESメイトのみなさまからのご寄付は、様々な背景によって子どもたちが社会的に孤立することを防ぐ活動や、PIECESが行っている市民性醸成プログラムにかかる費用に活用させていただきます。いただいたご寄付とお気持ちが、私たちの活動を通して、子どもたちにきちんと届いていくように努めてまいります。

#ひろがれPIECES

「助けて」の声、なぜ聞こえない? 虐待を生む社会構造を問う #虐待防止月間

児童虐待の報道が出るたびに、養育者や児童相談所に対する強い声が生まれることがあります。私はその度に、その声は「果たして何をうむのだろうか」と考えてしまいます。

書き手:小澤いぶき(PIECES代表 / 児童精神科医 / 東京大学客員研究員)


今月11月は厚生労働省が定めた児童虐待の防止・啓発を行う虐待防止月間です。

今回はこの「虐待防止」という観点から、「助けて」と声を出しづらい社会や、「助けて」の声が届きづらい社会を作ってしまっている理由を紐解いていきたいと思います。


予防がなされている地域の検証や、なぜ児童虐待が起こったかの丁寧な検証と、検証を元に仕組みとして何を改善すると良いかを検討することはとても大事で必要なことです。ですが、この再発予防に向けた仕組みの改善を目的とする検証は、例えば養育者ややどこかの機関に全ての責任があるかのように非難することとは全く異なります。

「母親は」「児童相談所は」といった大きな主語によって語られる物語は、時にその背景にある、働き方やジェンダーギャップなどの人権の問題や複雑な社会構造を見えなくさせていることがあります。それは子どもたちの権利の問題にも目を向けづらくする一因にもなりえます。


「助けて」を言いづらくさせてはいないか?
困難をさらに潜在化させる可能性はないか?


私たちはどのようにしたら、マルトリートメント(大人の子どもに対する不適切な養育や関わり)をうむ社会のシステムにアプローチできるのでしょうか。そして、子どもの権利と尊厳を尊重し合える社会につなげられるのでしょうか。

目次

  1. マルトリートメントとは何か

  2. マルトリートメントをどのように捉えるか

  3. 子育て困難が起こるまでにどんなプロセスがあるか

  4. マルトリートメントが起きるシステムにどうアプローチするか

  5. 最後に

マルトリートメントとは何か

マルトリートメントとは、虐待とほぼ同義で使われる言葉ですが、日本語では「大人の子どもに対する不適切な養育や関わり」と訳されます。友田先生の著書及びインタビュー記事には以下のように書かれています。

「子どものこころと身体の健全な成長・発達を阻む養育を全て含んだ呼称」であり、大人の側に花街の意図があるか否かにかかわらず、また、子どもに目立った傷や精神疾患が見られなくても、行為そのものが不適切であれば、それはマルトリートメントと言えます。
(「子どもの脳を傷つける親たち」(NHK出版参照)/「PHPのびのび子育て」11月号より)

また、WHO(世界保健機関)にも、マルトリートメントとはあらゆる種類の児童虐待及びネグレクトが含まれ、結果として、子どもの健康、生存、発達及び尊厳に実際的/潜在的な害がもたらされることとされています。

Child maltreatment is the abuse and neglect that occurs to children und
er 18 years of age.
It includes all types of physical and/or emotional ill-treatment,
sexual abuse, neglect, negligence and commercial or other exploitation,
which results in actual or potential harm to the child’s health, survival,
development or dignity in the context of a relationship of responsibility,
trust or power.
Exposure to intimate partner violence is also sometimes included
as a form of child maltreatment.
(WHO HPより
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/child-maltreatment)

つまり、マルトリートメントとは「児童虐待及びネグレクトを含む子どもの健やかな心身の発達及び尊厳を阻害するような養育及び関わり」と捉えられます。

マルトリートメントをどのように捉えるか

以前、新潟県新潟市で行われた第115回精神神経学会に参加した際に拝見した、福井大学子どもの心の発達研究センターの友田明美先生の発表を参考に考えていきます。(第115回精神神経学会「ACE(児童期逆境体験)に精神科臨床はどう向き合うか」, 福井大学子どもの心の発達研究センター 友田明美)

友田先生は、マルトリートメントが起こる社会の構造自体を変えていく必要があると話されていました。そのために、マルトリートメントを子育て困難のサインだと捉え、育児の孤立化を防ぐ「子育てを社会で支える」ための共同子育てを提案しています。

子育て困難が起こるまでにどんなプロセスがあるか

マルトリートメントを子育て困難のサインと捉えると、その困難はどのようなプロセスをたどって起こるのでしょうか。友田先生の学会で発表された以下の研究に、そのプロセスが示されています。

共同発表:子育て中の母親ら養育者の抑うつ気分を見える化して子育て困難の予防を図る~社会脳の活動を計測し養育ストレスが深刻化する前兆を早期発見する評価法の開発~共同発表:子育て中の母親ら養育者の抑うつ気分を見える化して子育て困難の予防を図る~社会脳の活動を計測し養育ストレスが深刻化www.jst.go.jp

子育て困難や子ども虐待は急に起こるのではなく、「養育準備」、「健全養育」、「養育困難」、「養育失調」という過程を経て進行していくものと捉え、深刻な事態を招かないために、段階に応じた予防的な養育者支援を提案することを目指している。

養育失調までの過程の詳細は以下のように定義されています。

養育準備:未養育者、これから養育を行う者、養育を行って間もない者を含む。
健全養育:養育リスク要因がほとんどなく適切な養育を行う者を含む。
養育困難:養育リスク要因が少なからずあり適切な養育を行うのが難しい者を含む。
養育失調:養育リスク要因が比較的多くあり不適切な病的養育を行う者を含む。

上記の過程は、心身の疲れが蓄積されると、どんなに子ども思いの養育者にも起こり得ると記されていおり、加えて現代の社会の状況は、構造的に養育者心の疲れがより生じやすいのだといいます。

たとえどんなに子ども思いの養育者であっても、体の疲れだけでなく、目に見えない心の疲れの蓄積から子育て困難(そして最悪な事態として子ども虐待)に陥ってしまうリスクの線上にいると考えている。

少子化や核家族化の進行、地域のつながりの希薄化など、社会環境が変化する中で、身近な地域に相談できる相手がいないなど、子育てが孤立化することにより、その負担や不安が増大している。
(※1※1 内閣府『平成25年版 子ども・若者白書』)
こうした子育ての環境の変化は、養育者のメンタルヘルスの問題が生じやすい要因にもなっていると考えられるが、近年は子育て困難そして最悪な事態として子ども虐待や妊産婦の自殺等の予防という観点からも、メンタルヘルスの重要性が指摘されている。(※2厚生労働省 雇用均等・児童家庭局
総務課『子ども虐待対応の手引き(平成25年8月改正版)』)
子どもへの身体的虐待、性的虐待、暴言による心理的虐待、ネグレクトなど、子ども虐待につながりうる子育て困難を防止するためにも養育者のメンタルヘルスへの対応が望まれる。

つまり、マルトリートメント、虐待は、私にもそしてこれを読んでくださっている方にも起こりうる可能性が十分にあるということなのです。

さらに、「養育困難」段階までの過程において起こる心の疲れの深刻化は、脳機能を変化させ、対人関係における様々な困難さ(対人関係や、家族内の関係の困難さ、援助希求の難しさなど)につながる可能性もあります。つまり、心の疲れが深刻化すると、人との関わりの中で生まれる「助けを求める」、「自分や子どものストレングス(強み)に目を向ける余白を持つ」、「必要な情報を得る」などが困難になる可能性があるのです。

養育者が子育てを頑張る過程のどこかで、頑張ろうとしても難しい状況が生まれています。

そしてその困難は、心の疲れへのケアや深刻化への予防環境が少ない社会のシステムの問題である、と私は考えています。


マルトリートメントが起きるシステムにどうアプローチするか

福井大学の研究チームでは、子育ての中で、子育ての負担や不安から、ほぼすべての養育者が感じる気分の落ち込みといった心の疲れを表す抑うつ気分の程度差に注目しています。

心の疲れが深刻化し、養育困難への過程に進む中で援助希求や対人交流が難しくなることは孤立化を深めていきます。そのような状態になる前から、小さな困りごとやを共有しケアしあえたり、自分では気づかないストレングス(強み)に目を向けられるような体制が必要であるのではないでしょうか。例えば親以外の周囲の大人たちとの子どもを育てる共同子育てが、子育ての孤立化を予防し、負担や不安を低減する可能性がある、と友田先生は述べています。


最後に

福井大学の研究チームの研究及び友田先生の発表を通して見えてくる以下の三点は、メンタルヘルスのように見えづらいことを自分たちのこととして捉え直し、お互いをケアしやすい社会の寛容さを生み出す鍵でもあると感じます。

・虐待につながる要因に誰もが感じ得る心の疲れ」という普遍的なものがあるということ
疲れの深刻化を個人の責任とせず、「社会のシステムの問題」と捉え直した上での新たなシステムの提案。
・特別な人が虐待をするわけではなく、心の疲れが深刻化する環境であれば私にも起きうる、という「誰かのことから私たちのことへ」の、社会の共通認識の変容プロセスの設計。


私たちは、虐待という問題をどのように捉え、向き合っていくことができるのでしょうか。

11月は虐待防止月間。ぜひ一緒に考えてみませんか。


セミナーレポート|子どもたちの"いきづらさ"に心を寄せる 〜孤立する子どもたちが本当に求めているものとは?〜

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10月4日(日)、「子どもたちの“生きづらさ”に心を寄せる ~孤立する子どもたちが本当に求めているものとは?~」として、NPO法人ビーンズふくしまの山下仁子さんをお招きして公開講座を行いました。

オンラインでの開催で、35名の方々に参加いただきました。


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講師:山下 仁子

NPO法人ビーンズふくしまアウトリーチ事業 事業長

福島県ひきこもり支援センター ひきこもり支援コーディネーター


◆講座内容

講座は以下4つのセクションに分けて進められていきました。


・講師紹介/ビーンズふくしまの活動紹介

最初のパートでまず話していただいたのは、ビーンズふくしまの事業概要、支援の内容についてです。山下さんたちが行うアウトリーチ型支援がなぜ必要なのか、どのように有効なのかを説明いただいたうえで、「支援は必ず子どものエンパワメントを中心に置く」ということをお話いただきました。

・貧困の中を生きる子どもたち

日本の貧困情勢を数字や定義でみた後に、貧困の中で生きる子どもたちの実情について話されました。これまでに出会ってきた子どもたちからは「生きているとみんなに迷惑かけるから今から死のうと思う。でも、母親を1人にはできないから母親も殺すしかない。」「今まで頑張ってきたけど、これ以上何をどう頑張ればいいかわからない。生まれてきたのが間違いだったんだよ。」と言った発言があったそうです。その発言が生まれてくる背景には、複雑な家庭事情があること、貧困の中で生きることで、その環境が当たり前になり、違和感を持つことができず、生きる力が低下していることなどをお話いただきました。

・対談①~信じ続け、関わり続ける~

講師の山下さんとPIECESの斎で、子どもの人権について、ある女の子の事例を交えながら対談しました。母親の精神疾患などを背景に施設入所につなげていった10代半ばの女の子。ですが、そこが本人にとっては安心できる居場所にならなかった中で、自力での生活に向かっていったそのプロセスで、一人の支援者として本人の声を尊重すること、本人の力を信じること、本人の周りにいる関係者にも敬意をもって環境づくりをしていくことについて、山下さんの飾らずに温かい人柄やまなざしそのままにお話しいただきました。

・対談②~子どもと関わる上での姿勢~

前のセクションに続き、山下さんが出会った子どもたちとの話から、「子どもと関わる姿勢」について対談しました。しんどさを抱えている子どもたちに向き合うときに、どこかで真面目にやらなきゃということがあるが、山下さんの関わり方の中にはユーモアがあるという斎の言葉に対し、「困難な子であればあるほど、楽しい大人でいようという思いがある」と山下さんは語ってくださいました。また、子どもの発した言葉に対し、「心で聞いて心でこたえると、たとえそれが正解じゃなかったとしても、間違っていても優しい答えになるんじゃないか」ということも話してくださいました。


<公開講座当日の様子>

◆当日の質疑応答の様子

当日は講義動画をそれぞれで見た後に、数人ごとで感想共有を行い、全体で質疑応答を行いました。質疑応答では、「問題のある子どもに接するとき、どうしても慎重になりすぎたり、はれ物に触れるような接し方をしてしまうことがあるが、山下さんがそういった子どもたちと対等な人間として関わるために心掛けていることはありますか?」「どういうモチベーションでご活動を始めて、その後ご活動を続けているモチベーションや背景にある思いを教えていただけますか?」といった多くの質問が参加者から寄せられました。

質疑応答の中で、「その子を信じ、信じて進んで裏切られて、ということはありましたか?」という質問に対し、山下さんは以下のように答えてくださいました。

「今まで子どもと関わってきた中で、裏切られたというふうには思っていなくて。例えば約束したことを守らなかった子どもはたくさんいる。子どもが、”裏切る”という感覚で大人と関わっているのかというと、(意見が)変わったり、ちょっと嘘つきたくなったりする時もあるよなと。私は、子どもがどうやったら約束を守ることができるのか、また一緒に考えていこうというのが強いので、裏切られたから困ったということは考えていなくて。このやり方だと本人はやりにくいのかなとか。本人がやれなかったとか嘘ついてしまったとかで自信をなくしてしまうよりは、本人が約束を守れるためにはどんなやり方が良いのかと考えていくようにしています。」

また、「山下さんが、優しいこたえが子どもを包んでくれるように工夫していること、意識していることはありますか?」という質問に対しては、以下のように答えてくださいました。

「全てにおいて正解はなく、自分に何かできるとも思っていないということがまず前提にあって。こちら側も子どもの言葉で傷つくこともあれば、こちらが良かれと思って言った言葉で子どもを傷つけてしまうことがある。例えば『学校行きたいんだよね』と子どもが言ってくれたときに、どうしたら行けるようになるかというよりも、この言葉を発してくれるようになるまでに半年かかってしまった、こっちが学校の話題に触れていたらもっと早いタイミングで学校に行けてたんじゃないかと感じる。そこで私の中で出てくる言葉は、『早く気づいてあげられなくてごめんね』ということ。まず気持ちに対しての言葉をかける。発してくれた言葉だけをとるのではなく、その言葉の裏側に何があったのかを一回受け止めて、その気持ちの動きにまず応えるということをやっているかなと思います。」

寄せられた質問に対する山下さんの回答を聞くと、無理に前に進めようということではなく、発してくれた言葉に対する気持ちや発するまでの過程をまず大事にするということが、優しい答えなのではないかと思います。「子どもの声を大切にする」とはよく耳にしますが、それは頭で考えるのではなく、心で聞いて答えるということなのかもしれないと思いました。


◆感想

以下、参加者からの感想です。

・山下さんはものごとを切り取らず、複雑なものを複雑なままに受け取られているような感覚がして、まさに心で生きているんだなと思いました。「ありのままを受け止める」とか「対等な関係性」とかいろいろ語られるけれど、そういうことではなくて(もちろんそれも大事なんですが)「言葉」にならない、ただそこに存るこれまでを含む「今」そのものを見る感覚があるような感じがしました。表象されている「言葉」を見るのではなく、その「言葉」が付けられた奥にある景色はきっと「言葉」だけでは語れず、丁寧に見つめて受け取るしかないのだろうと思います。

・訴えることもない子どもや裏切られた時にはどうなのかという質問で、山下さんの心で聞いて心で答えるを理解できた気がします。子どもの状況や過去に寄り添い、その子の気持ちが出てくるまで待ちながら、心で丁寧にその気持ちを受け止める。そして、否定するのではなく、やり方が合わなかったのかな、じゃあ次にはどうしていこうかと、頭ではなく心から考えられるところが、子供が信頼して話そうと思える理由なのかなと思いました。

・「何も話さない・しない時間を成立させる」という言葉と前回の講座の「待つ」ことがリンクしたように思う。すべての子どもに対して「手を差し伸べればいい」「待てばいい」ということではなく、その子が今どのくらい自分の力を発揮できる状況であるか見極めて、そのうえで子どもの力を信じていくということが大切なのだなととても勉強になった。


第4回目は、11月1日(日)10時~12時30分で開催します。

講師に、ソーシャルワーカー・弁護士である安井飛鳥さんをお招きし、公的支援や専門職の立場からみた市民の可能性についてお話しいただく予定です。単発でのご参加も受付が開始していますので、ご関心のある方は是非イベントページをご覧ください。

地域の中高生を〝斜め下〟から支える「中高生センター ジャンプ 東池袋」

東池袋にある「中高生センター ジャンプ」は、豊島区内在住・通学者が利用出来る児童館です。
約一年前からPIECESのコミニティユースワーカー(CYW)が関わり、中高生と共に様々な活動をしています。

中高生児童館ジャンプには、中高生の「やりたい」が実現出来るよう様々なものが揃っています。
自分のペースで過ごせる居場所空間はもちろん、
パソコンやボードゲーム、
バスケが出来る屋上、
ギターやドラムなど本格的な楽器が揃うスタジオもあり、バンドを結成した中高生がライブで演奏もしました。
映画作りに挑戦した中学生もいます。

いつもは一日50人以上利用しますが、この日はテスト前という事もあり20人ほどでした。
CYWはこの日、受験を控えている高校生に勉強を教えたり、
お喋りしながら一緒に折り紙を折ったりして和やかな時間を過ごしていました。

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こうした何気ない会話を通して、悩み事ややりたい事などを話してくる中高生もいます。
それらをキャッチしたら、ジャンプの職員と共有するだけでなく、PIECESが持っている資源に繋げ、中高生の可能性の実現を図っています。

CYW1期生の中村さんは、「この一年間で中高生と関係が築けたので、今後は個別の相談にももっと応じれるようにしたい」と、LINE相談の準備も始めています。

館長の篠田さんはジャンプを「中高生を斜め下から支える関係。家庭でも学校でもない身近な地域の居場所として、中高生にお節介をするのが役目です。」と話していました。

児童館と民間団体が連携する事で、中高生の多様なニーズに対応可能な選択肢を広げています。
ジャンプとPIECESの取り組みがモデルケースとして示していけるようにしたい、と篠田館長と中村さんが語っていました。

中高生とジャンプ、
中高生とPIECES、
ジャンプとPIECES、
それぞれの関係の良さが伝わってくるような、温かな空間でした。

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◾︎今回のイベントのように、NPO法人PIECESは、子ども達の興味・関心に寄り添い、共に楽しみを共有しあえる活動をしていきたいと思っています。みなさまのご協力があってこそこのような活動ができていますので、今後とも、どうぞ宜しくお願いいたします。


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広報ボランティア  小澤 麻紀
若者向け就労支援機関の相談員として勤務。コミニティーユースワーカーの活動に興味を持ち、昨年よりPIECES広報ボランティアとして各現場を訪問・取材をしている。趣味は、神宮球場でビールを飲みながら野球観戦をする事。